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“Ultrabook並み”のハイスペックなタブレット――「ICONIA W700D」でWindows 8を満喫する

2014/09/19

Core i5搭載の"サクサク"Windows 8タブレット登場

 「ICONIA W700D」は、日本エイサーのタブレットブランド「ICONIA」シリーズの最上位モデルとなるWindows 8タブレットだ。同時期に発表された「ICONIA W510」がCPUにAtom Z2760(1.8GHz)を採用するのに対し、本機はフルHD表示(1920×1080ドット)に対応した11.6型ワイド液晶ディスプレイを備え、CPUにCore i5を搭載するパワフルなスペックと、カバー一体型のBluetoothキーボードが付属する点が大きな特徴だ。気になる性能や使い勝手を検証していこう。

 ボディの重量は約950グラムだ。Core i5を搭載するだけあって、Atom Z2760搭載のWindows 8タブレットと比べるとかなり重い。やや大柄で厚みもあるが、剛性感が高くガッシリとした印象を受ける。背面にはきめ細かな明るいシルバーの塗装が施してあり、華やかな高級感を演出している。横位置の状態で本体サイズは295(幅)×191(高さ)×11.9(厚さ)ミリと、11.6型のタブレットとしては標準的なフットプリントだ。

Core i5を搭載するWindows 8タブレット「ICONIA W700D」(写真=左)。金属製ボディは表面仕上げも丁寧で高級感がある。ボディサイズは295(幅)×191(高さ)ミリと、11.6型という画面を考えれば標準的ではあるが、10型クラスのタブレットと比べるとかなり大きく感じる。厚さは11.9ミリで、重量は約950グラムだ(写真=右)


 本体には2基のUSB 3.0のほか、Micro HDMI出力、ヘッドフォン/ライン出力共用端子などを搭載し、Webカメラは前面と背面(500万画素)の両方に装備している。OSは64ビット版Windows 8をプリインストールする。Windows 8を利用する上でUSB 3.0に対応した点は大きなアドバンテージだが、メモリカードスロットが搭載されていない点は少し残念だ。

 本体内蔵のバッテリー容量は54ワットアワーで、バッテリー動作時間の公称値は約9時間となっている。多くのタブレットと同様に、ユーザーによるバッテリーの着脱はできない。付属のACアダプタは、実測のサイズが65(幅)×90(奥行き)×22(厚さ)ミリとスリムだが、ACケーブルが3ピンでかさばるのが難点だ。重量は実測で312グラムとやや重い(ACケーブル込み、アダプタ自体は207グラム)。

上面には排気口と画面回転ロックボタンを配置する(写真=左)。底面の左右にステレオスピーカーを搭載する。音質補正/サラウンド設定が行える「ドルビーホームシアター v4」に対応しており、音質も悪くない(写真=右)


左側面は上から(写真では左側)Micro HDMI出力、USB 3.0、電源入力がある(写真=左)。右側面は上から(写真では右側)から電源ボタン、音量調整ボタン、ヘッドフォン/マイク兼用端子を備える(写真=右)


付属のACアダプタのサイズは実測で65(幅)×90(奥行き)×22(高さ)ミリ。スリムでおさまりのよいフォルムだが、ACケーブルが3ピン仕様でかさばるところは惜しい。重量を計ったところ、ACケーブル込みで312グラム、ACケーブルなしで207グラムだった(写真=左)。画面出力用にMicro HDMIポートを装備しており、アナログRGB変換アダプタが付属する(写真=右)



使い勝手のよいキーボード付きカバー

ICONIA W700DはBluetooth接続のキーボードを搭載したカバーが標準で付属する

 ICONIA W700DにはBluetooth接続のキーボードを搭載したカバーが標準で付属しており、カバーに固定されているシリコンケースにボディをはめこんで利用する。専用のオプションだけあって、端子やボタンはカバー(シリコンケース)を装着したままでも使える。強いて難点を挙げるなら、電源ボタンが少し押しにくいことくらいだろうか。本体の画面とキーボードが直接接触しないよう、キーボードの四隅にゴムクッションを配置しているところもよい。

 カバーの表面はベージュ系の落ち着いた皮系素材が使われており、心地よく手になじむ感触がある。カバーを閉じると高級な文房具のような雰囲気で、ビジネスシーンにも違和感なく使えそうだ。キーボード付きカバーの重量は実測で597グラムで、本体を装着した状態では1536グラムになる。かなり重くなってしまうが、タブレット単体で持ち運ぶ以外の方法が用意されている点は大きなメリットといえる。

 Bluetoothキーボードの奥に溝があり、端末を立てることでスタンドにもなる。画面の角度は(水平に対して)約120度に固定される。視野角の広いIPS液晶を採用しているので、机などの上で利用するぶんには角度を調整できなくとも不都合はない。安定感もあり、例えば新幹線の車内などでもテーブルさえあれば多少揺れても倒れることはないと思われる。

カバーの表面はベージュ系の落ち着いた皮系素材が使われている(写真=左)。カバーに固定されているシリコンケースにボディをはめこみ利用する(写真=右)


 キーボードの配列は、同社製品でよく見られる独特の5段配列だ。標準的な6段配列からファンクションキーなどがある段を省いている。ファンクションキーは、Fnキーと最上段にある数字キーとの同時押しで対応するが、日本語IMEを利用する際にはファンクションキーを多用するだけに惜しいところだ。

 キーの数が少ないぶんキーピッチには余裕があり、19ミリ(横)×18(縦)ミリを確保している。キーボードが薄いぶん、キーストロークは浅いが、浅いなりにタッチ感も悪くない。ただし、スペースキー、Enterキーといった大きなキーは安定感がいまひとつで、カチャカチャとした音も気になった。

キーボードは独立ファンクションキーを省いた変則的な5段配列だ。半角/全角キーは3段目、Delキーが5段目にある。段数が少ないぶんキーピッチは実測で約19(縦)×18(横)ミリと余裕があるが、ファンクションキーは日本語IME利用時に多用すると思われるだけに好みは分かれそうだ(写真=左)。キーボード奥の溝に端末を立てることで、安定感のあるスタンドになる。画面の角度は約120度で固定される(写真=右)


キーボードの奥には電源ボタンとインジケータがある(写真=左)。側面の奥には充電用のmicroUSBコネクタがあり、付属のケーブルで本体から充電できる(写真=右)

 


Ultrabook並のパワフルな基本システム

 ICONIA TAB W700Dはタブレットでは珍しく、最近の一般的なUltrabookと同様に、超低電圧版のIvy Bridge/Chief Riverプラットフォームを採用しているのも特徴だ。CPUは2コア4スレッド対応のCore i5-3337Uを搭載している。基本動作クロックは1.8GHzだが、Intel Turbo Boost Technology 2.0により、高負荷時は最大2.7GHzまでクロックが向上する。

 グラフィックス機能はCPU内蔵のIntel HD Graphics 4000を利用し、メモリはPC3-10600 SDRAMを4Gバイト搭載している。デュアルチャンネルアクセスによりメモリアクセスを高速化している点は見逃せない。データストレージはSerial ATA 6Gbpsに対応する容量128GバイトのSSDを採用し、評価機のデバイスマネージャでは「TOSHIBA THNSNS128GMCP」が搭載されていた。通信機能はIEEE802.11a/b/g/n準拠の無線LANと、Bluetooth 4.0を標準装備する一方で、有線LANポートは搭載していない。

CPU-Zによる情報表示。CPUはCore i5-3337Uを搭載する。デュアルコアでHyper-Threadingに対応しており、4スレッドの同時実行が可能だ。定格クロックは1.8GHzでIntel Turbo Boost Technology 2.0により、高負荷時は最大2.7GHzで動作する。TDPは17ワットだ(写真=左、中央)。エイサーの製品ページにはメモリがDDR3 SDRAMの4Gバイトという以外の情報は記載されていない。CPU-Zの情報を見る限りスピードグレードはDDR3-1333(PC3-10600相当)で、デュアルチャンネルアクセスに対応しているようだ(写真=右)


デバイスマネージャでICONIA TAB W700Dの仕様を確認した。ストレージは東芝製の「TOSHIBA THNSNS128GMCP」と表示された


フルHD表示に対応した明るい液晶ディスプレイを搭載

11.6型ワイド液晶ディスプレイはフルHD表示(1920×1080ドット)に対応する。色味にくせがなく、見た目の印象は良好だ

 液晶ディスプレイのサイズは11.6型ワイドで、画面の表示解像度は1920×1080ドットだ。画素密度は190ppi(pixel per inch:1インチあたりのピクセル数)で、ドットが目立たない高精細な表示が楽しめる。広視野角のIPSパネルを採用しているため、見る角度を変えても色味などの変化が少なく、横位置でも縦位置でも快適に利用可能だ。最大輝度は350カンデラ/平方メートルととても明るい。明るくするとわずかに白っぽさを感じるものの、色味もくせがなく見た目の印象は良好だ。

 このディスプレイに10点マルチタッチ対応のタッチパネルを搭載しており、指で画面に直接触れて操作できる。タッチパネル表面の指の滑りや感度、タッチ精度はいずれも良好だ。指紋もつきにくい部類に入ると思われる。

 本体の底面にはステレオスピーカーを装備している。ドルビーホームシアター v4に対応しており、エンターテインメントコンテンツも迫力ある音質で楽しめる。

フルHD対応のディスプレイに10点マルチタッチ対応のタッチパネルを搭載する。タッチパネル表面の指の滑りや感度、タッチ精度はいずれも良好だ(写真=左)。広視野角のIPSパネルを搭載しているため、縦位置でも快適に利用できる(写真=右)

 


ハイレベルなパフォーマンスを実証

 それではベンチマークテストを行おう。スペックを改めて確認すると、CPUがCore i5-3337U(1.8GHz/最大2.7GHz)、メモリは4Gバイト、ストレージは128GバイトのSSD、グラフィックスはIntel HD Graphics 4000、OSは64ビット版Windows 8という内容だ。

 Windowsエクスペリエンスインデックスではプライマリハードディスクの優秀なスコア(8.1)が目立つ。SSDの性能はCrystalDiskMark 3.0.2でも確認した。シーケンシャルリードが445.2Mバイト/秒、シーケンシャルライトが372.2Mバイト/秒とタブレットはもちろん、Ultrabookを含めてもトップクラスの性能といえる。

Windowsエクスペリエンスインデックスのスコアは5.4だ。プライマリハードディスクのスコアが8.1と特に高い(写真=左)。CrystalDiskMark 3.0.2でSSDの性能を調べた。シーケンシャルリード/ライトの性能はタブレットはもちろん、Ultrabookを含めてもトップクラスの性能といえる(写真=右)


 一般的なUltrabookに比べてフォームファクタが小さいだけあって、CPU(内蔵GPU含む)のTurbo Boostの効き具合は若干控え目になっているようだ。それでも高速SSDを搭載しているため、PCMark 7のスコアはSSDを搭載したUltrabookと比べても遜色ない。3D系テストのスコアも、過去にレビューしたCore i5-3427U(1.8GHz/最大2.8GHz)を搭載するWindows 8タブレット「FMV STYLISTIC WQ2/J」を上回っている。

 過去にレビューしたUltrabookから近いスペックを探すと、Core i5-3317U(1.7GHz/2.6GHz)を搭載した「VAIO Tシリーズ13」の2012年秋冬モデル(SVT13129CJS)がある。ストレージが影響するPCMark 7ではこれに完勝しているが、ストレージの影響がほとんどない3D系テストではこれよりも1~2割少ないスコアとなっている。

 とはいえ、Atom Z2760(Clover Trail)搭載のWindows 8タブレットとは比べものにならない性能を持っていることは間違いない。Ultrabookと同様に写真や動画の編集なども十分対応可能だ。Atom Z2760タブレットとの快適さの違いは、特に重い処理をさせなくとも、体感ではっきりと実感できる。

PCMark 7のスコア(グラフ=左)。3DMark Vantageのスコア(グラフ=中央)。3DMark06(1024×768)のスコア(グラフ=右)。「VAIO Tシリーズ13」の2012年秋冬モデルや、本機と同じく第3世代Core i5を搭載するWindows 8タブレット「FMV STYLISTIC WQ2/J」と比較した


バッテリーは実動7時間、放熱設計も優秀

 バッテリー動作時間は海人氏のBBench 1.01で測定した。無線LANで常時接続し、Bluetoothオン、電源プランは「バランス」を使用した。本製品はバッテリー動作時の液晶ディスプレイの輝度が30%であったが(多くのノートPC/Ultrabookは40%をデフォルト)、30%でも一般的なUltrabookの40%設定と同等の明るさはあると判断できたためそのまま測定した。

 BBench 1.01の設定は「60秒間隔でのWeb巡回(10サイト)」「10秒間隔でのキーストローク」、ブラウザはInternet Explorer 10を指定し、タブブラウズはオフに設定した。この条件でのテスト結果は、バッテリー満充電の状態から残量5%で休止状態に移行するまで7時間10分動作した。公称の約9時間よりは短かったが、タブレットデバイスとして実用十分以上の動作時間といえる。

 平常時の動作音は静かで、アイドル時や低負荷時はあえて耳を近付けても聞こえるかどうかという程度だ(32~33デシベル)。CPUや内蔵GPUに高い負荷をかければファンが回転していることがはっきり分かる音はするが、気になるほどではなく、静粛性は高いレベルにある。3DMark Vantage実行中でも騒音は36デシベルだった。

 発熱は上面の排気口付近が中心だが、そのあたりを触れても熱いという感覚はない。最大でも32度(室温22度)で、そのほかの場所は28~29.5度ほどだった。ボディを持つときに(特に縦持ち)排気口をふさがないように注意する必要はあるが、熱さは気にならならず、放熱はかなり優秀といえる。もちろん、カバー搭載のキーボードには本体の発熱はまったく伝わらない。

スペックも価格も欲張りなWindows 8タブレット

 ICONIA TAB W700DはフルHDのIPS液晶にCore i5、高速SSD、USB 3.0ポート、そして64ビット版のWindows 8とUltrabookに近い豪華な装備を備えており、バッテリー動作時間や静音性も優秀だ。Bluetoothキーボードを搭載した専用のスタンド兼カバーも付属すれば、クラムシェル型のUltrabook/ノートPCのようにも利用できる、実に欲張りなタブレットといえる。これだけの内容で実売価格は9万円前後と、実に買い得感が高い。

 重量約950グラムのWindows 8搭載タブレットというとニッチな存在のようにも思えるが、明るくきれいな高画素密度の液晶ディスプレイを搭載し、キーボードを切り離せば約950グラムで携帯できるUltrabook......と考えれば、グッと魅力的に思えてくるのではないだろうか。キーボード入力に強いこだわりがあり、変則配列のキーボードが受け入れられない、という方でなければ、Ultrabook/モバイルノートPCを検討しているユーザーにもおすすめできる製品だ。

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