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「MacBook Pro」が埋め込んだ"独自色"の中身 プロセッサが高速化しただけではない

東洋経済オンライン のロゴ 東洋経済オンライン 2018/07/13 11:00 松村 太郎
新「Touch Bar付きMacBook Pro」における最も大きなトピックは、インテル製プロセッサの処理能力向上。しかし、そこには「独自進化」も込められている(写真:アップルの公式サイトより) © 東洋経済オンライン 新「Touch Bar付きMacBook Pro」における最も大きなトピックは、インテル製プロセッサの処理能力向上。しかし、そこには「独自進化」も込められている(写真:アップルの公式サイトより)

 アップルは米国時間7月12日早朝に、主力ノート型コンピュータ製品「MacBook Pro」のTouch Bar付き13インチ・15インチ両モデルを刷新した。

 Touch BarなしのMacBook Pro 13インチと、MacBook Air 13インチモデルは、2017年6月のアップデートから変更なく、そのまま併売される。一方で、これまで併売されてきた2015年モデルのMacBook Pro 15インチモデルの販売が終了している。

 米国ではマイクロソフトの399ドルのSurface Goが発表され、その直後にアップルのMacBook Proの刷新が行われた。米国の秋の新学期に向けた「Back to School」商戦向けの新製品だ。米国のApple Storeでは、最大200ドルの割引とワイヤレスヘッドフォンBeats Solo3 Wirelessがプレゼントされる。

プロセッサがよりパワフルになった

 刷新されたとはいえ、Touch Barモデルの外観上の変化はない。

 13インチ・15インチのRetinaディスプレイはP3高色域をサポートする明るい表示を実現し、今回からは環境光によってディスプレイの色温度を自動的に調整するTrue Toneディスプレイに対応した。また音質にもこだわるスピーカーを搭載する薄型ボディは引き継がれている。

 今回最も大きなトピックはインテル製プロセッサの向上だ。

 これまで13インチモデルには2コアのCore i5、もしくはデュアルコアのCore i7しか選択できず、携行性と処理性能の両立を求める人にとって不満だった。今回の刷新で13インチモデルも4コアのCore i5、もしくはCore i7に切り替えられた。これにより、2倍の処理性能が期待できる。

 さらに15インチモデルは標準で2.2GHz 6コアを誇るCore i7が設定され、オプションでは2.9GHz 6コアIntel Core i9にアップグレードできるようになり、70%の高速化が期待できる。また15インチのグラフィックスはRadeon Pro 555Xもしくは560Xにアップグレードされた。

 アップルのMacの処理性能はインテルのプロセッサの進化に依存している。ところが、刷新のタイミングが遅く、より高い処理性能を求めるユーザーがWindows PCへ流出していく傾向があった。

 アップルはMacBook Proについて、2016年から毎年刷新を繰り返しており、今後もインテルの最新プロセッサの採用を続けていくことになるわけだが、そのタイミングが課題になりそうだ。

「バタフライキー」が改善

 2015年に発売された超薄型12インチのノート型MacBook以来、アップルのノート型モデルには「バタフライキー」と呼ばれる新しいメカニズムのキーボードが採用された。

 しかし薄すぎることでホコリなどが詰まり、反応しなくなる不具合が多発し、また修理代が高額であることから、3件の集団訴訟が起こされている。そうでなくても、薄型キーボードについては打鍵感や音から、これまでのMacBook Proユーザーからは不評だった。

 アップルは2018年モデルのMacBook Proに「第三世代のバタフライキーボード」を採用したという。アップルのMacBook Proのウェブサイトでは「作業空間がさらに静かになります。」と紹介されているが、メカニズム自体には大きな変更はない模様だ。

 静かになることで、タッチなどに変化が生じる可能性もあるが、このあたりは実機に触れて確認したうえで、あらためてお伝えしたいと思う。

 Touch Barの操作も高速化する。2017年発売のiMac Proに搭載されたアップル設計の「T2チップ」が、2018年モデルのMacBook ProのTouch Barモデルにも内蔵された。

 2016年以降のMacBook Proの上位モデルには、キーボード部分に有機ELタッチディスプレイのTouch Barを備え、これをコントロールするために「T1チップ」が搭載されてきた。T2チップはその後継に当たる。

 Touch Barの制御に用いられる他、iMac Proのように、セキュリティを保った起動や、ディスクへの暗号化保存、FaceTime HDカメラの画質コントロール、オーディオ処理、SSDコントロールなどの役割を一手に担う。これにより、iPhoneやiPad、Apple Watchのように「Hey Siri」と呼びかけて音声アシスタントを活用することもできるようになった。

 前述のように、インテルのプロセッサに処理性能の大部分を依存しているのが現在のMacであるが、自社開発のチップの組み込みによる機能向上も始まっており、Macの独自色を今後も発揮していくことになるのではないだろうか。

最大オプションでは税別73万1800円

 現在、Apple Storeでは、刷新された第8世代Intel Core i5/i7を搭載するモデルの購入が可能となっており、オンラインストアでのオーダーは最短で7月20日〜24日となっている。

 13インチのベースモデルは2.3GHzクアッドコアIntel Core i5プロセッサ、メモリ8GB、256GB SSDを搭載し、税別19万8800円。プロセッサを2.7GHzに高速化し、メモリを16GB、SSDストレージを2TBにカスタマイズした最上位モデルは税別40万7800円だ。

 また15インチのベースモデルは2.2GHz 6コアIntel Core i7プロセッサと16GBメモリ、Radeon Pro 555Xグラフィックス、256GB SSDストレージを備え、25万8800円。これを2.9GHz 6コアIntel Core i9プロセッサ、32GBメモリ、Radeon Pro 560Xグラフィックス、4TB SSDストレージの最大オプションにすると、税別73万1800円となる。

 カスタマイズのなかで大きな金額を占めるのはSSDストレージで、13インチで搭載できる最大容量となる2TBのオプション料金は15万4000円、15インチの最大容量となる4TBは37万4000円だ。

 繰り返しになるが、今回刷新されたのはTouch Bar付きの13インチと15インチのMacBook Proのみ。Touch BarなしのMacBook Proは引き続き、第7世代の2.3GHz デュアルコアIntel Core i5プロセッサと8GBメモリを搭載し、128GB SSD搭載モデルで税抜14万2800円となっている。

 実機のレビューについては、次週、追ってお届けしたい。

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