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文春、女性セブンを凌駕したユーチューバー松居一代の勝算

AERA dot. のロゴ AERA dot. 2017/07/07 AERA dot.

 衝撃的な内容のブログとYouTube動画で注目を集める松居一代氏(60)。4日夜に公開した動画にて、糖尿病を患う夫・船越英一郎氏(56)がバイアグラを服用し、松居氏の友人と不倫していると告発。また同動画では、自身が週刊文春の取材を受け、事前に記事の内容を確認することを約束していたものの、その後文春側と連絡がとれないまま、記事が掲載され、だまされたとする発言もあり、波紋を呼んでいる。

松居一代 (c)朝日新聞社 © dot. 松居一代 (c)朝日新聞社

 松居氏の一連の行動にはどのような意図があるか。「週刊文春対策の側面があった」と読むのはITジャーナリストの三上洋氏。

「前提として松居一代さんは芸能人で、日頃からメディアで発言をされている。そんな人物がネットを使い、自分の意志で“告発”をするというのはあまり前例がないことです。さらに目を引くのは、動画を公開した当初、松居さんが非常に『急いでいる』ように見えたこと」

 松居氏のYouTube投稿は7月4日(火)の夜。三上氏によると、松居氏には水曜日までに動画を公開しなければならない理由があったという。

「週刊文春の発売日は木曜日ですが、早刷りといって、メディアの人間は水曜日にはその週の週刊文春を手にしています。最近のワイドショーは、水曜日に文春の報道に軽く触れ、木曜日に本格的に掘り下げるというパターンが多い。文春よりも先に自分の主張を世間に広めたかった可能性はあります」

 7月6日(木)発売の週刊文春では、船越・松居夫妻の離婚調停の内幕とともに、松居氏が船越氏に対して行ったとされるDVの詳細や船越氏の肉親に対する暴言などが報じられていた。自分にとって不都合な報道が出る前に先手を打ちたかった、ということか。

 だが、松居氏の行為は功を奏したのだろうか。

「松居さんの発言と週刊文春の報道の是非は抜きにして、この一件は週刊文春に一方的にやられてきた芸能人がそれに抗する手段を持ち得ることを示す象徴的な出来事です。とはいえ、今回の行動が松居さんにとってプラスになったとは言いづらい。ご本人は自分の思いのたけを世間に伝えられたと思っていらっしゃるかもしれませんが、動画を公開した結果、その一部が延々とTVで放送され、感情的に話す姿には同情や共感よりも、好奇や邪推の視線が集まっているためです」

 松居氏が訴えた「週刊文春にだまされた」という主張はそもそも事実なのだろうか。週刊文春編集部はAERA dot.の取材に対し、「取材過程についてはお答えしていませんが、松居一代さんのご発言には数多くの事実誤認が含まれています」と回答した。

 松居氏と“バトル”をする週刊誌はほかにもある。松居氏は動画のなかで、女性セブンが約1年5ヶ月前に船越氏が離婚を検討しているとスクープし、その続報も掲載していたが、その情報源が船越氏ともとれる旨の告発をしている。これについて女性セブン編集部は「従来、取材過程についてはお答えしておりません。ただ、松居氏のいうように、本誌が船越氏と連絡をとりあっていたという事実は一切ありません」と断言した。

 加えて、船越氏の所属事務所であるホリプロの担当者は松居氏の発言についてこう語る。「離婚調停申立書の提出は事実ですが、それ以上のプライバシーについてはお話できません。なお、一部に言われているような船越のプライベートに関しては事実でないことをこの場をお借りして一言申し上げます」。

 探れば探るほど謎は深まるばかり――。7月7日9時15分に更新した最新のブログにも気になる記述があった。

 <恐ろしいことが起こりました 実はメッセージが書き込めなかったのです な、な、なんと自分のツイッターに入れなかったんです 信じられないような恐ろしい事件が起きていたんです>という報告。

 さらに<あたしの、Gメール・アドレスを作ったのはバイアグラ男の付き人です 30年以上、バイアグラ男に命を掛けて、世話いる付き人(原文ママ)です 元、弊社の社員です あたしのアドレスは事故を防止するために、かなり、ややこしいものでした>と続く。

 松居氏が船越氏を「バイアグラ男」と呼んでいるのは周知の通り。つまり、松居氏はツイッターアカウントの開設に船越氏の付き人がつくったGメール・アドレスを使用したということか。断定はできないが、ツイッターが使用不能になったのは、船越氏の付き人が関係しているようにも読める。

 この背景には何があるのか、先出の三上氏が分析する。

「あくまで推測ですが、もしも第三者がつくったGメール・アドレスでツイッターアカウントを開設したのであれば、そのGメール・アドレスでツイッターのパスワードを変更され、乗っ取られたということは考えられます。しかし、不可解な点もある。パスワードが変更されたならばその通知が松居さんのGメール宛に届くはず。また、Gメールも使用不能にされている可能性もある。すると、このこともブログに書くのが自然に思えますが、そうした記述はないのです。実際に何が起きているのかは『謎』と言わざるを得ません」

 同ブログ記事のなかで<あたしは、SNSの時代に生きていることをただただ、感謝しています 発言する場所があるんです メッセージを伝えるツールがあるんです>ともつづっている松居氏。このところネットで発信される芸能人の“肉声”が社会に大きな影響を与えるという出来事が目を引くが、今後も増えていくのだろうか。

「今後ますます増えていくはずです。タレントや有名人の発言力・影響力が高いのは事実ですが、従来その本意や心情をありのままに世間に伝えるのはなかなか難しかった。記者会見を開いたり、TVに出演したりしても、メディアは必要な部分だけ切り取り、本人が意図しない形で報じられてしまうからです。松居さんの例は極端ですが、自分の主張をダイレクトに伝えられるブログやSNSは有名人にとってかけがえのないツールといえます」(三上氏)

 泥沼の“情報戦”はいかに……。

(文/AERA dot.編集部・小神野真弘)

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