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米国人の大半が仕事に不満 経済堅調も「仕事の質」が問題に

Forbes JAPAN のロゴ Forbes JAPAN 2019/12/03 06:00 Jack Kelly

© Forbes JAPAN 提供 米国では、失業率が数十年ぶりの低水準となり、株式市場も好調なのに、何かが欠けているようだ。多くの人が怒りや落胆を抱えている様子で、収入の格差や不公平をめぐる不満が渦巻いている。

多くの人が、自分の能力以下の仕事に従事し、先が見えない仕事から抜け出せず、自分の価値に合った給料を稼げていないように感じている。自分に合った仕事が見つからないために仕方なくギグエコノミーで働いている人は、自分たちは従業員としてみなされるべきだと主張し、公正な給与と福利厚生を要求している。こうした問題をみると、本当に「良い」職に就いている人は一体どれほどいるのかという疑問が浮かぶ。

人々が口にするこうした感覚を裏付ける調査結果が、このたび発表された。、ルミナ財団とビル&メリンダ・ゲイツ財団、オミダイア・ネットワーク(Omidyar Network)、ギャラップが共同で実施したこの包括的調査では6600人の労働者を対象とし、全体的な仕事の質を考える上で重要な要素である報酬や職の安全、昇進機会、福利厚生、安定性、尊厳について聞き、こうした要素をまとめて仕事への満足度指数として算出した。

調査結果

調査では、いくつかの深刻な問題が取り上げられた。米国では過去数十年で自動化やグローバル化が進み、行き場を失った職業が生まれるなど、労働者が急激な変化を経験してきた。

失業率は、労働者の置かれた状態を測る基準として最も適したものとは言えない。米国には現在求人中の仕事が多くあり、被雇用者数を増やすことはできる。しかし今回の調査では、これが意義と適合性を備え、満足感につながるような質が高い仕事なのか、それとも低賃金で将来性のない仕事なのかという疑問が投げかけられている。

残念なことに、米国の労働者の中で自分が良い仕事に就いていると考えているのはわずか50%以下だ。仕事の質は生活全般の質に関係する。良い一般的な仕事に就いている人が自分の生活全体の質を「高い」と評価する一方で、悪い仕事に就いている人の大半は逆の評価になっている。

また、低収入の仕事に就いている人は、収入に無関係のものを含め、仕事の質に関する10の側面全てに満足する確率が低くなっている。一方、年配の労働者、白人の労働者、教育レベルが高い労働者は、その他の労働者と比べて良い仕事に就いていることが多い。さまざまな報酬レベルの従業員には一つ重要な共通点があった。それは、目的意識が優先され、「ただの仕事」は欲していないことだ。

人種や民族、性別、仕事の質の間には強い相関関係がある。黒人は白人と比べて悪い仕事に就いている確率が倍で、黒人女性の場合はその格差がさらに大きい。

給与水準は近年改善してきたと言われているが、仕事の質はそうではない。医療コストが急増する一方で、雇用主が提供する福利厚生は以前よりも減っている。民間保険に加入している18~64歳の成人の数は1980年比で72%減となっている。

興味深いことに、大都市の外の小規模な町に住んでいる労働者は、収入額がはるかに低い人も含め、仕事の質の評価が高い傾向にあった。また、大企業に勤務し、創造力を発揮する機会が与えられ、新たなスキルを学び、最高の成果を出すよう奨励されている人は、自分は良い仕事に就いていると回答することが多かった。

従業員が企業の出世の階段を着実に上ることはかつて普通のことだったが、調査結果からは時代が変わっていることが示された。自分の今の仕事はこれまでで最高のものだと考える人の割合は、比較的若い年齢のうちに頭打ちとなった。中年以上の労働者は、現在の仕事はこれまでで最高のものではなく、最高の仕事からは解雇されたと答えること割合が多かった。

フルタイムの従業員は、パートタイムの従業員よりも良い仕事に就いている確率が顕著に高かったが、仕事に費やす時間が多過ぎると全体的な仕事の質が下がることも示されている。

悪い仕事に就いている従業員の中で転職活動をしている人は、良い仕事に就いている人の倍だった。また、自分の仕事に満足している人は生産性が高く、雇用主に忠実な傾向にあった。

調査結果からは、経済状態は強固なように見えながらも、大半の人が自分の仕事の質はほぼ全ての側面で停滞あるいは悪化していると考えていることが示された。一方で、教育レベルや収入が高い人を中心に、仕事に満足している人も存在し、仕事での満足度は私生活にも良い影響を与えるとの結論が出された。

プレッシャーや通勤時間、税金が少なく、少しの資金でより良い暮らしができる小さな町に住んでいる人は、自分が質の高い仕事に就いていると感じている。また、キャリアを向上させる道がなく、やりがいを感じない仕事に就いていて、上司から評価されていないと感じている労働者は、自分の仕事の質を低く評価している。

最高経営責任者(CEO)や管理職は注意する必要がある。調査結果が指摘しているように、やる気を感じず、疎外感を持っている従業員は、仕事での生産性が下がり、新しい仕事を探すことになる。これにより、企業の成長が妨げられる。

有能な人材が辞めると、残った人材は不満を抱えたままとなる。経営陣は仕事の質を改善し、従業員に活力を与える努力をするのが賢明だろう。そうすれば環境が改善され、労働者と企業両方の成功可能性が高まる。

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