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暴行:「被害証言曖昧」マンション反対男性に無罪判決

毎日新聞 のロゴ 毎日新聞 2018/02/13 21:05

 高層マンション建設の反対運動をする中で建設現場の責任者の男性を突き飛ばしたなどとして暴行罪に問われた名古屋市瑞穂区の薬剤師、奥田恭正被告(61)の判決で、名古屋地裁(小川貴紀裁判官)は13日、「被害男性の証言は曖昧で、他の証拠による裏付けも認められない」として無罪(求刑・罰金15万円)を言い渡した。

 被告は2016年10月7日午前8時40分ごろ、瑞穂区の新築マンション建設現場の路上で、男性の胸を両手で突き飛ばし、後ろを徐行していたダンプカー側面に接触させて暴行を加えたとして逮捕、起訴された。

 裁判では、実際に被告が男性の胸を突き飛ばしたかが争点になった。検察側は、ダンプカーに向かって前進する被告の正面に立ち塞がった男性に対し、「いきなり両手で胸を突いてきた」とする男性の証言は信用できると主張。被告側は暴行の事実はないと無罪を主張していた。

 判決は、防犯カメラの画像から被告が組んでいた両腕をほどいた様子は認められないと指摘。その上で「被害男性が、何かあれば警察へ通報しようと考えたまま何らかの衝撃を受けたことで、胸を両手で突かれたと誤認した可能性は否定できない」などとして、暴行の事実を認める十分な証拠はないとした。

 被告は判決後の記者会見で「ホッとしたが、マンション建設の反対運動の中で起きたことであり、その問題が解決しないと喜べない」と話した。一方、名古屋地検の新田智昭次席検事は「判決内容を検討し、上級庁とも協議の上、適切に対応したい」とコメントした。

 住民側によると、現場周辺はほとんどが低層の建物で、15年10月末ごろ15階建てマンションの建築計画が浮上した。被告は反対運動の住民グループリーダーで、弁護人の国田武二郎弁護士は事件について「企業と警察・検察権力が結託した、反対住民への弾圧だ」と批判した。【金寿英】

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