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億万長者が語る「住宅購入」6つのガイドライン

ZUU Online のロゴ ZUU Online 2020/02/08 11:35
(画像=Billion Photos/Shutterstock.com) © 住宅購入 (画像=Billion Photos/Shutterstock.com)

(本記事は、トマス・J・スタンリー氏(著)、広瀬順弘氏(訳)の著書『1億円貯める方法をお金持ち1371人に聞きました』文響社の中から一部を抜粋・編集しています)

億万長者の住宅購入ガイドライン

家の買い方について、億万長者はどんなことを教えてくれるだろうか?ここに記すガイドラインは、フォーカス・グループの意見や個別インタビューの他、733人の億万長者から得た回答に基づいてまとめたものである。回答者の大半は、資産を形成できた理由の少なくとも一部は、住む家を慎重に選んだからだと考えている。というのも、購入した住宅の評価額が大幅に値上がりしているからだ。

億万長者でなくとも、そのアドバイスを参考にすることができるはずである。調査対象の億万長者の大多数は、独力でゼロから資産を築き上げている。多くの場合、家を買うプロセスは、彼らの投資計画の一部を占めている。投資について研究し、計画を練ることは、約9割の億万長者にとっては日常的な仕事なのである。

1 いかなる物件のいかなる交渉においても、必要とあればいつでも席を立つことをためらってはならない。

家を買おうとしたときに、交渉を白紙に戻すのにためらいを感じた経験は少なくとも1回はある、と答えた億万長者を100人とすると、場合によっては席を立つつもりで交渉を始めるという回答者は456人にのぼる。

つまり、82%の億万長者は、売り手にノーと言うことも想定しているのだ。このパーセンテージと純資産額とのあいだにも、やはり関連性が見られる。「途中で席を立つ」心構えを重要だとするグループでは、1000万ドル以上の資産を持つ人たちが大きな割合を占めている。

以前、独力で1000万ドルレベルの資産を築いたある人物が、的確なアドバイスをしてくれた。途中で席を立つのが厄介なような交渉は絶対に始めるな、というのだ。彼に言わせれば、感情に流されて物を買うのはあまりよいことではない。買おうとするものに我を忘れるほど惚れ込んではならないし、それには家も含まれる、というのである。

2 どんな物件であれ、最初の言い値を払うようなことはしない。

あなたは言い値で家を購入したことがあるだろうか?イエスと答えた人は、たぶん億万長者ではない。億万長者のほとんど(86%)は値引きを要求している。とはいえ、億万長者たちは不動産価格の事前調査にかなりの時間を費やすから、適正価格が提示された場合には言い値で購入している。

家を買う場合、たいていの億万長者は競争心理を利用する。自分たちの要望を満たす物件を2つ以上選んでから、値段の交渉を始めるのだ。重要なのは、家の価格や市場についてよく知ることと、「言い値をそのまま払ったりはしない」と心を決めてから交渉することだという。この方法にはある程度の時間がかかるし、選んだ地域の最近の不動産価格の調査も必要になる。

億万長者は10人のうち5人近く(46%)が、売り主に大幅な値引きを申し出て、安くならないか確かめてみたことがあると答えている。売り主を「試した」ミリオネアの多くは、さらにもう一押しとばかり、仲介の不動産業者に手数料の値下げも求めている。そうすることで、さらに価格が下がることも期待できるからだ。

しかも意外なことに、資産額が多くなればなるほど、「価格や手数料の交渉を積極的にする」割合が高くなる。1000万ドル以上の資産を持つ人たちは42%以上が、積極的に価格や手数料の交渉をするのに対して、純資産額が100万ドルから200万ドルのグループでは、そうするのはわずか29%なのだ。

3 時間をかけずに家を買おうとしてはならない。

急いては事を仕損じるか?ほとんどの場合、答えはイエスである。何人もの億万長者が、かつて家を買う際に最良とはいえない判断を下したことがある、と認めている。そして、判断を誤ったのは、急いでいたときが多いのだ。

もしも短期間で家を買わざるをえない状況に陥ったら、できるだけ定評のある優秀な不動産業者を見つけることが大切だ。業績がよく、高収益をあげている不動産業者は、歩く情報の宝庫、しゃべるデータベースと言える。現在売り出し中の不動産のなかで1年後、5年後、10年後に値上がりするのはどれか、予測することもできるだろう。その業者から家を買った人を教えてもらい、その業者の予測がどの程度的中したか聞いてみるのも手である。

ここで、10と65という2つの数字を憶えておいてほしい。私は長年、富裕層と彼らから仕事の依頼を受ける専門職について調査を重ねてきた。その結果、専門職に携わる人たちのうちの約10%で、富裕層が求める仕事の65%を独占していることを発見した。

つまり、経済的成功を収めている人たちは、実績のあるトップ10%の公認会計士や弁護士、医師、不動産業者などを集中的に利用しているということである。億万長者には優れた能力を見つけ出す嗅覚があり、さまざまな専門職業人を適確に評価するセンスが備わっているのだ。

では、そうした優秀な不動産業者を見つけるにはどうすればよいか?あなたの勤務先の経営者がそうした業者と取引していたり、情報を持っている可能性もある。新聞の日曜版やインターネットで不動産会社を調べてみるのもいい。そしてその会社に電話をかけて、トップクラスの営業マンを教えてもらい、連絡をとってみるのだ。

経済的成功を収めている人たちが用いるもう1つの方法は、弁護士の手を借りるというものである。億万長者は、何人もの弁護士を抱える、よく名の通った中規模以上の法律事務所を利用している。あなたも、そうした法律事務所のクライアントになればいいのだ。

言うまでもないことだが、こうした法律事務所のクライアントになるのに、億万長者である必要はない。とりあえず、自分や配偶者の遺言書を作成してもらえばいい。いったんクライアントになれば、優れた専門家による基本的なサービスはもちろんのこと、弁護士の情報網も利用可能になる。

一流の法律事務所にはたいてい不動産問題を専門に扱う弁護士がいるから、実績のある不動産業者を教えてもらえるはずである。また、不動産売買の最終的な手続きの手助けや、購入契約による損得についてのアドバイスもしてくれるはずだ。だが、それだけではない。一流の法律事務所と懇意になっておけば、他にもさまざまな利点が期待できる。

4 抵当流れや離婚、遺産相続の際に処分される不動産に当たってみる。

銀行から家を買ったことはあるだろうか?私はある。といっても、掘り出し物を見つけるためと言いたいところだが、あいにくそうではない。ただ、庭の芝生に「売家」の札を見て購入した後、真新しいその住宅が抵当流れだと知っただけの話である。だが、私が調査した億万長者のなかには、私などよりずっと用意周到な人たちがいる。

億万長者の4人に1人が、抵当流れや離婚、相続の際に処分される「お買い得」物件を探した経験があると答えている。

株価が暴落した1987年以降の3年間に家を買ったミリオネアたちは、その37%以上が、「抵当流れ物件などを探す」派である。そうした人たちの多くは、市場の次の下落を待ちつづけている。

なかには、そのようなチャンスを、一流法律事務所の協力でつかんだ億万長者もいる。ぜひあなたの弁護士に積極的にこう尋ねてチャンスを探してみることである──

・同じ法律事務所に、抵当流れや離婚、遺産の売却を専門にしている弁護士はいないか? ・もしいるのなら、売却される手頃な「お買い得」物件について、クライアントである自分に連絡してもらうことはできないか?

私の調査によれば、弁護士は他の職業に比べて、抵当流れや差し押さえ物件などの掘り出し物を探す人の割合が多いようである。差し押さえ物件といってもべつにキズ物というわけではないし、低価格のものばかりでもない。大邸宅を建築あるいは購入した人たちだって、破産することはあるのだから。

5 注文住宅は敬遠する。

注文住宅を建てたことのある億万長者は少数派(27%)で、大半は中古住宅を購入する。とはいえ、ミリオネアの約5人に1人が、いわゆる建売住宅を生涯に少なくとも1軒は購入している。

あなたがどうしても自分の思いどおりの家を新築したいと強く願っていて、そうした注文住宅の建築についてアドバイスを求めたとしよう。私ならまず、家を建てることは、自分がほとんど何も知らない分野で新規事業を起こすようなものだ、と答える。

しかも多くの場合、一緒にその「事業」をするのはまったく未知の相手なのだ。まったく馴染みのない建築請負業者があなたのパートナーとなるわけで、しかもそのパートナーは「有限責任パートナー」なのである。つまり、この事業に出資するのはあなただけなのだから、リスクの大部分はあなたが背負うことになるのである。

したがって、まず第一に、あなたがいつも頼んでいる、あるいは仕事を依頼したことがある公認会計士や弁護士の協力を取りつけることが必要だ。彼らは職業柄、建築請負業者についてかなり詳しい情報を持っている。良心的な業者や悪質な業者ばかりでなく、トップレベルの業者も知っているはずである。

建築請負業者との契約も、私だったら弁護士に任せる。こちらは建築に関して素人なのだから、業者と対等に渡り合うのは無理だからだ。たぶん、公認会計士にも同席してもらうことになるだろう。彼には、契約の金銭的な詳細について調整を依頼する。

なぜ第三者にも参加してもらうかというと、長期的には費用の節約になるからだ。たとえば、公認会計士や弁護士から1時間あたり数百ドルを請求され、最終的に5000とか1万ドルを払う必要があったとしよう。それでも、専門職のベテランが妥当な契約を取りつけてくれれば、その金額の5倍、10倍、あるいは20倍もの出費を免れることになるのだ。

これには別の効果もある。建築業者や資材供給業者は、建築主が事情に明るい専門家を代理人に立てていると知ると、より熱心に仕事をすることが多い。業者たちはこうした建築主にぶつかると、たいていこう評する──

あの人は商売人だ!

商売に携わる人たちは、商売を知っている「商売人」に対したときには敬意を払うものである。

このように、注文住宅のような高額の買い物をする場合には、1つの商売を始めるつもりになって取り組むことが大切である。

6 常に無理のない価格で住居を取得することを考える。

これは、今までに家を買った経験のある読者のみなさんに対する質問だが、その価格は無理のない範囲のものだっただろうか?もし答がイエスなら、そのみなさんはすでに資産家であるか、将来資産家になる可能性が高い。しかしながら、億万長者たちも相当数の人が、一生のあいだに何回か、手頃とはいえない価格の家を購入しているのである。実際、10人に4人ほど(42%)が、そうした経験があると回答している。

では、そういう人たちは住宅ローンの返済に追われるような状況に陥りながら、どうして資産を形成できたのだろうか?この場合、鍵となるのは購入価格だけではない。その家の購入後の評価額が重要なポイントとなる。また、住宅購入後に、その人の収入がどれだけ増加したかも考慮に入れなければならない。

少し無理をして家を買おうかと考えたときには、いくつかのことをよく頭の中で検討してみるべきだ。ローンはちゃんと返済していけるだろうか?収入はこの先、上がるだろうか下がるだろうか?その家は近い将来、大幅に値上がりするだろうか?こうした問題に正直に答えて判断を下せば、金銭面で大失敗することはまずないだろう。

だが、自分自身に対して正直になれずに、10%の頭金で120万ドルの家を買っても何も問題はないと判断したらどうなるか?毎月のローンと生活費を払ったら、まず金などは残らない。それでも、こうした「無謀な豪邸購入者」たちは、これは一時的な状況にすぎないと思い込み、次のように言うのだ──

・収入は毎年増えつづけるはずだ。

・家の評価額はきっと今後数年間で大ブレークするね。

・投資には年季が入ってるから、自分の金を全部注ぎ込むようなリスクは冒さないよ──頭金の10%だけで。つまり、他人の金で勝負するわけさ。

・この家なら5年で価格が2倍に跳ね上がる──私には勘でわかるんだ。つまり、120万ドル投資するだけで、近いうちに240万ドルの家の所有者になれるということ。そこで売れば、ローンを全部払っても、100万ドル以上の利益が懐に転がり込むという算段だ。

こうした理屈を並べる相手には、破産を専門に扱う弁護士を紹介してあげることにしよう。対照的に、大半の億万長者は、40代半ばから50代初めで現在の家を買ったときには、すでに資産を築き上げている。

無理のない価格とはどういうものか尋ねられると、私はわかりやすいようにこう答えている。まず、購入後1年以内に年間所得がもしも半分に減ったら、と考えてみる。その半減した収入で住宅ローンや諸費用を払えるだろうか?さらに万が一、投資している資産も半分に目減りしたとしたら?最低でも5年間借金せずにローンを返済しつづけられるだろうか?もし、これらの問いに対する答えがノーなら、その家は「無理のない価格」とは言えない。

トマス・J・スタンリー

アメリカにおける富裕層マーケティングの第一人者。ジョージア州立大学の教授職を経て、ニューヨーク州立大学オルバニー校マーケティング学部の教授となり、1973年にアメリカ全土の億万長者を対象とした初の大規模調査を実施。富裕層向けビジネスを行なう企業や金融機関へのアドバイザーとして活躍。2015年逝去。主な著書にベストセラー『となりの億万長者』(早川書房)。

広瀬順弘(ひろせ・まさひろ)

1932年東京生まれ。青山学院大学英米文学科卒業。アメリカ大使館広報文化局勤務を経て翻訳家となる。フィクション、ノンフィクションを問わず幅広く活躍。2007年逝去。

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