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“台湾の新星”ヤオ・アイニンインタビュー 日本映画初主演作『恋愛奇譚集』を語る

Real Sound のロゴ Real Sound 2017/02/05 株式会社サイゾー
© Real Sound 提供

 福島県天栄村を舞台にした恋愛映画『恋愛奇譚集』が2月4日に公開された。『ストロベリーショートケイクス』や『百瀬、こっちを向いて。』などの脚本作で知られる狗飼恭子が脚本を手がけ、『思春期ごっこ』の倉本雷大監督がメガホンを取った本作では、恋愛を信じない台湾人の高校生ユーウェンが、交換留学生としてやってきた福島県天栄村で出会った人々との交流を通して、成長していく模様が描かれる。リアルサウンド映画部では、2015年公開の台湾映画『共犯』で注目を浴びた“台湾の新星”ヤオ・アイニンにインタビュー。日本映画初主演となる彼女は、本作の出演を通して何を感じたのかーー。 ■「『意外と歳いってるんだね』とよく言われます(笑)」 ーー日本で劇場公開される出演作品は、2015年公開の台湾映画『共犯』に続いて2作目ですね。 ヤオ・アイニン(以下、アイニン):主演は今回の作品が初めてなのですが、実は『共犯』も最初は主演の予定だったんです。そのつもりで撮影に臨んだのですが、ミステリー性をより強めるために、編集段階で私の出演シーンが少なくなりました。『共犯』は初めて本格的な演技に挑戦した作品だったので、自分がどういう役割かを気にする余裕もなく、私自身もそこまで考えていませんでしたが、実際はもっとたくさんのシーンを撮影していました。 ーーでは、そこから演技の経験を重ねて、今回改めて“初主演”ということになるわけですね。 アイニン:しかも日本映画ということで、最初にお話をいただいたときはかなりドキドキしました。やっぱり言葉の壁があるし、そんな大役を自分が務められるのかという不安があって。なんで自分なんだろうとは思いつつも、是非やりたいなと。 ーー不安な気持ちと楽しみな気持ち、どちらのほうが強かったですか? アイニン:(日本語で)ワクワク! 『共犯』のプロモーションで来日した際に舞台挨拶などで「もっと日本で仕事がしたい」と言ったのですが、こんなに早く実現できるとは思ってもいませんでした。日本語もまだ上達していないのに、こんなに大きな役をいただけてとても嬉しかったです。もちろん不安な気持ちもありましたが、とてもありがたいことなので頑張ろうと思いました。共演者の方々もスタッフの皆さんも本当に親切で、私が言葉を100%わかるわけではないということを理解してくれた上で、簡単な日本語で声をかけてくれたりしたんです。なので、言葉の部分でそこまで苦労をしたことはありませんでした。ユリ役の福田麻由子さんともすごく仲良くなったんです! 撮影の最後には手紙もいただきました。内容は秘密ですけどね(笑)。 ーー『共犯』も『恋愛奇譚集』も高校生の役柄ですが、ヤオ・アイニンさんの実際の年齢は26歳なんですよね。 アイニン:そうなんです……。よく「意外と歳いってるんだね」と言われます(笑)。これまで演じてきた役柄もほとんどが学生の役でした。でもそれはエンターテインメントの世界にいるからこそできること。いつまでも好奇心を持って若い気持ちでいられるのは、この仕事をやる上ではいいことだと思っています。逆に私が実年齢の26歳の役を演じたら、歳相応に見えなくて説得力がなくなってしまうかもしれません。先日、自分と同じ年頃の社会人の役を演じたのですが、やっぱりちょっと幼く見えてしまいましたね。 ーー今回の作品は大きな枠組みでいうと恋愛映画ですが、いわゆる一般的な恋愛映画とはまったく異なる雰囲気を持った印象を受けました。 アイニン:私もそう思いました! かなり独特で、ジャンルとして説明できないような。ファンタジックでもあり、ミステリーの要素もあって、最初に脚本を読んだときは正直理解に苦しみました。でも、脚本を最後まで読みきったら、人と人とのコミュニケーションの話であること、たとえ魂や霊のような存在になっても、人として心を通わせることはできるんだということに気づき、とても素晴らしいメッセージだなと思いました。 ■「日本のマンガの実写化作品に挑戦したい」 ーー台湾から留学生として福島県の天栄村にやって来たユーウェンは、「恋愛している人はどこかバカに見える」と恋愛を信じない高校生です。自身と比べて共感する部分はありましたか? アイニン:他の国からやって来て、日本語が話せなくて、コミュニケーションが取れないことによって生まれる気持ちは近い部分がありました。私も日本で仕事をする上で、言葉がわからないというのはもちろんですが、日本の方々の仕事ぶりはとても厳しいという噂を聞いていたので、自分のやり方だと合わないのではないか、挫折するのではないかと思うこともありました。でも実際に日本に来てみると、皆さんとても親切で、優しく接してくれることを次第に理解していきました。ユーウェンも、最初はクラスメイトやホストファミリーとうまくコミュニケーションが取れなくて心を閉ざしてしまうけど、徐々にコミュニケーションが取れるようになって、みんなの気持ちを感じ取れるようになっていく。そこは私もユーウェンも同じだなと思いました。 ーー恋愛観についてはどうですか? アイニン:そこもユーウェンと似ています。私も昔、周りの人が恋に溺れているのを見て、バカバカしいと思うことがありました。ユーウェンは最初は自分が恋をしていることに気づきませんが、次第にその気持ちに気づいていって、最終的には恋をすることは奇跡なんだと信じるようになる。そこもまさに自分とまったく同じだったので、「まさにこれだ!」と思いました。 ーーキスシーンもありましたね。 アイニン:今までキスシーンの経験がなくて、今回が初めてだったんです。激しいキスではなくちょこっとだったので、今後のいい練習になったと思います(笑)。 ーー撮影が行われた福島の印象はどうでしたか? アイニン:最初に福島と聞いたとき、周りの人たちに話しても、私自身もそうなのですが、どうしても震災のイメージが湧いてしまいました。震災後のいまの福島の姿や、人々の生活を自分の目で見てみたいという気持ちもあったんです。実際に福島に行ってみると、震災の爪痕は一切感じませんでした。撮影が行われたのが内陸の方だったということもあると思いますが、風景がすごく綺麗で、皆さん元気で明るくて、食べ物もとても美味しかったんです。笑顔で溢れていて、すごくポジティブな印象を受けました。劇中、雨のシーンがあるのですが、映画の中のユーウェンと同じように、私自身も心が洗われた気持ちになりました。とても寒い日の夕方の撮影で、風も強かったので大変でしたけどね。 ーー台湾と日本で撮影の違いを感じることもあったのでは? アイニン:現場での流れはほとんど変わらないと思いますが、日本のほうがより細かく、ディテールまで丁寧に気を配る印象です。あとは役者さんへのケアの仕方ですね。台湾の場合、撮りたいものに関してはとことんこだわって話し合いを重ねていくのですが、役者さんの扱いに関しては日本ほど配慮はしていないかもしれません。あと、台湾では現場で思いついたこともどんどんやろうとしますが、日本だとそういうことはあまりないですよね。突然現場で変更が生じると、みんなが大変な思いをするし、おおごとのようになってしまうと思うんですけど、台湾ではよくあることなんです(笑)。でも映画に対する情熱はとても似ているので、そこまで大差ないと思います。 ーーちなみにヤオ・アイニンさんはどんな映画が好きなんですか? アイニン:映画が大好きなので、ジャンルを問わずにたくさん観ています。日本の映画だと、子供の頃から岩井俊二監督の作品が大好きで、最近は是枝裕和監督の作品が好きですね。ハリウッド映画はそこまで多くは観ませんが、ヨーロッパ映画やインド映画、もちろんホウ・シャオシェンなどの台湾ニューシネマも大好きです。 ーー今後挑戦したい役柄は? アイニン:いま一番やりたいのはマンガの実写化作品です。『金田一少年の事件簿』や『名探偵コナン』などの探偵ものや、『セーラームーンや』『ガラスの仮面』などの少女マンガが大好きで、昔から日本のマンガはよく読んでいるんです。最近は日本語の勉強をするために、普段から日本の映画やドラマもたくさん観るようにしています。日本で作られるマンガの実写作品は脚本もすごくよくできていて面白いですよね。いつかは日本の連続ドラマにも挑戦したいなと思っているのですが、そのためには日本語の上達が必要不可欠なので、もっと日本語を勉強して、早くその目標を叶えられるようにしたいです。(宮川翔)

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