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“質実剛健”で高コスパ、5万円で買えるWindows 8タブレット「Latitude 10」実力診断

2014/09/19

 ビジネス向けのWindows 8タブレットを個人向けにも販売

Windows 8を搭載した10.1型タブレット「Latitude 10」

 Windows 8の発売とともに、インテルが低消費電力のSoC(System On a Chip)であるAtom Z2760を投入したことで、ピュアタブレットスタイルのWindows PCが再び注目を集めている。ノートPCより軽いのはもちろん、iPadやAndroidタブレットと同じ感覚でWindows 8マシンを持ち歩いて軽快に利用できるのが魅力だ。タッチ操作に向くUI“Windowsスタイル”を使いやすいデバイスとして、今後Windows PCの有力な選択肢になる可能性を秘めている。

 そういったWindows 8タブレットの人気を受け、デルはビジネス向けモデルとして販売していた「Dell Latitude 10」を個人向けにも投入した。

 Latitude 10の個人向けモデルは、OSをWindows 8 ProからWindows 8に変更し(いずれも32ビット版/ProエディションもBTOで選択可能)、セキュリティチップを省いたモデルを用意するなど、仕様を変更しつつ、着脱可能なバッテリーといったビジネス利用に向く機能も残している。

 ラインアップは標準モデルのLatitude 10と、バッテリーの着脱に対応せず、Mini HDMI出力などの一部インタフェースを省いた下位モデルの「Dell Latitude 10 Essentials」を用意する。今回は標準モデルのLatitude 10を入手したので、性能や操作感をチェックしていこう。

黒で統一したシンプルなデザイン、豊富なインタフェース

 ボディデザインはシンプルだ。背面と側面の色はすべてブラックで統一しており、指紋が付着しにくく、全体的に落ち着いた印象を受ける。ボディの素材はマグネシウム合金で、ディスプレイに強化ガラス「Corning Gorilla Glass」を採用するなど、堅牢性も確保している。

 ボディのサイズは横位置で274(幅)×176.6(奥行き)×10.5~13.4(厚さ)ミリ、重量は約658グラムだ。実測値は691グラムで、公称値よりもやや重かった。本製品と同じ10.1型のWindowsタブレットには、「ARROWS Tab Wi-Fi QH55」や「ThinkPad Tablet 2」のような500グラム台の製品があるだけに、それらと比べると少し重く厚みもあるように思えるが、ビジネス向けのWindows 8タブレットでは標準的(例えばHPのElitePad 900は約680グラム)であり、9.7型の液晶ディスプレイを搭載するiPad(第3世代のWi-Fiモデルは652グラム)ともあまり変わらない重さだ。

縦位置で持つときは、電源ボタンに手が触れないようWindowsボタンが右になる方向にするといい(写真=左)。背面の色はブラックだ。上部にLEDフラッシュ付きのカメラを備える。中央部分はバッテリーだ。下部にあるレバーで簡単に取り外せる(写真=右)

 本製品はさまざまなインタフェースをそろえたところも見逃せないポイントだ。横位置に構えて、上面の右側にSDXC対応SDメモリーカードスロット、右側面にUSB 2.0(Standard A)とヘッドフォン/ライン出力、Mini HDMI出力、そして下面に充電とデータ転送に対応するUSBポート(Micro-B)を備える(USBホスト機能はない)。

 また、USBポートもそうだが、標準サイズのSDメモリーカードを使えるのはWindowsタブレットとしては珍しく、変換コネクタなしでSDメモリーカードやUSB接続のキーボード、マウス、外付けドライブといったUSB機器を利用できるのはうれしい。Webカメラは200万画素のインカメラと800万画素のアウトカメラを備え、通信機能はIEEE802.11a/b/g/n準拠の無線LANとBluetooth 4.0+LEを標準で装備する。もともとビジネス向けの製品なので、TPM 1.2のセキュリティチップやセキュリティスロットの搭載といった盗難防止への配慮も見られる。

上面には電源ボタンと画面回転ロックボタン、そしてフルサイズのSDメモリーカードスロット(SDXC対応)を(写真=左)、下面には充電コネクタとMicro USB(Micro-B)を備える(写真=右)。Micro USBは充電とデータ転送両方に対応するが、下位モデルのLatitude 10 EssentialsはUSB経由の充電に対応しないので注意が必要だ

 

左側面には音量ボタンとセキュリティロックスロット(写真=左)、右側面にはヘッドフォン/ライン出力、USB 2.0とMini HDMI出力を配置する(写真=右)。ちなみに、各ボタンは誤動作を防ぐために堅めになっており、やや強く押す必要がある

 

同じく10.1型ワイド液晶ディスプレイを搭載するWindows 8タブレット「ThinkPad Tablet 2」と大きさを比較した。Latitude 10の方が液晶ベゼルが広く、一回り大きい(写真=左)。ThinkPad Tablet 2(9.8ミリ、右側)よりもLatitude 10の方が厚いが、その分豊富なインタフェースをそろえる(写真=中央)。5ボルト1アンペア出力のモバイルバッテリーでも充電できた。充電速度は1時間あたり5%程度だったが、緊急時の予備バッテリーとして使える(写真=右)


10.1型IPS液晶にはワコム製デジタイザも搭載

 10.1型ワイド液晶ディスプレイは、1366×768ドット表示に対応する。白飛びが多少気になるものの、最大輝度は450カンデラ/平方メートルと明るく、色も鮮やかだ。表面は光沢仕上げだが、最大輝度での映り込みはあまり気にならなかった。

 このディスプレイに5点マルチタッチ対応のタッチパネルを内蔵する。指のすべり具合や感度が特別よいわけではないが、指の動きに画面の描画は滑らかに追従し、操作は快適だ。ただ、ガラス面は指紋が残りやすく、タッチ操作を繰り返すことで汚れが目立ってしまう。

 

1366×768ドット対応の10.1型ワイドディスプレイに、5点マルチタッチのタッチパネルを内蔵する


 Latitude 10では、1024段階の筆圧検知に対応した電磁誘導式デジタイザによるスタイラスペン入力に対応しており、オプションでワコム製のスタイラスを用意する(3150円、下位モデルのEssentialsは非対応)。10.1型ワイドの画面サイズで1366×768ドットとディスプレイの解像度はあまり高くないものの、デスクトップモードでは細かいボタンを押すときなど、タッチ操作が難しい場面が多い。細かい操作をする、手書きのメモを取るといった用途で使うならば、本体と合わせて購入するといい。

 内蔵ステレオスピーカーは背面下部の左右に備える。出力は1ワット+1ワットで音質も悪くないが、Windowsボタンが正しい向きとなる横位置に構えてタブレットを持つと、スピーカーが手でふさがってしまうところは少し気になった。


オプションでドッキングステーションを用意オプションでドッキングステーションを用意

オプションのドッキングステーションは、本体と合わせて購入したいところだ。ちなみに重量は実測で814グラムとどっしりしている

 Latitude 10には、オプションでドッキングステーションが用意される。4基のUSB 2.0ポートとHDMI出力端子、ギガビット有線LANポートを備えており、簡単にキーボードやマウスが接続できるほか、大画面のディスプレイに出力して使うことも可能になる。安定した通信速度を確保できる有線LANを利用できるところも、うれしい機能だ。

 Windows 8のデスクトップアプリを利用するにはキーボードやマウスが利用できたほうが断然便利だ。デスクトップモードも使うのならば、このドッキングステーションは必須といえる。これを使えば、机の上ではノートPCあるいはデスクトップPCのような感覚で利用しつつ、いつでもサッと持ち出せる。価格は1万2980円と決して安くはないが、本体価格が5万4980円からとお手ごろなので、本体と合わせて購入を検討してほしい。

 

前面にはUSB 2.0×1とヘッドフォン/ライン出力を(写真=左)、背面にはUSB 2.0×3とHDMI出力、有線LANポートを配置する(写真=中央)。キーボードやマウスを接続して、ノートPCのように使える(写真=右)

 

スタンドの角度は約70度で変えられない(写真=左、中央)タブレットを取り外しやすいよう、コネクタは手前に傾くようになっている(写真=右)。


性能はClover Trail搭載機として標準的

 Latitude 10の基本スペックは、CPUがClover Trailの開発コード名で知られるAtom Z2760(1.8GHz)、メモリはLPDDR2で容量2Gバイト、ストレージは64GバイトSSDとなる。これらの仕様はBTOで変更できない。Windows 8搭載の薄型軽量タブレットとしては、標準的なスペックといえる。

 購入時に仕様を変更できるのは、バッテリーやオフィスソフトのほか、スタイラスペン、外付けDVDドライブ、ドッキングステーションといった周辺機器のオプションだ。標準のOSは32ビット版Windows 8だが、BTOでProエディションを選択できる(プラス5040円、英語版も選択可能)。

デバイスマネージャでLatitude 10の構成を確認した

 それでは、ベンチマークテストの結果を見ていこう。性能面のテストに関しては、同じくAtom Z2760を搭載する「ARROWS Tab Wi-Fi QH55」や「HP ENVY x2」と同等の結果となった。

 実際の使用感はまずまずだ。Coreプロセッサー・ファミリーを搭載するUltrabookなどと比べればもちろん見劣りするが、WebブラウズやWindowsストアアプリの操作はストレスなく行える。ただ、写真や動画の読み込みがもたつく場面があるところは惜しい。

Windowsエクスペリエンスインデックスのスコア(画面=左)と、CrystalDiskMark 3.0.2のスコア(画面=右)

 
 
 
 
 

PCMark 7のスコア(グラフ=左)と、3DMark06のスコア(グラフ=右)。ARROWS Tab Wi-Fi QH55(直販モデルのARROWS Tab Wi-Fi WQ1/Jのデータを使用、店頭モデルとスペックは同じ)やHP ENVY x2と比較したが、スコアはほぼ同等だ

バッテリーは着脱可能、動作時間は9時間以上

バッテリーは簡単に取り外せる。オプションで通常の2倍となる60ワットアワーのバッテリーも用意する

 バッテリーは着脱可能で、裏面のロックレバーを外すと簡単に取り外せる。長期間製品を使用すれば、バッテリーの劣化(容量低下)は避けられない。ユーザーによる着脱を可能としているところはビジネス向け製品から引き継いだ特長として評価したい。デルのWebページでバッテリーの単体販売も行っている(2セルは3979円、4セルは5288円)。

 また、標準で本体に付属するのは容量30ワットアワーの2セルバッテリーだが、BTOカスタマイズで60ワットアワーの4セルバッテリーに変更可能だ(プラス2100円)。重量が150グラムほど増え、背面が5ミリほど出っ張るが、外出先での使用が多いなら検討する価値はある。

 バッテリー動作時間は、BBench 1.01(海人氏・作)を利用し、タブレット単体で測定した。BBenchの設定は「60秒間隔でのWeb巡回(10サイト)」「10秒間隔でのキーストローク」、WebブラウザはInternet Explorer 10(32ビット)を指定し、タブブラウズはオフに設定、本体は無線LAN常時接続、Bluetoothオン、画面輝度の自動調整をオフ、電源プランは「バランス」で、バッテリー動作時のディスプレイの輝度は40%に設定した。

 

ACアダプタのサイズは88(幅)×35(奥行き)×26(高さ)ミリと小型だが、ケーブルは3ピンなので持ち運ぶ場合はかさばる

 この条件で、バッテリー満充電の状態から残量5%で休止状態に移行するまで9時間21分だった。バッテリー動作時間の公称値は非公開だが、タブレットとして非常に優秀な動作時間を達成しているうえ、輝度を下げて動作時間を延ばすこともできる。それでも足りないならば、容量が2倍になる大容量バッテリーをBTOカスタマイズで選択すればいい。

 ボディの発熱については、しばらく使っていても熱くなる感覚はなく、ほとんど気にならない。ペンチマークテスト実行中など、高い負荷がかかると背面が少し温かくなるが、最高でも室温23度の環境で約31度だった。

 

コストパフォーマンスに優れる質実剛健なWindows 8タブレット

  Latitude 10の直販価格は最小構成で5万4980円だ。下位モデルのLatitude 10 Essentialsの最小構成価格は4万9980円とこちらも魅力的だが、5000円でMini HDMI出力や、Micro USB経由の充電、ペン操作の対応といった機能も加わると考えれば、標準モデルの方を勧めたい。

 デスクトップモードを頻繁に使うユーザーは、ドッキングステーションの追加が必須だ。そのほか、細かい作業の操作性向上や筆圧検知の手書き入力を求めるならばスタイラスペン、外で長時間使いたい場合は大容量バッテリー、仕事にも活用するにはOffice 2010と、利用スタイルに応じてカスタマイズするとよいだろう。例えば、ドッキングステーションとスタイラスペンをつけても7万1110円に収まる。Windows 8タブレットでは、タブレット単体で7万円以上の製品も多いなか、Latitude 10は本体の価格が比較的安いため、オプションを付けても割高な印象はあまり受けない。

 Latitude 10はよくも悪くもビジネスユースの性格を強く残したWindows 8タブレットである。Windows 8タブレットとして、持ち運ぶ際に重要となるボディの重量や厚みにアドバンテージはないものの、標準サイズのUSB、SDメモリーカードスロットといった実用優先のインタフェース、取り外し可能なうえ、実際のテストで10時間に迫るロングライフのバッテリー、USB/HDMI/ギガビットLAN付き専用クレードルの提供といった強みは魅力的だ。

 最後に、質実剛健な仕様と5万円からという求めやすい価格は、いかにもデルのビジネス向け製品らしく、仕事にも使えるWindows 8タブレットという観点で、その完成度を評価したい。“せっかくWindows 8が入っているわけだし、プライベートでも仕事でも使いたい”というユーザーは必ずチェックしておくべき製品だろう。

 

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