古いバージョンのブラウザーを使用しています。MSN を最適にご利用いただくために、サポートされているバージョンをご使用ください。

VW、EVシフトの「張本人」が日本市場にディーゼル投入の思惑

ダイヤモンド・オンライン のロゴ ダイヤモンド・オンライン 2017/10/22 週刊ダイヤモンド編集部
VW、EVシフトの「張本人」が日本市場にディーゼル投入の思惑: VWのディーゼルエンジン搭載モデル「パサート ヴァリアント TDI」 Photo:Volkewagen © diamond VWのディーゼルエンジン搭載モデル「パサート ヴァリアント TDI」 Photo:Volkewagen

 独フォルクスワーゲン(VW)が来年初め、ついにディーゼル車を日本市場に導入する。

 VWといえば2015年9月、米国の排ガス試験をクリアするために違法なソフトウエアをディーゼル車に装着していた不正が発覚。世界的な“脱エンジン”の流れと電気自動車(EV)シフトを加速させた張本人だが、日本市場においては、実はそれ以前から計画していたディーゼル車導入が見送られてきた経緯がある。

 メルセデス・ベンツやBMWなど同郷のライバルメーカーが日本で順調にディーゼル車の販売台数を伸ばす中、後れを取ったVWも巻き返しを図るが、業界内には「失墜したブランドイメージを回復させるのは容易ではない」との厳しい見方もある。

 VWグループジャパンが来年初めに発売するのは、中型セダン「パサート」とステーションワゴン「パサート ヴァリアント」の2車種。国土交通省の型式認定を9月に取得し、今月28日から一般公開される第45回東京モーターショーに参考出品する。

 日本でかつてディーゼル車といえば、東京都が1999年に打ち出した「ディーゼル車NO作戦」でよく知られるように、黒煙をまき散らす“悪者”のイメージが強かった。

 その後も段階的に強化された排ガス規制をクリアすべく開発されたのが、クリーンディーゼルエンジンだ。粒子状物質(PM)や窒素酸化物(NOx)の排出量を基準値以下に抑えたクリーンディーゼル車は現在ではエコカーとして認められ、補助金や減税の対象となっている。かつての悪いイメージを払拭し、しかもディーゼルエンジンを動かす軽油はガソリンより安くて燃費も良いことなどから、日本では近年、ディーゼル車の需要が増加傾向にある。マツダがディーゼル車「CX-5」を発売した12年ごろから市場が急拡大し、海外メーカーも相次いでディーゼル車の最新モデルを投入。今や輸入車全体の2割をディーゼル車が占める。

日本「伸びしろ大きい」

 VWは不正が判明した車両のリコール(回収・無償修理)作業を今なお進める過程にあるが、今後も拡大が見込まれる日本のディーゼル車市場は「成長の伸びしろが大きい」として参戦を決断した。

 だがディーゼル不正以降、VWは日本における輸入車メーカーのシェア争いで苦戦を強いられている。輸入車の新規登録台数で2000年から15年連続でトップに君臨したが、15年はメルセデスに、16年はBMWに追い抜かれ、現在は3位に甘んじる。

 今回のディーゼル車導入で攻め手を欠いたセグメントの強化をもくろむが、失った信頼を回復できるかどうかは未知数だ。VWは今回、その審判を日本で仰ぐことになる。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 重石岳史)

ダイヤモンド・オンラインの関連リンク

ダイヤモンド・オンライン
ダイヤモンド・オンライン
image beaconimage beaconimage beacon