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ドイツ企業のアジア人女性差別的なCMに声を上げないどころか、抗議をする韓国を揶揄する人々の愚かさ

HARBOR BUSINESS Online のロゴ HARBOR BUSINESS Online 2019/04/04 15:30 ハーバービジネスオンライン
© FUSOSHA Publishing Inc. 提供

 ドイツのDIYメーカーであるホルンバッハのCMが、アジア人女性への差別だとして批判に晒されている。CMでは、野良仕事をする中年のドイツ人男性が脱いだ下着がパッキングされ、自動販売機で販売される。それを購入したアジア人女性が恍惚の表情を浮かべて白目を剥くというものだ。

 動画をよく見ると、パッキングされた下着が運ばれるベルトコンベアには「春の匂い」と書かれており、これが日本人女性であることがわかる。

◆韓国ではいち早く話題に

 同社が3月にCMを公開した直後から、韓国国内では批判の声が上がった。ツイッターでは、「ドイツの病んだ野郎ども。マジで腹立つ」と怒りを露わにする人が相次いだ。

「50歳以上の中年白人男が持つ、歪曲されたアジア人女性への性的認知が問題。ホルンバッハの広告はまさにそこを主なターゲットにしていて、問題は簡単ではない」

「言語交流サイトのグループチャットに入ると途端に白人男が挨拶もせずにこちらのプロフィールに変な言葉を投げかけ、韓国人なので韓国語しかできませんと言ってるのに日本語を習いたい白人たちがしつこくチャット要請してくる。それでも白人男とアジア人女性が平等だと言えるのですか」

 白人男性の中には、“アジア人の女性は従順で、白人男性を喜んで受け入れる”という偏見を抱いている人もいる。そのせいで、性的なからかいを受けたという人も少なくない。

 中には、「私は昨年の1月1日、アジア人女性という理由だけで明け方、公共の面前で10数人の男性に人種差別的なからかいを受け、抗議すると殴られて入院した」と深刻な被害に遭っている人もいるようだ。

◆ドイツ在住の韓国人男性が署名活動を開始

 こうした中、ドイツ在住のSung Un Gangさんは、署名サイト「change.org」で同社への抗議の署名を集め始めた。キャンペーンは英語、ドイツ語、韓国語、中国語、日本語の5か国語で展開されており、すでに2万人近くが署名している。CMで描かれているのは日本人女性だが、アジア人女性全体への偏見を助長するとして立ち上がったのだ。

 署名サイトでは、このCMの意図をこう指摘する。

「ホーンバッハ社は、彼らの主要顧客が、彼が働いた後の匂いが世界中どこでも、とりわけアジア人女性にとって、これほどセクシーで魅力的なものだと想像させたいのです」

「彼女は汗臭い白人男性が、庭仕事をする自分自身を肯定するための存在なのです。ホーンバッハ社は白人男性の壊れやすい自己肯定意識を、どこかにいるアジア人女性に外注しているのです」

 同社のCMは、庭仕事でかいた汗がアジア人女性をうっとりさせるものであるということを描いている。このことで顧客であるドイツ人男性に、庭仕事をする自分たちは男らしく、性的な魅力があると伝えようとしているようだ。しかしそうした目的のためにアジア人女性が利用されているのが問題だという。

 こうした抗議行動にもかかわらず、ホルンバッハはCMの削除していない。Sung Un Gangさんは、ドイツの広告委員会への陳情やデモも視野に入れて、抗議を続けていくという。

◆ハングルアカウントの攻撃性と揶揄する人も

 日本でもこのCMに対し、抗議の声を上げる人が増え始めている。しかし、その一方で、なぜか韓国の人々を揶揄する連中も散見できる。

 あるブログでは、ホルンバッハを批判する韓国人のツイッターアカウントに対し「ハングルアカウントの攻撃性」と表現。また、CMは人種差別ではないとしたうえで、「被害妄想のレベル」、「この件で喚いてるのが韓国人と人権意識高い系の日本人ばかりというのが、いろいろと物語ってると思います」と述べている。CMの内容を精査することなく、韓国人や声を上げ始めたフェミニズム的な日本人を揶揄したいだけのようだ。

 また、白人男性を好む日本人女性が実際にいることを引き合いに出し、ホルンバッハを擁護する人も散見される。インターネット上には、「アジア圏の女性は西洋人と結婚しハーフの子供を持つことに優越感に浸る女性が多いのも事実としてあると思う」、「確かにビッチと言われるぐらい外人好きなバカ女いるからなー。このご時世韓国人好きな女もいるし」といった意見も見られる。

 実際、欧米の男性を好む女性はいる。しかしそうした人がいるからといって、偏見を助長するようなCMを放映していいということにはならないだろう。

◆ドルガバ炎上騒動でも

 昨年11月には、イタリアのファッションブランド「ドルチェ&ガッバーナ」の広告動画も人種差別だとして問題になった。同社が上海でのショーに合わせて公開したもので、アジア人の女性が箸でピザやパスタを食べようとして苦戦するという内容だった。

 公開直後から、アジア人女性への差別ではないかという批判が集まり、ショーに出演予定だった中国人モデルが次々とボイコット。上海で予定されていた同社のファッションショーは中止に追い込まれた。その後、中国のECサイト「アリババ(阿里巴巴)」は同社の商品の取り扱いを中止し、香港に本店をおく百貨店「レーン・クロフォード」も取扱いを中止している。

 この動画は、箸を使った文化全般を揶揄しているとも考えられ、日本人の中にも「日本もドルガバをボイコットしようぜ」と呼びかける人がいた。しかし大きな動きにはならなかった。それどころか、「ドルガバでおこな人たちって余裕なさすぎない?」と揶揄したり、中国人観光客のマナーの問題を引き合いに出し、「お前らに言う権利ないだろ。日本に観光来てもバスの出発時間余裕で遅刻するしそこら辺にゴミするしバスの中くっそ汚すし建造物壊すわ汚すわめちゃくちゃするやん」と中国人をけなす人もいたほどだ。

「脱亜入欧」を掲げた頃から、「名誉白人」の地位を目指してきた日本人だが、いまでは経済の分野では中国や韓国にイニシアチブを握られつつある。そんな中、アジア人への差別に声をあげるべきところを、「名誉白人ヅラ」してアジア人、そしてアジア人女性への差別に加担する一部の日本人。彼らは自分たちはアジア人でもないとでも思っているのだろうか?

<取材・文/HBO取材班>

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