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乳房描かれた弥生土器 「卑弥呼誕生の歴史分かる資料」

朝日新聞デジタル のロゴ 朝日新聞デジタル 2019/10/09 18:55 朝日新聞社
胸に乳房が表現された女性とみられる人物の刻まれた土器片=2019年10月9日午前、奈良県田原本町、細川卓撮影 © 朝日新聞社 胸に乳房が表現された女性とみられる人物の刻まれた土器片=2019年10月9日午前、奈良県田原本町、細川卓撮影

 奈良県田原本町と天理市にまたがり、弥生時代の集落跡と墓跡が確認された清水風(しみずかぜ)遺跡で、胸に乳房が表現された女性とみられる人物の刻まれた土器片(紀元前1世紀ごろ)がみつかった。町教育委員会が9日発表した。乳房が表現された弥生時代の絵画土器の発見は初めて。この女性を霊的な力を持つシャーマン(宗教的職能者)とする見方もあり、農耕祭祀(さいし)での女性の役割を探る貴重な資料として注目される。

 町教委によれば、土器片は最大幅16センチ、高さ12センチで、大形甕(かめ)の口から胴にかけての部分とみられる。5~6月に約40平方メートルを調査し、弥生中期の川跡から出土した。両手を広げ、手の指は5本。顔に目と鼻、口、まゆ毛、羽のような袖や二つの乳房も表現されている。

 弥生土器に描かれた人物画は全国で40件余り確認され、うち両手を広げた(挙げた)人物は複数みつかっている。両手を広げる姿は魂に活力を与えて再生させる「魂(たま)ふり」と呼ばれるポーズとされ、稲に生命力を与えて豊作を願うと解釈される。今回の発見で、このポーズの人物が女性である可能性が強まった。

 深沢芳樹・天理大客員教授(考古学)は、この女性を中国の歴史書「魏志倭人伝(ぎしわじんでん)」に登場する女王卑弥呼(ひみこ)と関連づけ、「巫女(みこ)の性格を持った卑弥呼の時代から約300年前にさかのぼる。日本列島には女性が祭祀で活躍する土壌があり、その歴史から卑弥呼が生まれたことの分かる一級の資料だ」と指摘する。

 絵画土器は10日~12月1日、町内の唐古・鍵考古学ミュージアム(月曜休館、祝日の場合は翌日休館)で展示される。問い合わせは町教委文化財保存課(0744・32・4404)へ。(岡田匠)

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