古いバージョンのブラウザーを使用しています。MSN を最適にご利用いただくために、サポートされているバージョンをご使用ください。

仕事のできる人が「ちなみに」を多用しない理由 伝え上手な人がよく使う6つの言葉とは

東洋経済オンライン のロゴ 東洋経済オンライン 2019/02/12 10:00 深沢 真太郎
デキるビジネスパーソンが使っている「数学的」なフレーズを6つ紹介(写真:xiangtao/PIXTA) © 東洋経済オンライン デキるビジネスパーソンが使っている「数学的」なフレーズを6つ紹介(写真:xiangtao/PIXTA)

人当たりがよくて、雑談もうまいのに、なぜか営業成績が芳しくない。あなたの周りにこんな人はいないでしょうか。ひょっとしたらあなた自身がそうかもしれません。

ビジネスの現場では、話が面白いよりも、話が伝わることが重要です。そのためにはどのように話し、伝えればいいのでしょうか。今回は、『少ない言葉+ていねい+正しそうでOK! 伝わるスイッチ』の著者で、「ビジネス数学」の第一人者としてビジネスエリートやスポーツ選手などの能力向上をサポートしている深沢真太郎氏が、成果を出している人が使っている「数学的な伝え方」を紹介します。

成果を出している人=伝え方が「数学的」な人

 仕事柄、多くのビジネスパーソンと研修やセミナーの場でお会いします。昨今はプロスポーツ選手など、アスリートの教育にも携わるようになりました。どんな世界でも成果を出している人には共通点があります。私の視点からその共通点を言語化するとこうなります。

 伝え方が「数学的」である。

 伝え方が「数学的」とはどういうことか。皆さんはあまり認識していないかもしれませんが、実は皆さんがかつて学んだ数学の問題解説は、2つの特徴がありました。1つは「極めて論理的」であること。もう1つは「これ以上短くすることができない」こと。少しも無駄がないと言い換えてもよいでしょう。

 数学の勉強ができるかどうかは問題ではありません。伝え方が「数学的」であることがビジネスの勝負どころで主張が伝わるかを決め、すなわち成果に直結している。ビジネスパーソンの教育研修をしていて学んだ真実です。

 具体的に、いくつか典型的なフレーズをご紹介します。私自身も強烈に意識して使う言葉であり、多くのビジネスパーソンを見てきて確信する「成果に直結する言葉」です。あなたの周囲に「この人は仕事ができるな」と感じるビジネスパーソンがいたら、その人はきっとこのような言い回しを何気なくしているはずです。

①主張するとき 「結論から」と「なぜなら」

 論理的な説明の代表格。なぜならビジネスパーソンは例外なく忙しい。のんびり人の話を聞いている余裕はありません。知りたいことだけを聞きたい。知りたいことはまず結論、次に根拠。それだけです。だからこの2つだけをこの順序で伝えます。お気づきかもしれませんが、この説明もまさに「結論から」と「なぜなら」の構成です。

②前に進めるとき 「仮に」

 数学でよく使われるのが「仮に」という言葉。「仮に最大値の存在を認めると……」といった具合に、仮定して議論を進めることで結論に向かいます。この論述スタイルはビジネスでも有効です。例えば、来期の売上予算が決まっていない状況で来期の計画を考える場面。「仮に10億円と仮定して、まずはざっくりプランを練りましょう」と言える人は、仕事を前に進めるのが上手な人です。

本題からそれたときに「ちなみに」を使うのは

③整理するとき 「かつ」「または」

 数学では複数のものごとを整理して論じることがあります。そんなときに使うのが「かつ」や「または」といった整理する機能を持つ言葉です。例えば中途社員の採用条件を複数並べたとき、それが「かつ」なのか「または」なのかをきちんと説明する。とても簡単なことですが、意外とビジネスパーソンはこの「整理する」感覚が鈍いようです。

④つなげるとき 「さらに」「ゆえに」「一方で」

 きちんと伝わる話し方をする人は例外なく、接続詞をしっかり使います。例えば伝える側が「さらに」と言えば、聞き手は何か追加の情報を伝えるのだろうとすぐに察します。そして伝える側がそのとおりの内容を話す。だからわかりやすい。お互いにとってハッピーです。

 数学でもよく使われる3つの論理表現。これはビジネスコミュニケーションにおいては、「次はこの方向の話をしますよ」ということを事前に教える方向指示器の役割を担っています。

⑤本題から逸れるとき 「補足ですが」「たとえば」「余談ですが」

 ときには本題から逸れた「脱線」をすることもあるでしょう。そんなときも、どの方向に話を逸らすのかを明確にしてから脱線したいところ。「補足ですが」と言えば相手は「ああ、補足する情報をしゃべるのね」と察します。そしてあなたは補足をします。だから相手はストレスなく聞ける。

 これもまた方向指示器の役割を担う言葉です。このような場面で「ちなみに」を使うビジネスパーソンがたくさんいますが、この言葉では方向がわかりません。

⑥ 終わるとき 「以上です」

 「以上、証明終わり」「以上より、求める値は……」

 数学で必須の論述です。要するに「これで終わりますよ」というサインです。私は教育研修の場でも必ず説明やプレゼンが終わったら「以上です」と言うように指導しています。聞き手があなたの話を聞いているとき、実はその人はあなたの話が終わるのを待っています。終わるのを待ってくれている人に「これで終わりますよ」の一言を添える。人間として大切な配慮ではないでしょうか。

 魔法は魔法使いしか使えません。しかし、ご紹介した言葉は魔法の言葉ではなく、誰でも簡単に使える言葉です。それでもビジネスで伝わる人と伝わらない人がいる。成果に結びつく人とそうでない人がいる。その理由は、スイッチのONとOFFをしないからです。

 例えばご紹介したような言葉を普段の雑談で完璧に使う人がいたらどう思うでしょうか。まるでロボットが話しているようで、人間として魅力的でない。あまりその人と会話をしたくない。そう思ってしまうのは私だけではないはずです。だから普段は、スイッチはOFFでいいのです。

ビジネスシーンの10%だけで使えばいい

 しかし重要な勝負どころ、例えば面接やプレゼンの機会などのときは、ご紹介したような言葉が威力を発揮し、それが成果に直結します。

 つまり勝負どころではスイッチをONにする。これだけでいいのです。

 成果を出せるビジネスパーソンは例外なく、数学的な言葉を使って伝えています。ただしそれはビジネスシーンでわずか10%の場面だけでしょう。その10%のときだけはスイッチを切り替え、言葉を変える。ご紹介した言葉を使えば、必ずあなたの伝え方はロジカルかつ簡潔な内容になります。

 ロジカルに話そう、短く簡潔に話そうと考えるのではなく、勝負どころだけは使う言葉を変えるという発想を持ってみてはいかがでしょう。

 成果に直結する場面だけ、成果に直結する言葉を使うのです。普段はあなたらしい話し方でコミュニケーションを楽しみましょう。あなたはロボットではなく人間なのですから。

東洋経済オンラインの関連記事

東洋経済オンライン
東洋経済オンライン
image beaconimage beaconimage beacon