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「ネットで話題!」は世間の話題ではない――かっぴー&斎藤さんが考える“バズること”の意味

SPA! のロゴ SPA! 2018/03/14 08:32 日刊SPA!

 ネット広告会社のユニークな人間模様を描いた週刊SPA!連載「バズマン」がこのほどコミックス化を迎えた。単行本化に際して、推薦文を寄せたのは大手IT企業での勤務経験を持つトレンディエンジェルの斎藤さん。職種は違えど、共に追求する笑い、そして、バズることの意味を2人が語り合った!

――IT業界出身であり、転職して成功を収めているという共通点がおふたりにはあります。

斎藤:いやいや、僕が楽天にいたのは実質2年弱、営業部所属のアルバイト。ただ、『バズマン』みたいな、刺激的な毎日だったのは間違いないですね。

かっぴー:おお、興味あります。

斎藤:当時、楽天は東北楽天ゴールデンイーグルス、ヴィッセル神戸の運営をスタートさせるなど上り調子でした。朝礼にキングカズこと三浦知良選手が来て、急遽、質問大会になったり、景品付きのビンゴしたり、本当にハチャメチャ。三木谷社長も黒光りしてましたもん!

かっぴー:黒光り(笑)。僕は大学卒業後に広告代理店に入り、’14年からウェブ広告代理店の面白法人カヤックに転職。そこで自己紹介代わりに業界の出来事を漫画にしたら、注目されたんです。

斎藤:“面白法人”ってスゴい社名ですよねー。

かっぴー:毎日面白いものをつくり、取引先に提供しなきゃならないのが辛かったですね(笑)。だからお笑い芸人さんは尊敬しているので、単行本化にあたり同じIT業界出身の斎藤さんに推薦文をお願いしたんです。

斎藤:毛が損、いやいや謙遜しちゃいます。僕らの漫才は、芸人の世界でも軽視される「時事ネタ」が多いんですよ。ニュースに自分たち流のハゲギャグを組み込んでるだけ、世間に乗っかているだけというか。

かっぴー:でも、世間の出来事にカウンターを入れている。斎藤さん、本当は王道派なんですね。

斎藤:そうですね、王道。夢は世界進出したいぐらいです(笑)。ちなみにかっぴーさんの漫画のネタはどうやって捻出してるんですか?

かっぴー:僕の場合は会社員時代のエピソードという“遺産”があるので、毎日1時間ぐらい散歩しながら「あいつ、面白かったな~」「思い返せば、あれ変人だったぞ!?」と思い出すようにしています。特に前の会社には『バズマン』に登場する社長のモデルが実際にいて、本当に長髪髭面で常時半ズボンの完全に浮世離れしていて。ほかの面々も個性強すぎて……危険だから漫画でも描けないぐらい(笑)。

◆「ネットで話題!」は世間の話題ではない

斎藤:『バズマン』を読んで改めて思いましたが、IT系はシステマチックなイメージを持たれがちだけど、三木谷社長もそうですし、実際はむしろ人間味溢れる人たちが多いですよね?

かっぴー:個性のるつぼですよね。だからネタが尽きないんですよ。独特のカルチャーがありますしね。

斎藤:チャットでやりとりしていたシーンは、自分も「あったなー、コレ!」と思わず膝をたたきました。逆に僕が楽天にいたときは、まだSNS活用はあまりなかったので、ツイッターで拡散するシーンは目新しかったです。今はフォロワー数が多いほうが給料も上がったりするんですか?

かっぴー:いや、全然です(笑)。会社員時代も『バズマン』的な漫画を描いてバズったんです。そこからサントリーの広告漫画に繋がったんですが……。結局、給料は上がらず(笑)。漫画が描けるという特殊技能は重宝されるけど、バズってもそれほど意味ないし、お金には繋がりにくいんですよ。

斎藤:わかるなー。芸人がSNSで話題になり、「いいね!」や「RT」でバズっても、単独ライブのチケットが全然売れてないことは多々あります。あんまりSNSを信用しちゃいけない。

かっぴー:そう、「ネットで話題!」は、世間の話題ではない(笑)。

斎藤:ネットの炎上もそうだと思います。僕、コメンテーターとして出演していた報道番組で、話の流れで発言した一言が、タイミングの問題もあって、意図としてないかたちで伝わってしまって、インスタグラムに批判コメントが殺到したんです。翌日、5000人のお客さんが集まる営業も怖くて、怖くて……。でも、いざステージに立ったら、誰も言わないし、そもそも知らないんですよね。

かっぴー:そんな現状なのにネット広告は“バズり重視”。バズりも炎上も一時的なブームで、流れて消えてしまうことが大半。『バズマン』では、そんな滑稽さを描ければな、と思っています。会社員経験があるからこそ、その異常さを俯瞰で見れるのかなって。

斎藤:芸人界も異常さはあって、僕もサラリーマン経験があるから俯瞰で見られるのかもしれませんね。

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かっぴー:あと、自分は美大卒でも絵が下手だし、デザイナー時代も全然うまくなかった分、逆にしっかり客観視できるかもしれません。

斎藤:推薦文に「ステキな画力」と書いてすいません(笑)。でも、SNSでバズって売れたら嬉しいですよね?

かっぴー:そりゃ、もちろん(笑)。

【かっぴー】

’85年、神奈川県生まれ。武蔵野美術大学を卒業後、広告会社、面白法人カヤックを経て、漫画家として独立。著書に『左ききのエレン』や『SNSポリスのSNS入門』など

【斎藤 司(トレンディエンジェル)】

’79年、東京都生まれ。日本大学商学部を卒業後、アルバイト社員として楽天に入社。芸人になる夢を諦めきれず、’05年にコンビ結成。ハゲ漫才を武器に’15年にM-1王者に

<取材・文/カトウカジカ>

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