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全てはたばこリスク低減のために ~ 20 年前の開発から生まれた『iQOS』のテクノロジーに迫る ~

2015/01/16

国際的大手たばこメーカーであり、日本でも最大の外資系たばこ会社であるフィリップモリス。彼らが最優先事項と考える項目のひとつに、「たばこ関連の疾患リスクを減らす製品を開発し、商品化する」という理念がある。その理念を具現化する可能性のある製品のひとつが『iQOS (アイコス)』だ。たばこ葉を加熱して香りと味を楽しむ、火を使わないたばこ。「ほぼ 100% を紙巻きたばこが占める日本のたばこ市場のシェアを激変させる可能性がある製品」と語る担当者に、『iQOS』のテクノロジーと目指すべき姿を聞いた。

日本とイタリアだけで販売される 次世代のたばこ製品とは 

フィリップモリスは、いわずとしれた世界最大級のたばこメーカーである。年間の販売本数は 8800 億本、実に 180 カ国以上で事業を展開している。そんな国際的企業が、日本とイタリアだけで、新しいスタイルのたばこを限定で発売した。名前は『iQOS (アイコス)』。たばこの新時代を切り開くかもしれない、加熱式たばこ製品だ。 「『iQOS』はたばこ葉に火を付けるのではなく、加熱することで香りや味を楽しむ製品です。副流煙を出さず、口から吐き出すのも蒸気なので、最近、欧米で流行している電子たばこと混同されることがありますが、全くの別物。日本ではニコチン入りの電子たばこは、厚生労働省管轄の薬事法で規制されているため、現在国内で販売されている、いわゆる “電子たばこ” はニコチンなしのものです。『iQOS』は、電子たばこのような液体は使っておらず、たばこ葉を使っているので、財務省からパイプたばことして分類されています」と教えてくれたのは、フィリップモリス ジャパンでサイエンティフック レギュラトリー アフェアーズを担当する飯田朋子 (いいだともこ) さん。たばこによる社会への悪影響を低減するために同社が開発する新しい技術が、科学的根拠のもと正しく規制されるよう提唱する仕事に携わっている。


「『iQOS』を日本で先行発売をした理由のひとつは、海外に比べて清潔に対する意識が高いから。煙に対しての嫌悪感や落ちる灰、付着するヤニ汚れ、ニオイなどに敏感なんです。『iQOS』はそれらのデメリットを払拭 (ふっしょく) できるので、受け入れられる土壌があると考えました」 現在は「もの作りの精神を脈々と受け継ぎ、新しいものに敏感な土地」という理由で 2014 年 11 月から名古屋で限定販売を行っている。都市の規模感としても適当で、全国の平均喫煙率と名古屋の喫煙率が近いのも理由だったという。評判は上々。接客業に携わる愛煙家の、「指にニオイが付かないので、お客様とのやりとりで気を使わなくてすむ」という声や、タクシー運転手の「ニオイがこもりやすい車内でも気兼ねなく吸える」などの声もあった。利用者の反響に飯田さんは「紙巻たばことは使い方が若干異なるので、消費者からの好印象には勇気づけられました」と驚きを隠さない。

確かに、『iQOS』は紙巻きたばこより手間が多い。たばこを吸うまでに、ヒートスティック (加熱専用たばこ) を本体に差し込み、加熱されるのを待たなくてはならない。たばこの味を維持するため、1 パック吸うごとに本体にたまるたばこ葉のカスを掃除する必要がある。また、本体を充電するためのポケットチャージャーも一緒に持ち歩く必要があり、紙巻きたばこより重くなる。それでも、従来の紙巻きたばこのデメリットに不満を持っている人には、画期的な製品だったのだ。

写真左奥から、クリーナー、ポケットチャージャー、充電用AC アダプターと USB ケーブル、
左手前、ホルダー〈本体〉 写真左奥から、クリーナー、ポケットチャージャー、充電用AC アダプターと USB ケーブル、 左手前、ホルダー〈本体〉

関わった研究者は 25 分野 300 人 『iQOS』に搭載された 3 つのテクノロジー

開発拠点は精密機器の製造には定評があるスイス。製品化されるまでに関わった科学者やエンジニアは、25 分野で 300 人に上り、集められた人材はいずれも世界のトップクラス。しかし、研究当初、加熱式では、どうしても愛煙家が満足する味を作り出すことができなかったという。フィリップモリスが求める品質にテクノロジーが追いついていなかったのだ。実現には、マイクロチップの進化やリチウムイオン電池の開発など、更なるテクノロジーの進化が必要だった。

「『iQOSホルダー』には、大きく 3 つのテクノロジーが使われています。ひとつは『ヒートスティック』に差し込んでたばこ葉を効率よく熱する “加熱ブレード”。これは、金とプラチナで構成され、セラミックでコーティングされています。次に、吸い込む数などを計測し、加熱ブレードを最適の温度にコントロールする “マイクロチップ” 。このマイクロチップが開発されたおかけで、満足がいくたばこの味わいを引き出せるようになりました。最後は、 “リチウムイオン電池” 加熱ブレードを安定的に熱する電力を供給でき、耐久性と充電速度にも優れています。「『iQOS』が製品化されるには、これらのテクノロジーが実用化される 2014 年まで待つ必要があったんですね」

『iQOSホルダー』に使われている 3 つのテクノロジー 『iQOSホルダー』に使われている 3 つのテクノロジー マールボロ ヒートスティックの中身は 1枚のシートがひだ状になっている マールボロ ヒートスティックの中身は 1枚のシートがひだ状になっている

きっかけは健康への影響 20 年間の努力が結実した製品

実は、『iQOS』プロジェクトの源流は、なんと 20 年前までさかのぼる。できるだけ健康への影響が少ないたばこを開発するという使命から始まり、たばこ葉を燃やすのではなく加熱するという発想に至った。その根底にはひとつの理念がある。“たばこ関連の疾患リスクを減らす製品を開発し、商品化すること” この一節、これは、フィリップ モリスの成長戦略にある最優先事項だ。 「現在まで弊社の臨床及び非臨床試験では、加熱式たばこは、紙巻きたばこよりも、疾患リスクが少なくなる可能性を示唆するデータがでています。もちろん、最終的な結論は、すべてのデータがそろい、完全な科学的証拠として分析されてから皆様にお伝えする予定です。喫煙者のみならず、非喫煙者にも配慮した『iQOS』は、この言葉を具現化する可能性のある製品です。通常のビジネス通り、関連するすべての法律及び規制に関係する省庁と連携して、科学的根拠を要件とする規制の枠組みが必要と提唱していきます」と飯田さんは語る。「現在、紙巻きたばこのシェアは世界で 86% 、日本では 99.8% です。私たちは紙巻たばこの代替品である『iQOS』によって、この状況を激変させたいと考えています」 

『iQOS』を使用するための ”iQOS キット” と、”マールボロ ヒートスティック” 『iQOS』を使用するための ”iQOS キット” と、”マールボロ ヒートスティック”
20 年前に未来を見据えてまいた種は、見事に芽を出した。『iQOS』は、世界中の言語で発音がしやすいことが考慮されて付けられた名前。その思い通り世界中に広がり、これからのたばこ市場を激変させるまでに咲き育っていくのか。今後の展開が楽しみな製品だ。

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