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髙島屋の子どもフロアが中国人で賑わうワケ 大阪なんばで日本製の「ほ乳瓶」が大人気

東洋経済オンライン のロゴ 東洋経済オンライン 2017/08/11 菊地 悠人
© 東洋経済オンライン

 大阪・なんばにある髙島屋大阪店。ここに中国人客がひっきりなしに訪れる売り場がある。

 6階にある育児用品売り場。ベビーカーやベビー衣料、マタニティ用品などがそろう。これまで百貨店における訪日客の「爆買い」といえば、ブランド品や化粧品などが中心だったが、現在では日用品や育児用品など、比較的手の届きやすい商品にまで波及してきた。

 現在、大阪の百貨店は、訪日客で賑わいを見せている。LCC(格安航空会社)が普及し、その拠点となっている関西国際空港から大阪に訪れる訪日客が増え続けているのだ。

 髙島屋大阪店も、訪日客に支えられ売り上げは回復基調にある。消費税が免除される免税売り上げは、2016年7月から13カ月連続、前年同月比プラスで推移している。

1本約3000円のほ乳瓶が大人気

 育児用品の中では、ほ乳瓶が牽引役となっている。中国人客から見ると、日本製は安全・安心で品質が高いという共通認識がある。特に中国人向けにはガラス製ほ乳瓶の人気が高い。

 髙島屋大阪店で特に人気化したほ乳瓶がある。ベビー用品を手掛けるズーム・ティー(東京都港区)が製造販売する「ドクターベッタ」だ。飲み口の手前部分がカーブしており、赤ちゃんの上体を起こしたままミルクを飲ませることができる。これによって誤嚥を防いだり、ゲップを軽減できたりできる。

 もちろん、すべて日本製。価格はプラスチック製で1本2500円(税別)から、ガラス製で2700円(同)からと、ほ乳瓶としては比較的高単価だが、中国人から絶大な人気を得た。

 「特別なプロモーションを打っていないのに、次から次へと売れていく。なんばの髙島屋に行けばドクターベッタの哺乳瓶があると、口コミを通じて中国のママ達の間で爆発的に普及した」。髙島屋大阪店でベビー用品や子供服などを担当する佐々木大輔次長は笑顔で語る。

 ドクターベッタは全国的に買えるブランドだが、髙島屋大阪店が特に品ぞろえを強化したことで、「髙島屋に行けば、同製品が買える」という認識が中国人客に広がった。

4カ月で約7000本を売り上げる

 髙島屋大阪店がドクターベッタの取り扱いを開始したのは2014年8月。最初の半年間は大半の購入は日本人で、中国人からの認知度は低かった。

 だが、中国の一般消費者の口コミを通じて、じわりと浸透した。全国的に訪日客の消費が落ち込んだ2016年度でも、髙島屋大阪店だけで前期比4倍の1万本強を売り上げた。

 現在はガラス製の販売を1人1本に限定しているが、それでもプラスチック製と合わせて、3月から6月までの4カ月間だけで約7000本を売り上げた。前年同期比で倍増ペースだ。

 同ほ乳瓶が置かれているのは、レジ横のわずか1メートル四方の専用売り場だが、取材の間にもスマートフォンを片手に次々とお客が訪れ買い求めていく。同製品だけでなく、近くに陳列されているスキンケア用品の売れ行きも順調だという。「1坪あたり売上高は、信じられないくらい高い。欠品しないように、さらに仕入れを強化している」(佐々木次長)。

 ”ほ乳瓶効果”は子ども服売り場にまで波及している。ほ乳瓶を買った顧客が、授乳のできるワンピースや骨盤ベルトなどを求める姿が目立つという。

 同店のベビー服売り場は、2016年9月に「ハローベビーサロン」として改装したばかり。改装では、子供服を展開する「ミキハウスファースト」や「赤ちゃんの城」などブランドごとに分かれていた売り場を商品ごとに再構成し、たとえば「おでかけ」や「出産準備」といった生活シーンに合わせて買いやすい売り場とした。

日本人向けの売り場が支持を集める

 また、売り場にはベビーコンサルタントと呼ばれる髙島屋の社内認定資格をもった社員が常駐し、より専門的な接客ができるようになっている。

 あくまでこの売り場は日本人の顧客向けに再設計したもの。その売り場が、日本人だけでなく、結果的に中国人客の支持も受けている。

 こうした傾向は化粧品売り場にも見られるという。「日本人が買っているところ、日本人と同じ接客を受けて商品を購入したいという訪日客が増えている」と、店内営業担当の西辻正美副店長は話す。

 単に商品を買いにくるのではなく、日本の百貨店での買い物自体を楽しみたいーー。訪日客が「モノ消費」だけを求める時代は終わったのかもしれない。こうした訪日客の変化を、百貨店をはじめとした販売側はしっかりと認識する必要がありそうだ。

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