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桃山期の鉄砲術伝書に源氏絵 奈良・大和文華館で公開

産経新聞 のロゴ 産経新聞 2021/01/13 22:05
桃山期の鉄砲術伝書に源氏絵 奈良・大和文華館で公開 © 産経新聞社 桃山期の鉄砲術伝書に源氏絵 奈良・大和文華館で公開

 大和文華館(奈良市)が所蔵する越前藩主・松平忠直が所持した鉄砲術の秘伝書「稲(いな)富(どめ)流鉄砲伝書」(桃山~江戸時代前期)を彩る金銀泥下絵の全容が、同館の調査で分かった。源氏物語などをモチーフとし、鉄砲術の秘伝書とは思われない優雅さが漂う珍品。近世初期の料紙装飾の一つの到達点を示すものとして貴重という。2月14日まで開催の特別企画展「大人の嗜(たしな)み立花・鉄砲・古画鑑賞」で公開している。

 稲富流は、大名に指導した稲富一夢を祖とする鉄砲術の一派。鉄砲術の秘伝書は数多いが、大和文華館所蔵の稲富流鉄砲伝書ほど美しい下絵を施した同流伝書はほかに知られていないという。

 同館の伝書21帖のうち鮮やかな金銀泥下絵があるのは、慶長17年の奥書きのある19帖。これらは同じ大きさの折本で、表紙は縦約25・6センチ、横約10・6センチ。全長は最長で約9・8メートルある。このうち、「拵(こしらえ)目(め)當(あて)絵図書」第2紙「藤の絡まる松に酒器」は、源氏物語第33帖「藤裏葉」の藤花の宴を表したとみられ、鉄砲の絵と不似合いな面白さを醸し出している。さらに、第4帖「夕顔」などを思わせる牛車や第12帖「須磨」の春の嵐を表現した絵も。また、柳に水流など四季の景物を描いた下絵もあり、鉄砲術秘伝書とは見えない典雅さだ。

 大和文華館の泉万里学芸部長は「実用のマニュアルブックだが、ここまで下絵に手間暇かけられていることに感動する。心の余裕がうかがえる」と話す。

 同展では、ほかに「立花図屏風」(華道家元池坊総務所蔵)や狩野探幽筆「古画縮図(布袋)」など計17件が並ぶ。一般630円、高校・大学生420円、小・中学生無料。問い合わせは大和文華館(0742・45・0544)。

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