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自動車保険の保険料 「事故率低下」で下がり、「民法改正」で上がる

マネーの達人 のロゴ マネーの達人 2017/06/19 石谷 彰彦

生命保険については2017年(平成29年)4月に、終身保険や個人年金保険など値上げが相次ぎました。これは日銀のマイナス金利政策により国債投資による運用環境が悪化したことが原因です。

自動車保険については、上がる要因と下がる要因が両方そろいました。それぞれの原因はどこにあるのでしょうか?

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下がる要因:事故率低下

自動車保険の保険料を算定するにあたっては、自動車事故の事故率を基礎としています。

損害保険料率算出機構が計算しているのですが、基準となる料率を2018年(平成30年)より下げる予定です。

交通事故率は、自動安全ブレーキの普及などの理由で全年齢において減少してきました。

事故率が下がるということは、保険金を支払う確率は減りますから、保険金支払いの減少要因となります。

保険金支払いが減るということは、より少ない保険料収入でも損害保険会社の事業が成立しますから、自動車保険の保険料が下がる要因となります。

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上がる要因:2017年5月に成立した改正民法

一方で上がる要因ですが、自動車保険とは関係ないのでは? と思うようなところで起きています。

2017年(平成29年)5月に改正された民法がこの原因となっています。120年ぶりの大改正とも言われ、様々な分野に影響が出ます。

自動車保険の保険金は、対人賠償などという言葉が使われるように、交通事故の被害に遭った人に対する損害賠償金の位置づけです。

裁判になった場合、交通事故被害者に対する損害賠償額の算定は、負傷もしくは死亡しなければ得られていた所得(逸失利益)や慰謝料などから成ります。逸失利益の算定には複雑な理屈があります。

例えば1,000万円を逸失利益として損害賠償金をもらった場合、これを一定の利率で運用した1,000万円超の額が、事故無く働けていれば得られた金額と考えるからです。

この「一定の利率」が、民法404条では従来5%となっていたのですが、現在の金利情勢から言って高すぎるとされたため、改正民法では3%とされました。また3年毎に利率を見直すことになります。

月30万円をもらっていた人が自動車事故で全く働けなくなり、10年分の逸失利益をもらえるとした場合、民法改正前なら2,800万円弱であるのが民法改正後なら3,000万円以上に上がります。

自動車保険の保険金も民法404条の利率に基づいて金額を決めていますので、この改正で多く払うことになります。

保険金支払いだけが多くなると損害保険会社の業績が悪くなるので、収支改善のため保険料を上げることになります。

改正民法が実際に施行されるのは2020年の見込みです。

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まとめ

基礎となる事故率低下が2018年(平成30年)、民法改正の施行が2020年見込みですから、直近では自動車保険を契約(更新)すると下がると思われます。

民法改正の頃には自動運転車の普及など取り巻く環境も変わる可能性はありますので、民法改正1つ取れば上がる要因とは言え、実際にはどうなるかは今後の動向次第です。(執筆者:石谷 彰彦)

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