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「皇太子妃を辞めたいと思ったことは一度もない」 雅子さま「新皇后」への覚悟

文春オンライン のロゴ 文春オンライン 2019/01/13 07:00 友納 尚子

 今年5月に新皇后陛下となる雅子妃殿下。ご療養が16年になったことから、果たして皇后として務められるのかという疑問の声もないわけではない。

雅子さま ©JMPA © 文春オンライン 雅子さま ©JMPA

 だが、ご療養の中にあっても一進一退を繰り返されながら、その時々でご自分にできることをしっかりと務められてきた。2年前からはご体調が大きく上向かれ、公務先でもお出ましになる姿が多くみられるようになっている。

 そして、今年は新年の一般参賀や新年の諸行事などを始め、7日には天皇皇后両陛下の御名代として、皇居・宮中三殿の皇霊殿で崩御から30年の節目となる「昭和天皇三十年式年祭」に臨まれた。雅子妃が宮中祭祀に臨まれたのは、平成28年4月の「神武天皇二千六百年式年祭」以来、3年ぶりのことだった。

 年末から新年にかけて、皇室は1年で最も忙しい日々が続く。さらに今年は改元ということもあり、雅子妃のお出ましも続いている。

16年にわたる闘病のなかで

「妃殿下は、ご体調を整えられる努力をされて臨まれています」と東宮職が語るように、お出ましになっているその裏では、病気と向き合われている姿があった。

新年の一般参賀 ©深野未季/JMPA © 文春オンライン 新年の一般参賀 ©深野未季/JMPA

 雅子妃が療養生活に入られたのは03年のこと。あれから16年も……、と思う人もいるだろうが、適応障害を患っている人の中には、同じような年月の中で苦しんだり、悩んでいたりする人もいる。また、雅子妃の場合は、皇室の中でご病気になったが、その同じ環境の中で治していかなければならないという難しさがある。

 精神疾患には、患者の努力も必要だが、治療のサポート態勢も重要と言われる。雅子妃の場合、皇太子と愛子内親王が献身的に支えてこられた。また、雅子妃がご病気になる前から現在に至るまで、陛下からもお守りいただいてきたことや皇族の方々にも支えられてきたことは言うまでもない。

辞めたいと思ったことは一度もない

 雅子妃は、皇太子妃として務めたいというお気持ちを持ち続けてこられた。もちろん、皇太子妃を辞めたいと思ったことは一度もないという。療養前には、朝起きられない、体がだるいなどといったご自分の体調の変化から病気ではないかと何度も訴えたというが、当時は主治医にさえ信用してもらえなかったため休むことはできなかった。公務の予定はぎっしり詰まったままだった。その為、宮内庁職員と押し問答の末「このままでは、皇太子妃を辞めなくてはなりませんね」と漏らされたというのが、歪んだ形で伝わった。

 宮内庁幹部の中には、お世継ぎ問題で雅子妃が皇太子妃としての役割を理解されていないという誤った認識が定着していたこともあり、精神疾患は気持ちの持ちようで治るものだと真剣に語る人は多かった。そのため自覚を植え付けようと迫る動きもあり、雅子妃は孤立していった。そうした環境の中で、雅子妃は、すっかり自信を無くされていたが、04年に東宮職医師団が着任してからは、医師の指導の下で病と向き合い、治療に努めてこられた。天皇が退位されると発表されてからは、皇后陛下おひとりの最後のお務めであった2018年5月の全国赤十字大会に体調を整えてご出席されるなど、具体的な目標をクリアしてこられた。

 「文藝春秋」2月号 © 文春オンライン 「文藝春秋」2月号

 ほとんど報道されることのない雅子妃の努力と即位への準備を、 「文藝春秋」2月号 に寄稿した。そこには、ひとりの女性が病と向き合いながらも、国民と寄り添おうと決意された「新皇后」の姿がある。

(友納 尚子/文藝春秋 2019年2月号)

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