古いバージョンのブラウザーを使用しています。MSN を最適にご利用いただくために、サポートされているバージョンをご使用ください。

「仕事ができない」3タイプ、対応策はこれだ!

JBpress のロゴ JBpress 2018/09/25 06:00 松本 利明

© Japan Business Press Co., Ltd. 提供

 こんにちは、人事戦略コンサルタントの松本利明です。PwC、マーサー、アクセンチュアなどの外資系大手のコンサルティング会社などで24年以上、人事と働き方の改革を行ってくる中で「おやっ!?」と思ってしまうことが実に多く発生してきました。

 実は、世間で言われる「セオリー」の9割が間違っているのです。思ったような効果が出ないのは、計算ミスより計算式そのものが間違っているのです。うすうす、あなたも気づいているのではないでしょうか?

 そこで前回(「『ムダな仕事』にしがみつく人を戦力に変える方法」http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/54049)に引き続き、「働き方改革」のセオリーにありがちな落とし穴と、それに代わる速くラクに成功するコツについて解説していきます。

能力に見合った仕事を配分しても生産性が上がらない理由

 人は自分に向いている仕事や能力に見合った仕事をすれば生産は上がります。

 しかし、完璧な適材適所の配置や仕事のアサインができている組織はないでしょう。そのため残念ながら、生産性が他のメンバーより低く、周囲から「仕事のできないヤツ」と見られてしまっている人材はどの組織にもいるものです。

「仕事ができない人」がいるとチーム全体の足が引っ張られます。「できない人」の仕事を他の「できる人」が担当することになるので、不平等感が職場に溢れ、雰囲気やモチベーションにも悪影響が出てしまうのです。

 この状況を改善するにはどうするべきでしょか?

「指導しながら大事な仕事を任せるより、その人の能力に見合った仕事だけやってもらえれば、チーム全体の生産性が上がる」と考えてしまうのは、至極真っ当な発想に思えます。

 しかし、ここに罠があります。仕事ができないからといって、簡単すぎる仕事しか任せなくなると、組織全体が機能しなくなる恐れがあるのです。

 実は、仕事ができない人というのは、意外なほどプライドは高いものです。その一方、自分の仕事に心からの自信がない「ガラスのハート」の持ち主でもあります。ガラスのハートだから報告や相談ができず、自分のミスも認められないのです。こういうタイプは仕事で失敗しても「自分は悪くない、指示が悪い」などと他責的になりがちです。

 任せた仕事が簡単なものだとしても、結局抱え込むなどしてしまい、同じミスを繰り返します。さらに周りからの「せっかく簡単な仕事を振ってあげたのに」との目線や態度を敏感に感じ取り、プライドをズタズタにされ、ますます意固地になってしまう。

 こうなると、評価の低い人のパフォーマンスはさらに低下するし、周りの負荷も増えます。チーム全体の生産性もガタ落ちするでしょう。

仕事のできない人には“タイプ別”に対応すると生産性が上がる

 実は、「仕事のできない人」には次の3タイプしかありません。

【タイプ1】仕事が遅く、常にクライマックス状態(作業スピードが遅かったり、段取りが悪かったりして、いつも遅れる)

【タイプ2】抱え込んで自爆する(仕事の目的とゴールを確認せず、質問もせず、抱え込み、キャパシティーオーバーとなり自爆する)

【タイプ3】間違えても気にしない(細かい確認に興味がなく、間違えたまま仕事を進める)

 この、タイプ別の対処法を仕事の依頼や指示を出す方に教えてあげるのが一番速く生産性を上げることに繋がります。

仕事の中身や量の調整の前に心のバリアを外させる

 どのタイプであっても、仕事のできない人の仕事の難易度を落としたり、「なぜ出来ないのか!」と問い詰めたりすることは逆効果です。ここは周囲が割り切って、仕事を進めるプロセスと声掛けを工夫することでチーム全体の生産性を上げるのです。ツールやフォーマットを用意し、指示の仕方を変え、細かくチェックせざるを得ないようにしましょう。

 大事なのは、その人の苦手なことを仕事のできない当人の頭で考えさせないことです。自分の頭で考えて取り組んだ結果が【タイプ1】から【タイプ3】のどれかになってしまうのに、ガラスのハートなので質問や確認してくることができないのです。だったら考えさせるより、指示と確認方法を変えるのが得策なのです。

 最初に、心のバリアを外させましょう。心を閉ざしている限り、相手はこちらの指示を意図通りに受け取ることはありません。成果が出ていないことをフィードバックしたりすると相手は同じチーム内でもあなたを敵とみなします。敵に心は開きません。よって、「よく頑張っているね」と存在を認めてあげることが先決です。認めてくれる人を相手は味方と感じます。味方と認識してもらえれば心を開いてくれます。ここからが本当のスタートです。

 次にタイプに合わせて対応方法を解説します。

【タイプ1】仕事が遅くいつもクライマックス状態の人は自分の頭で考えさせない

 仕事が遅く、いつもクライマックス状態のこのタイプは、自分なりに仕事を一生懸命やっているので「仕事ができない」という自覚がありません。「ちゃんとやっています。夜中まで頑張っているんですから」と、自分のことを褒めてほしいくらいに思っていることすらあります。こういうタイプに自分で考えさせたり、工夫させたりしようとするのはムダです。自分の頭では一生懸命作業に没頭することしかできません。割り切りましょう。

 仕事の内容を、中堅大学の現役学生が一度説明を受けたら実行できるレベル程度に、仕事ができる上司や先輩のノウハウをツール化・フォーマット化してもらいます。そのツールやフォーマットに沿って、上司や先輩社員には作業の指示を出してもらうのです。上司や先輩には「任せて後で自爆されるより、入り口で抑え込むのが一番ですから」と説得し、協力してもらいましょう。

 このタイプはオペレーションに乗って正しく作業することは得意です。「意外に作業のハイパフォーマーに化けるかも」と上司や先輩に伝え、協力してもらえばいいでしょう。

【タイプ2】抱え込んで自爆する人は「どう分かったのか」を相手に言わせてみる

「抱え込んで自爆するタイプ」への対応は簡単です。相手が理解できたかどうか相手の口で言ってもらうことです。「分かった」と言っていても自分の口で話させると、何を理解し、何を理解していないかが浮き彫りになるので、要所の確認ができます。

【タイプ3】間違えても気にしない人は「重要だから確認しよう」と言う

「間違えても気にしないタイプ」は任せた仕事を確認する単位を細かくすればいいのです。自分では間違えたという自覚がないので放っておくとドンドン進めていきます。

 このタイプは、とにかく自分のペースでドンドン進めることが好きなので、「私が間違えるかもしれないと思って、上司や先輩が細かくチェックしようとしている」と悟られると、自己防衛本能を働かせ、誰にも報告せず一人で仕事を進めてしまいます。喜んで報告するように、「重要なことだから、ここで確認しよう!」と伝えるようにすればよいでしょう。

「仕事ができない人」による被害を最小限に抑える工夫を

『ラクして速いが一番すごい』(松本利明著・ダイヤモンド社) © Japan Business Press Co., Ltd. 提供 『ラクして速いが一番すごい』(松本利明著・ダイヤモンド社)

 いずれにしても仕事のできない人には「期待はしない、しかしバカにもしない」というスタンスで接することです。仕事ができないなりに「頑張っている」ところを認めながら、確認するプロセスを細かくしていくことが最善です。これは仕事ができない人が他部署の場合でも同様です。1つの部署内で全ての仕事が完結することは少なく、いくつかの部署や関係先とのやり取りが発生するからです。細かく確認するプロセスを入れ、考えさせず作業に集中すればできちゃうツールを渡す。部署間を超えた「確認するプロセス」を置くことで被害を最小限にすることが可能になります。

 一番怖いのは仕事ができない人の反乱です。重要なミスを抱え込んで大爆発させたり、パワハラ、メンタル問題で会社に訴えてきたり、外部に社内情報をリークするなどなど。私も、こうした「死なばもろとも」の自爆テロを仕掛けてくる現場を数多く見てきました。

 人は感情の動物です。相手のレベルと心理状況に合わせた大人の対応が、最終的に仕事を速くラクに進め、チームの生産性を上げることに繋がるのです。

JBpressの関連リンク

image beaconimage beaconimage beacon