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“集中度”を可視化して生産性向上を裏付ける 「JINS MEME BUSINESS SOLUTIONS」の提供を開始

ITmedia エンタープライズ のロゴ ITmedia エンタープライズ 2017/01/19
“集中度”を可視化して生産性向上を裏付ける 「JINS MEME BUSINESS SOLUTIONS」の提供を開始: JINS MEMEでまばたきを検出 © ITmedia エンタープライズ 提供 JINS MEMEでまばたきを検出

●目は口ほどにものを言う

 独自に開発した眼電位センサーとジャイロセンサーを搭載したジェイアイエヌのスマートアイウェア「JINS MEME」は、目の動きやまばたき、そして頭の動きなどが検出できるメガネだ。JINS MEMEでこの目や頭の動きを検知し、スマートフォンアプリ「JINS MEME OFFICE」と組み合わせると、装用者の“集中”の度合いをグラフ化できるというユニークな特徴を持つ。

 「集中している状態」の明確な定義はないが、ジェイアイエヌでは頭の中を1つのことに専念させられている状態と規定。人間は集中するとまばたきの回数が減り、姿勢の変化も少なくなることが研究で分かっていることから、まばたきが少なく、姿勢が安定している状態を、「集中している」と判定する。

 実際には、頭と心、体の状態を100点満点で数値化し、この3つの点数の平均が60点以上だと集中していると判断、80点以上は「Flow」という超集中状態としている。アプリを試した感じでは、頭がまばたきの回数、心は目の動き、体が頭の動きを元にした数値となっているようだ。

 JINS MEME OFFICEは、iOS版がAppStoreで公開されており、JINS MEMEを持っていれば実際に試してみることができる。毎日の集中度を測って記録をためていくと、自分が集中しやすい時間帯や、何によって集中を妨げられているのか、といったことも見えてくる。アプリの公開から半年が経過し、5000時間分のビッグデータが集まっているといい、現在はチームや人によって異なる集中の傾向を分析しているという。

 さらに集団の集中が可視化できると、生産性がちゃんと上がっているのか、といったことが見えてくる。例えばオフィスでフリーアドレス制を導入する前と後でJINS MEMEで集中度を計測すると、効果の有無が分かる。あるいは人によって違うとされる集中しやすいタイミングが、フレックスタイム制でどれくらい効率化されているかなども可視化できる。

 JINS MEMEの開発担当、井上一鷹氏は、こうしてチーム単位や部署単位で集中を可視化することで、生産性をより高くすることが可能なはずだと話す。

 「チームごとなどに集中度を見てみると、例えばエンジニアのチームは午後から夜にかけて集中力が上がっていったりします。また(ジェイアイエヌの)社内で検証したときは、午前中の集中力が高く、徐々に下がっていくといった傾向が見られました。人によって集中する時間帯や、集中できる時間帯は違います。ですから、全員が朝9時に出社して仕事をするのは、生産性や集中力の観点から言うと、正しくないのかもしれません。月曜日に全然集中できないチームは、いっそ週末は3連休にして、残りの4日間を頑張らせるとか、そういう方法も考えていく必要があるのではないかと考えています。チームの傾向を可視化するようなソリューションは、今後提供していきたいと考えています」(井上氏)

 なお2月にはJINS MEME OFFICEのApple Watchアプリもリリース予定だ。このアプリでは、集中度から休憩を取るべきタイミング「Breakpoint」を通知する機能も備えるという。

●可視化されたデータを活用するBUSINESS SOLUTIONSを提供

 JINS MEMEで集中が可視化できるようになったことから、新たにビジネスシーンでこれを活用するためのソリューションの提供も開始する。それが「JINS MEME BUSINESS SOLUTIONS」だ。従業員の集中度を可視化してコミュニケーションをスムーズにする機能の実装や、「マインドフルネス」と呼ばれる、仏教の禅の考え方や瞑想をベースとした、集中力向上やストレス軽減につながるとされるプログラムの実施などを、JINS MEMEでサポートする。

・Phone Appli「コネクテッドオフィスワーカー」

 テレワークの支援などに活用されているPhone Appliの「“働き方改革”テレワーク支援サービス −コネクテッドオフィスワーカー−」は、JINS MEMEで計測したチームメンバーの集中度をアイコンで示し、コミュニケーションの際の参考情報とする。

 コネクテッドオフィスワーカーは、Webベースの電話帳アプリケーションで、バラバラに管理されている取引先や社内の連絡先に関する情報を管理できる、企業内のコミュニケーションポータルを担うサービスだ。現在約350社が導入しているという。

 通常は、従業員の出社状況や座っている場所などが参照でき、必要に応じてチャットや電話などでワンボタンでコミュニケーションが取れる。コネクテッドオフィスワーカーとJINS MEMEのデータを連係させると、メンバーの集中度が分かるようになる。集中しているときには電話をしたりチャットで話しかけたりしないように配慮したり、集中力が落ちているときは声をかけたりと、「監視ツールではなく、個人にとってポジティブなソリューションにしたいですね」とPhone Appli 代表取締役社長の石原洋介氏は話した。

・コネクシオ「“働き方改革”アセスメント・サービス」

 コネクシオが提供する「“働き方改革”アセスメント・サービス」は、その名の通り働き方改革のために実施したさまざまな施策の効果を、JINS MEME OFFICEで測定し、結果をレポートするサービス。フレックスタイム制度やテレワーク、フリーアドレスなどの策がどの程度効果的だったかを数値化でき、着実に生産性を上げられる仕組みや組織作りに役立てられる。4月3日に正式サービスを開始予定で、現在は特設ページからモニター(5社)を募集している。

・インナーコーリング「cocokuri」

 エン・ジャパングループのインナーコーリングは、マインドフルネスを使って集中力を向上させる研修を提供する。企業向けに実施するソリューション「cocokuri」で提供するこのトレーニングは、マインドフルネスを通じて得られる集中力をJINS MEMEで可視化し、自分自身の集中状態への理解を深める研修プログラムとなっている。集中力を身に付け、心的耐久力(折れない心でやり抜く力)、社会的知力(人と社会を思いやる力)、創造的知力(イノベーション思考力)をみがく。

 マインドフルネスは、米国発のプログラムだが、日本のビジネスパーソン向けに、八正道を取り入れたものにアレンジ。浄土宗光琳寺 副住職の井上広法氏をコーチに迎え、マインドフルネスの習慣化を図り、こころのスキルアップを実現するためのアフターフォローも行う。

●生産性向上の裏付けに

 2015年11月の発売から1年少々が経過したJINS MEMEは、眼電位センサーという、他に類のないユニークな機能を持った製品だ。これまでランナー向けやドライバー向けなど、興味深い利用シーンがいくつか提案されてきたが、まだキラーアプリケーションと呼べるものは登場していない。取得したデータをどう活用するかについては、まだまだ進化の余地がある。

 そんな中、「集中」をキーワードに、パートナー企業と複数のソリューションを提供することになった今回の発表は、「生産性の向上」という漠然としたテーマのデータ的な裏付けになり得、ビジネスに新たな気付きや変革をもたらす可能性がある。ジェイアイエヌの田中仁社長は、JINS MEMEの発表会で「いずれこの眼電位センサーがすべてのJINSのメガネに標準搭載されるようになる」と宣言した。自然にかけられるメガネが、さりげなくコミュニケーションに役立ったり、自分の生産性向上や体調管理に活用できたりする未来は面白そうだ。

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