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“低速通信”でも快適?――IIJmio/OCN モバイル ONE/ドコモのSIMで試してみた

ITmedia NEWS のロゴ ITmedia NEWS 2014/06/13 ITMedia
“低速通信”でも快適?――IIJmio/OCN モバイル ONE/ドコモのSIMで試してみた: 画像:ITmedia © ITMedia 提供 画像:ITmedia

 LTEが開始されて数年が経ち、さまざまな場所に足を運んでも快適な高速通信の恩恵を得られるようになった。一方で、通信キャリアや格安SIMを提供するMVNOの契約には、LTEのデータ通信量は、毎月1Gバイト〜7Gバイト程度の上限が設定されている。その通信量を超えてしまうと、月末まで低速な通信を余儀なくされてしまう。事実上のナローバンド状態だ。

 そのナローバンド状態での通信だが、各通信事業者で数値が微妙に違うのはご存知だろうか。例えば、NTTドコモの通信速度制限は128Kbpsだが、MVNOのOCNやIIJは200Kbpsだ。以下のようになるのだ。

・NTTドコモ……高速通信時:下り最大150Mbps、上り最大25Mbps/低速通信時:上下最大128Kbps

・OCN モバイル ONE……高速通信時:下り最大150Mbps、上り最大25Mbps/低速通信時:上下最大200Kbps

・IIJmio……高速通信時:下り最大150Mbps、上り最大25Mbps/低速通信時:上下最大200Kbps

 この中で1社だけスタンスが異なるのがIIJだ。IIJが提供している「IIJmio高速モバイル/Dサービス」(以下、IIJmio)では「クーポン」という仕組みを採用しており、クーポンを使うときは下り最大150Mbps/上り最大50Mbps、クーポンを使わないときは上下最大200Kbpsとなる。ユーザーが高速/低速を自由に選べるという点で、「速度制限を課す」というドコモやOCN モバイル ONE(およびほかのMVNO)とは考え方が異なる。

 今回は、上記のIIJmio、OCN モバイル ONE、ドコモの通信制限環境下のSIMを利用し、実際にどれだけ快適に通信できるのかを検証する。

●IIJmio、OCN モバイル ONE、ドコモを選んだ理由

 ナローバンド状態での使い勝手を検証しようと思ったのには理由がある。IIJmioでは、低速通信時では確かに上下最大200Kbpsだが、通信を開始した最初の75Kバイトまでは速度制限をかけない「バースト転送」を許可している。75Kバイトまでのデータ量ならつまり高速通信が可能なのだ。しかし、「75Kバイトまで高速通信」と言われてもイマイチピンと来ないので、試してみたくなったのだ。

 OCN モバイル ONEを選んだのは、月額900円(税別)の1日あたり50Mバイトプランでは、その日の通信量が50Mバイトを超えると翌日まで200Kbpsに制限されるので、頻繁にナローバンド状態になると考えたため。ドコモを加えたのは、IIJもOCNもドコモのネットワークを利用したMVNOなので比較をしたいのと、やはり契約数の多さから、通信制限状態になる人も多いだろうと考えたため。

●「RBB TODAY SPEED TEST」アプリで通信速度を計測

 単に「ナローバンド状態を試してみた」だけでは主観的な感想になってしまうので、通信が完了するまでの速度を計測した。

 計測のためにSIMを入れた端末は、最新モデルの「GALAXY S5 SC-04F」をチョイス。それぞれSIMを入れ替えてテストを行うこととした。

 なお、当然だがIIJ mioは高速化クーポンオフ、OCN モバイル ONEはその日の50Mバイトを使いきり、ドコモの回線は月間通信量7Gバイトを超えた状態で計測した(正直、これがいちばんきつかった)。

 まずは速度テストを実施した。

 速度テストを行うアプリには、「RBB TODAY SPEED TEST」アプリを利用し、それぞれ5回の下り速度、上り速度、ping(数字が小さいほど反応が良い)を計測し、平均値を求めた。テストは5月24日21時頃に、埼玉県東松山市の木造アパート屋内で実施した。

 結果は以下のとおり。

 ドコモとOCNはほぼカタログ値に近いものとなっている。理論上は200Kbpsまで速度が出るが、実際の速度では環境に依存するため、もう少し遅い速度で計測される。

 意外だったのは、IIJだ。こちらも理論値は上下最大200Kbpsだが、実際にはその倍近い速度が出た。これは、スピードテスト開始時に最初の75Kバイトまでは高速通信をするため、スループットの平均値を出す通信速度も引き上げられたと思われる。常に400Kbps前後の速度で利用できるわけではないことをご理解いただきたい。

●ブラウザの表示が速いのは?

 続いて、ブラウザの表示テストも行った。計測方法は、ブラウザなど通信が発生するボタンをタップと同時にiPod touch純正のストップウォッチをタップするというもの。手動のため、0.1〜0.2秒程度の誤差が生じることはご了承いただきたい。テストは5月24日22時頃に、埼玉県東松山市の木造アパート屋内で実施した。

 「Yahoo!Jpapn」トップの読み込みを開始してから、表示完了になるまでの速度を計測した。こちらも5回を計測して平均値を求めたが、2回目以降はキャッシュ保存によって高速化されるので、1回ごとにキャッシュを削除しながら計測した。Yahoo!Japanはスマートフォン版とPC版があるが、その両方を計測している。

 結果は以下のとおり。

 PC版はその容量の多さから各社どうしても時間がかかってしまうが、その中でもIIJは比較的速く感じるだろう。また、スマホ版Yahoo!トップページは平均約9秒程度という短い時間で表示された。

●TwitterやFacebookの表示が速いのは?

 ブラウザ以外でもいくつか表示(または更新)完了までの速度を計測してみた。計測したのは4種類。TwitterとFacebookは、Google Play経由でインストールした公式アプリを利用した。ニュースと天気も頻繁に更新すると考え、ニュースは「Smartnews」アプリを、天気は「お天気モニタ」アプリを利用した。

 TwitterとFacebookは新しい投稿が多いと読み込みが増えてしまい、Smartnewsも初回はニュースを巡回するので、いずれも表示に時間がかかってしまう。そこで各サービスとも、初回を含む5回分を計測した平均値を出した。より正確に測定するために、テスト前にアンインストール→インストールを行っている。テストは5月24日22時30分から24時にかけて、埼玉県東松山市の木造アパート屋内で実施した。

 結果は以下のとおり。

 どのサービスも、ナローバンド状態でもSNSは比較的ストレスなく使えそうだ。もっとも、「表示する写真が多くなければ」という条件が付くが。

 ニュースや天気に関しては、IIJ以外、初回はそこそこ時間がかかる印象を受けた。読み込みをしてから表示までいくぶん待つと思うのがいいだろう。ただ、実用面では使えるかなと判断できる。

 数値は出していないが、スマホをカーナビとして使うことも考え、「Google Map」とネットラジオサービス「radiko.jp」も試した。まずGoogle Mapだが、各社とも初回の読み込みには時間がかかると思いきや、通常の高速通信時とそれほど差を感じなかった。ナビゲーションが遅れてしまうこともなかった。

 radiko.jpは、どのSIMもまれに読み込み中になり、放送が途切れることがあったが、何とか使えるかな、という印象だ。

●IIJのバースト転送は威力あり

 アプリの更新や動画サービスの利用など、明らかにナローバンドに対して無理をさせる通信さえさせなければ、「そこそこ使える」という結論に達した。その中でもIIJの「初回通信75Kバイトまでは高速通信」は、文字主体のWebや、SNSで非常に大きな威力を発揮する。この仕組みはぜひとも他社も導入してほしい。

 モバイルブロードバンド全盛の中、わざわざ“モバイルナローバンド”を使おうという人は多くないかと思うが、「使いすぎて通信が遅くなってしまった! お金を払って通信速度制限を解除しよう」と思う前に、通信の内容を見直すことで、制限が解除されるまでの期間を問題なく過ごせるだろう。

 当然ながら、Wi−Fiや屋外でのWi−Fiスポットも活用することで、さらに快適になるのは言うまでもない。

[布施繁樹,ITmedia]

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