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客放置のバス運転手「なぜかわからない」と涙 会社謝罪

朝日新聞デジタル のロゴ 朝日新聞デジタル 2018/11/09 17:26

 バス会社「海部観光」(徳島県美波町)の高速バス(阿南発大阪行き)の運転手が、同乗の指導員と口論の末、乗客17人を乗せたままパーキングエリア(PA)に停車して運転を放棄した問題で、同社が9日、記者会見を開き、打山昇会長が「お客様に不快な思いをさせただけでなく、大変なご迷惑をおかけした」と謝罪した。

 海部観光によると、トラブルを起こしたのは今年4月入社の50代男性運転手。他社で運転歴があった。50代の男性指導員は普段は貸し切りバスに乗務しており、この運転手の指導は初めてだったという。

会見で謝罪する海部観光の打山昇会長(右から2人目)ら=2018年11月9日、徳島市一番町3丁目、三上元撮影 © 朝日新聞 会見で謝罪する海部観光の打山昇会長(右から2人目)ら=2018年11月9日、徳島市一番町3丁目、三上元撮影

 トラブルは6月12日の午前10時40分ごろに起きた。神戸淡路鳴門自動車道上の「高速鳴門」(徳島県鳴門市)を出た後、運転手は5速ギアのまま時速80キロで走行。指導員が6速に上げるよう促したが「これでいいんです」と従わなかったという。3分ほどのやりとりの後、指導員が本部に電話で相談している間に、運転手が停車予定のない近くの淡路島南PA(兵庫県南あわじ市)に入り停車。乗客から「いい加減にしてくれ」「いつ出るの?」などの不満の声が出たが、運転手は「分かりません」と答えるだけだったという。

 打山会長は指導員の指示について、「乗り心地、燃費、故障の可能性から適切だった」と説明。運転手の行動について打山秀明社長は「個人的な資質による要素も大きい」と話した。

 指導員が代わりに運転しなかったことについて、同社は、出発前のアルコールや体調のチェックなどを受けさせていなかったためと説明。過去の研修で問題がなく、会社が「運転を交代する必要はない」と判断したという。

 運転手は会社の聞き取りに、「なぜこんなことになったのかわからない」と涙を流し、トラブルの2日後に退職した。会社は運転手への損害賠償など法的措置は検討していないという。

 同社は会見で再発防止策として、指導員には必ずアルコールや体調のチェックを受けさせる▽乗務員の採用にあたって万全を期す▽人と人の相性のトラブルを減らす、などの対策をとることを表明した。

 乗客のうち、15人には運賃の返還や代替の交通費などを支払った。1人とは金額面で交渉中。残りの1人とは連絡が取れていないという。(三上元)

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