古いバージョンのブラウザーを使用しています。MSN を最適にご利用いただくために、サポートされているバージョンをご使用ください。

歯科医が歯周病治療を間違えて抜歯に… 失敗しない歯科選びのポイントとは

AERA dot. のロゴ AERA dot. 2018/01/09 07:00 AERA dot.

 歯を失う原因は、むし歯だと考えている人は多いでしょう。しかし日本人が歯を抜かなければならなくなる原因のトップは、歯周病です。日本歯周病学会と日本臨床歯周病学会の共著として発刊した書籍『日本人はこうして歯を失っていく 専門医が教える歯周病の怖さと正しい治し方』(朝日新聞出版)から、歯周病のいい歯科医師選びの方法を紹介します。

*  *  *

歯周病は治療で症状が改善しても、その後も定期的なメインテナンスが必要。一生付き合うつもりで歯科医師を選ぼう(※写真はイメージ) © dot. 歯周病は治療で症状が改善しても、その後も定期的なメインテナンスが必要。一生付き合うつもりで歯科医師を選ぼう(※写真はイメージ)

 歯科医院に通院している患者さんの中には、これまで5軒、10軒と歯科医師を変えてきた人がたくさんいます。むしろ最初に受診した歯科医師が自分にピタリと合い、気に入ってずっと通い続けているほうが稀まれなのではないでしょうか。

 歯科医師を変更した理由はさまざまですが、中でも多いのは、治療に納得できないというケース。初診の段階で「ここで治療を続けるのは不安」「合わない」と感じることもあれば、治療が進む中で納得がいかないことが出てくる場合もあります。

■「歯周病の知識が乏しい歯科医」を受診してしまった30代女性の悲劇

 歯周病の場合、残念ながらあまり歯周病の知識がない歯科医師が間違った治療や指導をして、かえって悪化させてしまったというケースがあるのは事実です。

 38歳の女性の患者さんは、4カ月にわたり歯科医院に通っていたにもかかわらず、歯周病が進行して4本の歯がグラグラに。「これはおかしい」と思い、歯周病専門医の資格をもつ歯科医師を受診しました。すると前に通院していた歯科医師がおこなっていた「歯周病の治療」は歯の表面の汚れを落としていただけ。歯石はまったくとれていなくて、専門医から見たら、とても歯周病の治療とはいえないものだったのです。

 この女性の場合、なんとか残せそうな歯は再生治療をして、どうしても救えない歯は抜くことになりました。歯を失うのは誰にとってもショックですが、30代という若さ、しかも未婚の女性です。患者さんにしてみれば「せっかく通院していたのになぜ」と悔しかったことでしょう。

 一方、50代の男性は「よその歯科医院で『歯周病がどうにもならないくらい悪化しているから、すぐ抜歯してインプラントを入れるしかない』と言われた」と、セカンドオピニオンを求めて駆け込んできました。抜歯が避けられないケースもあり、「抜かない歯科医師=いい歯科医師」ではないのですが、良医であれば高額なインプラントありきの抜歯ではなく、他の選択肢も含めきちんと説明してくれるはずです。

 実際、歯周病専門医が診察してみると、歯の揺れはあるもののまだ抜歯する段階ではなく、手術で歯肉の奥についた歯石を除去することで十分回復が見込めました。結局、患者さんは歯周病専門医のいる歯科医院へ転院することになり、治療に時間はかかったものの抜歯することなくいい状態を保っています。

■「患者さんのことを一番に考える」のが、いい歯科医師の基本

 そもそも「信頼のおけるいい歯科医師」とは、どのような歯科医師なのでしょうか。

 基本中の基本は、患者さんのことを一番に考える歯科医師であること。これは歯周病にかぎらず、小児歯科やむし歯、歯科矯正といった歯科医療全般に通じるものです。

「患者さんに感染が起きないように清掃や滅菌は徹底しよう」

「患者さんが一生自分の歯で噛めるように、時間をかけてブラッシング指導をしよう」

 このように、歯科医師の「患者を思う気持ち」は、院内の清潔や説明、治療、指導など、あらゆる場面に反映されるものです。

■歯科でもセカンドオピニオンの活用を

 誰だっていい歯科医師にかかりたいに決まっています。よく患者さんから「先生は自分や家族が歯科治療を受けなければならなくなったとき、どうやって主治医を見つけるんですか」と、聞かれることがあります。歯科医師の場合は歯科の知識がありますし、歯科医師同士の長年の付き合いの中で人柄や知識、技術力、どのような方針で治療をしているのかなどをある程度わかっているので、信頼できる歯科医師を見つけるのはそれほど難しいことではないのです。

 しかし、歯科医師の知り合いがいない、歯科にかかわる詳しい知識もない患者さんが良医を探し出すのは大変なこと。また、多くの患者さんが良医と認めるような歯科医師であっても、その患者さんとは「相性が合わない」ケースも多々あります。

 まず、ある程度絞り込んだ1軒を受診し、その歯科医師と話してみましょう。1軒目で納得できればそれでよし、「何か合わない」と感じたら、別の歯科医師を受診して意見を聞いてみる――そうやって自分が納得して通うことができる歯科医院を見つけるしかありません。また、現在かかっている歯科医師(=主治医)以外の歯科医師に意見を求める「セカンドオピニオン」で、「セカンドオピニオンを聞いてみたら、主治医の説明が納得できるものだと思えた」などと、主治医に対する信頼を深めるケースもあります。

 何を目安に最初に受診する歯科医師を絞り込めばいいのか、ポイントを下記にまとめました。すべてが当てはまるわけではありませんが、参考にしてください。

 歯周病は治療で症状が改善しても、いい状態を保ち続けるにはその後も定期的なメインテナンスが必要です。一生付き合うつもりで、歯科医師を選んでください。

<受診する前>

(1)通いやすい場所にある

(2)歯周病専門医・認定医である

(3)受付や電話の対応がしっかりしている

(4)予約制で十分な時間をとってくれる

<通院初期>

(1)院内や機器、スタッフの身だしなみが清潔

(2)治療計画を説明してくれる

(3)自由診療は見積もりを出す

<診療開始後>

(1)患者さんの質問には必ず答えてくれる

(2)手鏡を持たせたがる

(3)メインテナンスの患者さんが多い

(4)熱心で腕のいい歯科衛生士がいる

(5)自信がない治療は他の歯科医師を紹介する

(6)定期健診の案内がしっかりしている

(7)歯だけでなく全身の健康指導をおこなう

(8)しつこく禁煙を勧める

AERA dot.の関連リンク

image beaconimage beaconimage beacon