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タンス預金の気づきにくいリスク

モーニングスター のロゴ モーニングスター 2018/05/14 11:10
© Morningstar Japan 提供

 ■タンス預金の一般的に言われるリスク

 長く続く預金の超低金利、金融機関破綻時にペイオフで1,000万円しか保護されない、マイナス金利の一般預金者への波及の懸念、マイナンバー導入による預金の捕捉の懸念などからタンス預金が増えているという報道を耳にした方も多いと思います。タンス預金の一般的に言われるリスクとしては次のようなものがあります。

(1)火災による焼失

(2)地震や洪水などの自然災害による滅失

(3)盗難

(4)誤って廃棄

(5)本人死亡後発見されない

(6)インフレにより実質的な価値が目減りする

 (1)、(2)、(3)を物理的に防ごうとすればかなりコストがかかりますし、完全に防ぐことは難しいかもしれません。また、保険でリスクヘッジをするのもかなりコストがかかるでしょう。(4)は自分が忘れてしまうのは別として自分だけの秘密にしておきたいという場合は一定のリスクは消せません。(5)も同様で遺言でもないと大金でなければ発見されないリスクが残ります。(6)は現在のようなデフレの時にはあまり影響はないかもしれませんが、長い期間ではいずれインフレになる時もあります。

■タンス預金の気づきにくいリスク

 タンス預金には前述のように多くのリスクがあり、これを上回るようなメリットはないと思います。さらにこうした一般的に言われるリスクのほかに二つの気づきにくいリスクもあります。

 一つは相続時のトラブルの原因となるリスクです。タンス預金がいくらあったのかという証明はできませんので相続人が複数いる場合相続人の間でその金額がすんなりと納得されるとは限りません。相続人がお互いに自分以外の人が事前に贈与を受けていたのではないかとか、いくらか持ち出したり使ったりしているのではないかといった疑念を持つかもしれません。本人と同居していた相続人がいた場合には同居していない相続人は余計そう思いがちですし、本人が生前要介護状態にあった場合なども疑念を持つ可能性が高まります。さらにタンス預金も当然相続財産として相続税の申告対象に含まれますが、「多少少な目に申告してもわからないだろう。」などといった考えが相続人の頭をよぎってしまうかもしれません。また、正しい申告をしてさえその金額の証明がないわけですからその金額についていろいろと説明を求められることもあり得ます。

 もう一つはオレオレ詐欺のような特殊詐欺などに遭いやすくなるリスクです。預金であれば預金を下ろす際に金融機関の窓口での声掛けによって騙されていることに気づく可能性がありますが、タンス預金の場合その機会がなく詐欺に遭いやすくなると言えます。また、高齢になり一人暮らしになったり、判断力が少し弱くなったりしたときに現金が手元にあるが故に訪問販売による不要な高額商品の押し売り被害に遭う可能性も高まります。

 こうしたリスクは自分が元気でいるうちはなかなか気づきにくいと思います。また、将来相続人となる子供などに無用のトラブルの種を残すことは本意ではないと思います。タンス預金はより慎重に考えられることをお勧めします。

(イメージ写真提供:123RF)

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