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株主優待をもらった人は、課税対象になる?

All About のロゴ All About 2017/11/14 田中 卓也

株式投資をすると、配当や値上がり益のほか、銘柄によっては株主優待品も得られます。配当金は配当所得、値上がり益は譲渡所得という所得区分になりますが、そもそも株主優待は課税対象となるのでしょうか。税務上どんな扱いになるのかをまとめました。 © オールアバウト 提供 株式投資をすると、配当や値上がり益のほか、銘柄によっては株主優待品も得られます。配当金は配当所得、値上がり益は譲渡所得という所得区分になりますが、そもそも株主優待は課税対象となるのでしょうか。税務上どんな扱いになるのかをまとめました。

株主優待も「儲け」であり所得税の対象

確定申告もサラリーマンが受ける年末調整も、所得税の税務手続きの一部です。所得税とはそもそも所得、つまり、儲けに課される税金です。たとえば、サラリーマンがもらう給与は儲けであり、毎月の給与や賞与からは所得税が源泉徴収され、その源泉徴収税額の過不足を精算するために年末調整という税務手続きがあるのです。このように考えると、株主優待も儲けの一種であり、所得税の対象の一部だといえるでしょう。

株主優待って配当の一部? それとも…

一方、税法には「法人が株主等に対してその株主等である地位に基づいて供与した経済的な利益のうち、法人が剰余金または利益の処分として取り扱わないものは、配当等には含まれない」との規定があります。また、その中には以下のような例示があります。

●旅客運送業を営む法人が自己の交通機関を利用させるために交付する株主優待乗車券等

●映画、演劇等の興行業を営む法人が自己の興行場等において上映する映画の鑑賞等をさせるために交付する株主優待入場券等

●ホテル、旅館業等を営む法人が自己の施設を利用させるために交付する株主優待施設利用券等

●法人が自己の製品等の値引販売を行うことにより供与する利益

法人の利益供与の一部として株主優待があるわけですが、剰余金または利益の処分として取り扱わない場合は、配当所得には属さないと規定しています。ただ、配当所得には属さないと言っているだけで、所得税の課税対象の一部とはとらえるべきでしょう。

株主優待を申告する・申告しないの判断基準は?

所得税の課税対象の一部ならば、確定申告の記事などに「株主優待って申告するの?」といった会話がなされそうなものですが、一般的には耳にしません。その理由は、次の2パターンで考えられます。

給与所得者(会社員やパート・アルバイトなど)の場合

給与所得者で確定申告が必要な人の例として、「給与の支払を受けている人で、給与所得および退職所得以外の所得金額の合計が20万円を超える人」というものがあります。言い換えれば、「給与の支払を受けている人で、給与所得および退職所得以外の所得額の合計が20万円以下なら、確定申告が必要ではない」ということです。つまり、給与所得者が株主優待で商品の値引きや施設の利用券をもらったけれど、その金額が20万円以下であれば、確定申告が不要です。

専業主婦など、所得がない人の場合

儲けがあって所得税が算定されるのは、課税所得がある場合です。課税所得というのは、年収や年商といった収入金額から必要経費を差し引き、さらに所得控除を差し引いて計算します(イメージ図参照)。

株主優待では通常、必要経費に該当するようなものは考えにくいので、収入金額がそのまま所得金額になります。この所得金額から誰でも差し引くことができる基礎控除があり、所得税では38万円と定められています。

つまり、所得段階で38万円以下ならば、この基礎控除があることにより結果として課税所得は算出されず、所得税も課されません。したがって、ほかに収入がなく株主優待だけもらっていて、その金額が年間合計38万円以下ならば、やはり確定申告をする必要はないのです。

以上の理由から、一般的に「株主優待をもらうと確定申告をする必要があるのか」が話題にのぼることはないのでしょう。ただし、株主優待も儲けである以上、所得税の対象になりうるという理解をしておいたほうがいいでしょう。

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