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共謀罪法成立:廃止へ闘い続ける 九州各地で集会、デモ

毎日新聞 のロゴ 毎日新聞 2017/06/15

 「共謀罪」の成立要件を改めたテロ等準備罪を新設する改正組織犯罪処罰法は、日付をまたぐ攻防の末に、15日朝、参院本会議で可決・成立した。数の力で押し切った政府与党に対して全国各地で抗議活動が展開され、国会の外では夜通し抗議の声を上げた市民たちが「政権のおごりだ」と批判し、九州・山口・沖縄の労組なども「法の廃止に向けて闘う」と決意を示した。

 福岡市博多区では同日午後、福岡地区労連加盟の福岡医療団労組の関係者ら約100人が集会を開いた。地区労連の内田大亮事務局長(48)は「法務委員会を飛ばして本会議のみで成立させるなど聞いたことがない。議論が尽くされたとはとても思えない」と怒りをあらわにした。

 医療団労組の三苫哲也副委員長(47)は「内心の自由や人権を踏みにじる『共謀罪』法を許さない。これからも廃止に向けて闘いを続ける」と決意を語った。集会終了後、参加者は福岡県庁まで抗議のデモ行進をした。

 同日は夕方に各地で市民団体などの抗議行動が予定されている。長崎市では「戦争への道を許さない!ながさき1001人委員会」などの呼びかけで共謀罪反対と安倍政権退陣を求める緊急集会が開かれる。熊本市や那覇市でも抗議集会やデモが予定されている。【西嶋正法、中村敦茂】

「民意どこへ」「漠然と不安」市民から声

 九州・山口の市民からも怒りや不安の声が上がった。

共謀罪に反対しデモ行進する人たち=福岡市博多区で2017年6月15日午後0時55分、矢頭智剛撮影 © 毎日新聞 共謀罪に反対しデモ行進する人たち=福岡市博多区で2017年6月15日午後0時55分、矢頭智剛撮影

 北九州市小倉南区の高齢者施設職員、加久隆一さん(51)は「政府は『一般人は法の対象に含まれない』というが、最後にそれを決めるのは権力の側だ。安保関連法に反対した若者たちや、沖縄で米軍基地建設反対の運動をしている人たちが恣意(しい)的に取り締まられないか。そうした疑問に答えないままの採決に憤りを感じる」と話した。

 山口県下関市のフリーライター、井手久美子さん(65)は「民意はどこに行ったのか。今回の採決のやり方には憤りを覚える。一方で『政治は政治家がするもの』という意識を変えないといけない。市民も政治に参加すべきで、その意味で私たちにも責任がある。日本がどこに向かうのか心配だ」と語った。

 福岡市中央区の会社員の男性(31)は「テロを未然に防ぐという意味では抑止力になるかもしれないが、何もしていないのに巻き添えで逮捕される市民が出る可能性があり、漠然とした不安がある。(捜査で)プライバシーが侵害される可能性もあり心配だ」と話した。【取違剛、上村里花、山下俊輔】

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