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【確定拠出年金のジレンマ】低過ぎる加入率と「元本割れ」になる手数料の落とし穴

マネーの達人 のロゴ マネーの達人 2017/02/17 平賀 初恵

某共済組合「事業主証明」担当の方のモヤモヤ

公務員も個人型DC「確定拠出年金」に加入できるようになってひと月経ちました頃、某共済組合の事業主証明を担当されている方にお会いしました。

「加入申し出をされた方は何人位いらっしゃいましたか?」

「○○人です。」

分母の数からすると、0.5%弱といったところでしょうか。

「発足当初としては、こんなものなのですかね。」

このご担当者さんは、とても熱心に「個人型確定拠出年金」を勉強され、ご自身も率先して、口座開設申請を昨年末迄に終えられております。

「個人型DCは良いと思うので、是非使ってほしい制度なのですが…」

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ご担当者さんの思いの先にあるものは、第1に「確定拠出年金」制度の理解を促す機会を取れないことのようです。

個人型DCの場合、一般事業所の企業型DC導入時のように制度の説明や投資教育が義務図けられている訳ではありませんので、自ら情報を取りに行かなければなりません。

「私が扱った中では、申請者全員がネット証券で加入しました。」

個人型DCは、関心を持った人だけが勉強し、情報源もネットが主で運営管理機関(銀行や証券会社等)選びにおいても、当然加入時や年間で掛かる費用の安いところを選んでいる。これが実状なのでしょうか。

担当者さんの次なる懸念

「まだ、第1回目の掛け金引き落としにはなっていませんが、これから皆さん運用はどうされるのですかね。」 「確定拠出年金」の掛け金は、個人の銀行口座から引き落とされ、定期預金等の確定利回りデフォルト(初期設定)金融商品に預けられます。

投資信託に移し替えられるのでしょうか。そのままでは手数料分、元金が減り続けますよね。

「確定拠出年金」は、所得控除で税金が戻って来るのだから運用は安全な定期預金でいい とのロジックに盲点はないでしょうか。

手数料の落とし穴

公務員の掛け金上限は月額1万2,000円、年間で14万4,000円です。

しかし年間に負担しなければならない手数料(費用)は

国民年金基金連合会 … 1,236円

信託銀行が … 768円

合計 … 2,004円

この分は何処の運営管理機関(加入先)を選ぼうと加入期間中定額で掛かり、更に加入する運営管理機関毎の手数料が上乗せされます。

手数料は0円のところから5,000円以上迄まちまちです。加入先によっては、初年度は手数料だけで7,000円以上になるところもあります。

年間最大14万4,000円積み立てたとしても、現状の定期預金利息では手数料をはるかに下回り積み立て元本はマイナスとなります。

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所得税・住民税の税率が合わせて20%ある人の場合

年間積立額14万4,000円の20%の2万8,800円が「所得控除」額として、年末調整で戻ってきます。

(住民税は翌年から)毎年2万8,800円戻るのだから、手数料を引かれても「お得」となるのでしょうか。

戻ってくるのは12月の給与と一緒で「確定拠出年金」の積立て口座に振り込みではありません。使ってしまえばそれまでです。

節税分はどうするか…

60歳まで30年ある人であれば、2万8,800円 × 30年で86万4,000円の節税となりますが、問題は節税分をどうするかです。

それこそタンス預金にでもしておいて、60歳になったときに「確定拠出年金」積立て分と合算して「やっぱりお得! やっておいて良かった。」となるでしょうか。

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所得控除の戻り分

使わずにきちんと60歳まで取っておかなければ、本来の目的である老後資金のための貯蓄手段として理に叶ったものとはなりません。

運用時非課税

ほとんど利息の付かない現状の定期預金では妙味がありません。

「確定拠出年金」の税制優遇だけに目が向き、とにかく「お得な制度!」だけで、口座管理料や運用商品選びは後回しで始めてしまうことに危惧を覚えます。

個人型DC加入を機会に運用を体験してみる

「確定拠出年金」は投資信託を組み入れた、積み立て運用をしてこそ意義のあるものになります。

単に税制優遇だけで捉えるのではなく、個人型DC加入を機会に運用を体験してみるつもりで始められてはと思います。

個々人の60歳までの到達年数により、ポートフォリオは変わりますが、少なくても60歳まで10年以上あるのであれば、掛け金を全額「定期預金」ではもったいないですよ。

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「確定拠出年金」の第1の強み

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「確定拠出年金」は、国の年金と同様に60歳まで積立てが続き中途脱退はできませんので、確実に老後資金を確保できます

「税制優遇」よりは、ドルコスト平均法と呼ばれる

定時定額買い付けの積立てパワーが生かされる継続運用

こそ「確定拠出年金」の第1の強みです。(執筆者:平賀 初恵)

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