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NECは「3000人リストラ」で生まれ変われるか 外部人材登用の一方、10月から希望退職実施

東洋経済オンライン のロゴ 東洋経済オンライン 2018/07/12 08:00 山内 哲夫
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 「今回(のリストラ)は間接要員が中心となる。3000人をやりきるのは容易ではない。減ったあとの人員で回るようにプロセス変更も必要になる」。NECの新野隆社長は7月10日、東洋経済などの取材に応じ、6月末に正式発表した希望退職の募集についてそう言及した。

 今回、NECが発表した特別転進支援施策(希望退職の募集)は、10月29日~11月9日の2週間ほどの募集期間で、間接部門およびハードウエア事業領域の特定部門に在籍する45歳以上かつ勤続5年以上の者が対象となる。早期希望退職を募集するほか、取引先などグループ外への出向・転籍を通じて間接部門を中心に3000人の人員を削減する。

 「これまで経理・財務をやってきて、明日から営業をやりなさいといわれてもなかなかできない人がいる。いまのスキルを生かすことができるように、今回のような転進策を用意した」(新野社長)

”自前主義”からの脱却

 今2019年3月期は400億円の構造改革費用を想定するNECだが、そのうち300億円は今回の人員削減に伴うものだ。この施策によって、売り上げに占める販管費の割合を2割以下にすることを目指す。

 このリストラ策と同時に取り組むのが、”自前主義”からの脱却だ。6月の株主総会でも、新野社長が何度も繰り返し語ったNECの弱点である。力を入れるのが、外部人材の登用だ。その象徴が、GEジャパン社長の熊谷昭彦氏を副社長に招いた4月の人事。熊谷副社長は海外事業を管掌するグローバルビジネスユニットを担当する。

 新野社長は「外からの人材を入れて機能するか心配もしていたが、うちの連中はいいものはどんどん取り入れる。熊谷さんも積極的にコミュニケーションをしているようで、パーソナリティも合っている」と評する。 

 そのほか、外部人材で目立つところでは、新設したカルチャー変革本部の本部長に起用された佐藤千佳執行役員。日本マイクロソフトの人事責任者などを歴任してきた人物だ。新たな人事評価制度を導入し、より厳しく成果を評価し報酬に反映させる方針で、企業文化の変革を担う。

 「今回来ていただいている方はほとんど外資系の経験しかない方なので、かなりの抵抗はあるだろうし、来ていただいた方もギャップを感じているはず。われわれもそのギャップを埋めていく努力が必要だ」(新野社長)

 自前主義はもちろん人に限らない。「クラウド事業でもわれわれで独自のクラウドをもっているが、求められれば、アマゾンやマイクロソフトのサービスを組み合わせて提案する。何でもかんでも自分たちのもので提供する時代は終わったと思う」(新野社長)。

中計初年度から目算狂う

 NECは今年1月に3カ年の新中期経営計画を発表した。営業利益(国際会計基準)は、2019年3月期に500億円、2020年3月期に1200億円、最終年度の2021年3月期に1500億円を目指すというものだ。

 今期の営業利益500億円の中には、電極をつくる子会社、NECエナジーデバイス株の譲渡による100億円の増益要因が含まれる。だが、7月に入って譲渡先の中国投資ファンド・GSRキャピタルが、資金が足りないことを理由に買収を断念した。

 新野社長は「ここまで詰めてきたスキームなので、このままやるのが一番いい。GSRとしてもやりたいスキームだと思う」と述べるなど、今後も売却を模索するつもりだ。

 とはいえ、今期中に売却ができず100億円の増益要因が消えるリスクは高まっている。他方、前出の3000人の希望退職も45歳以上と限定される中で、積極的に手を上げる人が多いとは考えられず、想定していた300億円の構造改革費用を使い切らない可能性もある。いずれにせよ今期の業績見通しに、不透明感が漂っているのは間違いないだろう。

 2012年に実施した1万人リストラでは、退職を説得する管理職側の疲弊も募り、社内のモチベーション低下を招いた。年末に予定されている希望退職者の退職日に辞める人数がどれくらいになるか。NECの経営陣は中計初年度から難しい舵取りを迫られている。

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