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ビールで「太らない」「酔わない」ためのコツ 「とりあえず生!」は科学的に正しい

東洋経済オンライン のロゴ 東洋経済オンライン 2017/08/01 馬渕 知子
太らない&酔わないための飲み方のコツとは?(写真:kai / PIXTA) © 東洋経済オンライン 太らない&酔わないための飲み方のコツとは?(写真:kai / PIXTA)

 「ビールを飲むと太る」「つい飲み過ぎて酔ってしまう」など何かと悪者扱いされることの多いビールですが、実は優れた機能がたくさんあるってご存じですか?

 「ビールに含まれる麦芽やホップが醸し出す香りやアルコールの持つリラックス作用を活用すれば、その日の疲れを上手にリセットすることができます。ビールは単に酔うためのものではなく、飲み方次第ではビジネスパフォーマンスを底上げしてくれるすばらしい飲み物なのです」

 そう語るのは、マブチメディカルクリニックの院長で、『朝のコーヒー、夜のビールがよい仕事をつくる』の著者でもある馬渕知子氏。医師の立場から、ビールに秘められたすごいパワーと、太らない&酔わないための飲み方のコツをお教えします。

「ビールは太る」のからくり

 お酒の席で「ビールは太るから、ハイボールで……」と言っている人を見掛けますが、もし、これを信じてビールを我慢しているならば、残念な人たちです。だって、ビールもハイボールも、カロリー的には大差がないのですから。ハイボールの種類によっては、ビールよりも高カロリーなものもあるくらいです。カロリーを比較してみれば一目瞭然。ビールは決して高カロリーではありません。

 では、なぜ「ビールは太る」と言われるのか? そのいちばんの理由は、ビールに高カロリーなおつまみが合いすぎるからです。イングリッシュパブの定番がフィッシュ&チップスのように、揚げ物とビールとの相性は不動の1位でしょう。ソーセージやピザといった、いかにも高カロリーなメニューにも、ビールの存在は欠かせません。

 太る罪はビールにあるのではなく、ビールの「アテ」にあるのです。「ビールは太る」と自分自身の嗜好を押し殺している人は、ビールと一緒に何を食べるのか考え直してみてください。その呪縛から、解き放たれるでしょう。

 ビールほどの大物に勝てるメニューは、それなりのカロリーをも持ちえてしまうことが多いもの。ですから、ビールに負けずに劣らぬパワーと心も胃も満足感があふれる持つメニューが必須になります。食中は、次のような「刺激的かつ食べ応え」に注目して料理を選ぶようにしてください。

 ①豆腐や青魚など薬味を活用するメニュー

 まず、豆腐は高タンパク・低脂質であり、カロリー数に対してボリューム感があります。さらに薬味が生かせる食材で、冷ややっこや湯豆腐、麻婆豆腐、具沢山の栃尾油揚げなど、ビールに負けない料理が豊富です。

 アジ、サバ、イワシ、カツオなどの青魚(光り物)と呼ばれる魚にも、薬味は欠かせません。ネギ、ショウガ、ミョウガはアルコールの代謝を促します。また、脂質も多めですが、青魚に含まれるDHAやEPAという脂質は、善玉コレステロールを増やしたり、動脈硬化を予防・改善、脳の活性化などに期待をもてる体にうれしい脂です。

 ②焼き肉やステーキには「赤身」を選ぶ

 お肉自体がエネルギー代謝を高めるので、もともとダイエット向きといわれている食材ですが、赤身にはビールの代謝を助ける栄養素も豊富です。焼き鳥屋さんやおそば屋さんで遭遇しやすい「鴨メニュー」もおすすめ。居酒屋さんなら馬肉やクジラ肉、フレンチならばジビエなどもいいでしょう。エスニック・アジア料理は基本的に刺激的です。辛さもあり、代謝が亢進して、ビールに合いながらも太りにくさも演出してくれます。

「とりあえず生!」は科学的に正しい

 最初の1杯でビールを注文するのは、健康的にもビジネス的にも賢い選択です。ビールには食前酒としての働きがあり、食欲増進や、場の空気を和らげるといった効果があるからです。「食前酒ならシャンパンのほうがいいのでは?」そう思う人もいるでしょう。でも、それが取引先との宴席なら、ぜひともビールを選んでください。そのほうが、悪酔いするリスクが減り、先方との関係づくりにも優位に働くと思います。

 酔いの原因ともなるアルコールの分解産物「アセトアルデヒド」。これを分解・処理する際に使われる酵素「ALDH(アルデヒド脱水素酵素)」には、アセトアルデヒドが低濃度のときに働く「ALDH2」と、高濃度にならないと働かない「ALDH1」の2種類があるのですが、日本人の約半数は、生まれつき前者の活性が弱いか、欠けているといわれます。つまり、多くの日本人は有害なアセトアルデヒドを速やかに分解できない体質であり、少量のアルコールでも悪酔いしやすい「お酒に弱い」体質だということです。

 ビールのアルコール度数は5~6%が主流なのに対し、シャンパンは11~12%が一般的。お酒に弱い日本人の1杯目には強すぎます。シャンパンに含まれる炭酸が胃腸を刺激し食欲増進につながるというメリットも、炭酸飲料であるビールであれば問題なくクリアできますから、この点でもシャンパンに劣ることはありません。ビールは食欲を増進させ、これから飲み進めるスタートとして、優れものであるのです。

 さらに注目すべきは、ビールの「GI値(Glycemic Index)」。その食品が体内で糖に変わり血糖値が上昇するスピードを測ったもので、GI値が高ければ高いほど血糖値が上がりやすく、低ければ低いほど上がりにくいとされています。

 なぜGI値に注目し血糖値の増減を気にするのかというと、この数値が太るか太らないかのカギを握っているからです。私たちの体は、血糖値が上がった分だけインスリン(糖や脂肪を細胞内に吸収するために働く物質)を分泌します。インスリンの分泌が多ければ多いほど、糖や脂肪が細胞内に取り込まれます。つまり、インスリンを過剰に分泌させない=血糖値を上げすぎないことが、余分な皮下脂肪や内臓脂肪をつけないための秘訣なのです。

 ダイエットではGI値の低いものから食べることが基本ですが、これはドリンク類にも同じこと。さらにGI値は最初に胃に入れる食べ物によって左右されるので、「最初の1杯」のチョイスは最重要事項なのです。

 ビールのGI値はおよそ35。ダイエットに向いているのはGI値60以下の食品といわれていますから、「とりあえずビール」には何も問題がない、というより、それどころか非常に好ましいことがわかるでしょう。こう考えると、ビール自体はダイエット飲料であるという考え方もできるわけです。

二日酔いを防ぐ「1杯飲んだら1杯」の法則

 二日酔い対策は複数ありますが、最も簡単で手軽なのは、やはり水の力を借りることだと思います。やり方は簡単。「お酒1杯につきチェイサー1杯」のペースで、アルコールと水を交互に飲むようにするだけです。

 ともすると、「二日酔いになってしまったら水を飲みましょう」「吐いてしまったら水を飲む」などと、悪酔い・二日酔いの状態になってしまった後で初めて水を飲むという場合が多いのではないでしょうか。

 水分補給は、確かに対処法としても有効です。しかし、飲んでいるときにしっかり水分補給をしていれば、そもそも悪酔いも二日酔いも未然に防ぐことができるのです。翌日に重要な予定があるときには、必ずチェイサーを手元に置き、飲みながらしっかり水分補給をすること。空きっ腹で飲まない、一気飲みをしない、飲みすぎない……といったことももちろんですが、ぜひ、「ジョッキを空けたら、まずチェイサー」を心掛けてみてください。それだけで、よりおいしく、楽しく、そして長く、お酒を堪能できることでしょう。

 渇ききったのどにしみわたる1杯目のビールがもたらす幸福感は言葉にできません。しかし、酔いたくない日は、その幸福感を3分だけ待つといいでしょう。

 一気飲みは、正直あまり体にはよろしくありません。その理由のひとつが、急激な体内へのアルコールの流入です。飲んだアルコールの2割程度は胃から吸収されると考えられていますが、空腹の状態であればあるほど、胃からの吸収速度は速く、一気にアルコールが肝臓へ回ってきます。突然のアルコール襲撃に見舞われた肝臓は急いで仕事に取り組みますが、準備不足で十分な機能が発揮できず、分解できないアルコールが累積していくというわけです。

 肝臓にも準備運動、つまり「慣らし」が必要です。初めからグイグイと飲んではいけません。乾杯のビールは一口分程度をクピッと飲んで、3分間待ってください。この間に、空腹を和らげるために前菜をつまむのもありですが、それが仕事絡みの飲み会なら、あいさつや談笑に時間を充てるのもいいでしょう。

 たった3分間で、肝臓は体内に入ってきた少量のアルコールに気づき、アルコール代謝機能を高めてくれます。

絶対に酔えない日は昼間から「飲む準備」を整える

 楽しく酔うのもお酒の醍醐味ですが、ビジネスが絡んだ宴席ともなると、さすがにそうはいきません。飲みすぎて翌日に響くのも心配です。そんな「絶対に酔いたくない宴席」がある日は、昼間から「飲む準備」を整えておきましょう。

 ①いつもより多めに水を飲んでおく

 体の脱水状態はアルコールの代謝能力を下げ、酔いを招きやすくします。水分は貯蓄できるものではありませんが、酔えない飲み会を控えている日には、朝から適度な水分摂取を心掛けておくことがポイントとなります。お茶に使われる材料には肝臓の働きを活性化させる成分が含まれるものが多くあるので、ウコン茶やクコ茶、そば茶、杜仲茶、マテ茶などもおすすめです。飲む直前になって慌ててウコンを飲むより、日中からこうした準備をしておくことこそが効果的なのです。最低でも、1~2時間前から取り組まれるとよいでしょう。

 ②「タウリン多め」のランチでアルコールを迎え撃つ

 もうひとつポイントになるのが、ランチタイム。ランチは、アルコールを解毒・分解するためのサポート成分を事前に摂取するベストチャンスです。

 肝臓は、食事から得るさまざまな栄養素を使うことでスムーズなアルコール代謝が可能になります。もちろん、アルコールと共に食べる食事も活用されますが、食べ物が消化・吸収されるにはある程度の時間が必要です。ですから、昼間から夜のアルコール代謝に向けた栄養成分を取り入れておくとよいのです。

 たとえば、メインはタウリン多めのカキやイカ、アジなどがおすすめ。これらの食材には、胆汁の分泌を促進し、肝臓機能を活発にさせる働きがあります。シジミみのおみそ汁付き定食などもいいでしょう。シジミに含まれるオルニチンはアルコール代謝の過程で発生するアンモニアを分解する手助けになります。

 ③食後やおやつのお供にはハーブティー

 ミルクシスルやアーティチョークなどを使ったハーブティーには肝臓の働きを活性化させる成分が含まれています。そこまで細かくなくても、消化に時間がかかる脂肪分を含んだメニューは腹持ちがよく、「すきっ腹にアルコール」を回避してくれることに役立ちます。

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