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老後のための貯蓄額、いくら必要?一か月の支出は28万円?

All About のロゴ All About 2016/09/26 大沼 恵美子

老後の支出は1カ月約28 万円

平成27年「家計調査報告(家計収支編)」(総務省)によると、高齢夫婦無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯)の1カ月の家計収支は次のとおりです。  実収入   21万3379円(うち社会保障給付は19万4874円)  支出    27万5706円(うち消費支出は24万3864円)  赤字     6万2326円 老後の定期収入である公的年金や企業年金では生活費や税金・社会保険料等が賄えず、貯蓄の取り崩しや仕送りを受けて不足分を補っているようです。

人生90年時代、老後資金はいったいいくら準備すればいいのでしょうか。順を追って計算していきましょう。
 

セカンドライフに必要な資金は? ケーススタディで試算

充実したセカンドライフを送るための老後資金には、何が何でも確保したい生活費、安心かつ充実した人生にするその他の資金、例えばレジャー費用や車の買い替え費用、住宅のリフォーム費用、子どもへの援助資金、などがあります。

では65歳でリタイアする同い年のAさん夫妻(妻は専業主婦)を例に、セカンドライフに必要な資金を計算していきましょう。なお、セカンドライフ期間は、「平成27 年簡易生命表」(厚生労働省)を基に、Aさんは20年、妻は25年とします。

【1】生活費
現役時代に、老後の生活費を見積もる場合の計算式は、一般に 夫婦時代の生活費=現役時代の生活費×70~80%×夫の平均余命 妻だけの時代の生活費=現役時代の生活費×50%×夫と妻の平均余命の差 を使います。すでにリタイアしている場合、夫を見送った妻の生活費は「夫婦時代の生活費の70~80%」、妻を見送った夫の生活費は、夫の家事力により「夫婦時代の生活費の80%~100%」とします。

では、Aさん夫妻が65歳から平均余命まで生きる場合に必要となる生活を計算してみましょう。  毎月の生活費は、前出の高齢夫婦無職世帯の支出額28万円(=60歳以上の勤労者世帯の支出37万円の76%に相当)とする。  夫婦時代の生活費=28万円×12か月×20年(夫の平均余命)=6720万円  妻だけの時代の生活費=28万円×12か月×80%×(25年-20年)=1344 万円 以上から、生活費合計は8064万円になります。

【2】その他の資金(子供への援助資金や自宅のリフォーム費用等)
項目と金額は自分の状況に合わせます。ここでは次のように考え、2400万円としました。 住宅ローン残債返却 300万円 住宅リフォーム資金 500万円 趣味・レジャー関連費用 400万円 子供の結婚・住宅購入援助資金 400万円 車買い替え関連費用 200万円 医療や介護費用 300万円 予備費 300万円
【3】65歳から平均余命までに必要な老後資金
【1】生活費8064万円+【2】その他の資金2400万円=1億464万円 となります。

リタイア後の収入の柱は2つ

老後の生活を賄う資金は、預貯金、退職金、公的年金(老齢基礎年金・老齢厚生年金・退職共済年金など)の3つ。中でも、リタイア後の主な収入源は、退職金と公的年金の2つですが、企業年金が給付される人も少なくありませんので、勤務先に確認するといいでしょう。

では、それぞれの金額の目安を見ていきましょう。

【1】退職金
退職金の額は、会社の規模や職種、勤続年数等で異なります。「平成25年就労条件総合調査結果の概況」(厚生労働省)によると、平成24年の1年間における勤続35年以上の定年退職者の退職給付額は 大学卒(管理・事務・技術職) 2562万円(1567万円) 高校卒(管理・事務・技術職) 2272万円(1470万円) 高校卒(現業職) 1872万円(1184万円) でした。これは、退職一時金だけでなく年金払いの分も含む金額です。カッコ内の金額は、退職一時金のみの場合です。

【2】公的年金
老齢基礎年金や老齢厚生年金の金額は、毎年誕生月に送付される「ねんきん定期便」で確認します。ちなみに平成27年10月1日に厚生年金に統一された共済年金加入者にも「ねんきん定期便」が送付されます。

老齢厚生年金を受給している夫が死亡すると、一定条件を満たす妻には遺族厚生年金が給付されます。
 

Aさん夫妻のリタイア後の収入はどれくらい?

では、Aさん夫妻のリタイア後に予定される収入を見ていきましょう。

【1】退職金 2500万円
【2】年金合計 6102万円
平成28年度の新規裁定者の年金額は、厚生年金(夫婦2人の老齢基礎年金を含む標準的な年金額)は22万1504円。老齢基礎年金は6万5008円(月額/1人)です。
夫が受給する公的年金総額=(老齢基礎年金+老齢厚生年金)×12カ月×平均余命=(6.5万円+9.1万円)×12カ月×20年=3744万円
妻が受給する公的年金総額=老齢基礎年金×25年+遺族厚生年金×5年
=6.5万円×12カ月×25年+6.8万円×12カ月×5年=2358万円

以上から、Aさん夫婦の、65歳から夫婦の平均余命までに予定される収入の合計は8602万円になります。

老後の貯蓄目標額は「支出-収入」

必要な老後資金は、「老後に必要とする老後資金-老後に予定される収入合計額」で算出します。

Aさん夫妻が必要とする老後資金は1億464万円、それに対して収入は8602万円。その差1862万円が、老後資金として準備すべき金額=目標貯蓄額になります。

では、この1862万円をどのように準備すればいいのか、考えていきましょう。

月10万円、15年間積み立てれば1800万円貯まる

前出の家計調査によると、2人以上の勤労者世帯の年代別黒字額は 40~49歳  14万1247円 50~59歳   12万2007円 60歳以上  2万5004円 です。45~59歳の15年間に毎月10万円、60~64歳の5年間に毎月1.5万円を貯めると、元金だけで1890万円(=1800万円+90万円)になり目標額をクリアーします。実際には、教育費や住宅ローン返済への支出とのバランスをとりながら、ゆとりがある時期には増額、家計が厳しい時には少し減額しながらコツコツと貯め続けることが肝要です。

目標貯蓄額が高すぎる場合は、現在の支出内容を見直して無駄な支出をカットして貯蓄額を増やしたり老後の「その他の支出」の内容や予定額を検討する――例えば子供への資金援助の額を減らす、自宅のリフォームの規模を縮小する、など――ことが必要です。それと並行して65歳以降も働く、妻のパー ト収入を増やす、など収入を増やす道を考えるのもいいのではないでしょうか。
 

老後のための貯蓄は、早めの計画づくりが吉

40歳代から老後資金をコツコツと貯めるには、目標が必要です。リタイアメントプランを作りその実現のために必要な老後資金を把握し、貯蓄目標額を把握しましょう。節目節目、例えば50歳、55歳、60歳、にプランや老後資金、目標貯蓄額の見直しを繰り返し行い、思い描く老後のために微調整しながら準備を進めましょう。その過程で、お金以外に必要なこと、例えば人のネットワークや健康維持、資格取得など、への対策もたてることができます。老後資金の準備は豊かな老後に必要な「生きがい、お金、健康」の準備に繋がります。

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