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“X待ち”の影響は? BCNが「iPhone 8/8 Plus」の5日間の販売台数を分析

ITmedia Mobile のロゴ ITmedia Mobile 2017/09/28
“X待ち”の影響は? BCNが「iPhone 8/8 Plus」の5日間の販売台数を分析: 調査結果の概要 © ITmedia Mobile 提供 調査結果の概要

 9月22日に発売された「iPhone 8」と「iPhone 8 Plus」。取り扱う大手キャリアは例年通り旗艦店で記念イベントを開催し、自社の強みを積極的にアピールした。

 ただ、2017年は“3機種目”としてiPhone初の要素を複数持つ「iPhone X」が同時に発表された点が例年とは異なる。後からさらに機種が追加されることが明らかな状況が、先行する2機種の販売動向に大きな影響を与える可能性があるのだ。

 そんな中、BCN(東京都千代田区)が9月22日から26日までのiPhone 8/8 Plusの初動販売を分析(※1)。9月28日、報道関係者に結果を説明した。説明を担当したのは、同社でチーフエグゼクティブアナリストの道越一郎氏。

 “X待ち”による買い控えも予想されていたiPhone 8/8 Plus。果たして、5日間の“初動”はどうだったのだろうか。

※1 分析対象は全国の家電量販店やWeb通販サイト(2017年9月現在で23社・2608店舗)のPOSデータ。メーカー直販やキャリアショップでの販売分は調査対象外となる

●2013年からスマホ市場は「ほぼ足踏み」 iPhoneも2015年から足踏み傾向

 同社の統計によると、直近のスマートフォンの販売台数は2008年7月(「iPhone 3G」の発売月)から約11倍に伸びている。しかし、携帯電話の総販売台数に占めるスマホの割合や販売台数は2013年から「横ばい」あるいは「微増」の頭打ち状態が続いている。道越氏は、その主な原因は「スマホ需要の一巡」と「0円販売の自粛(総務省主導の販売奨励金規制)」にあるという。

 ただ、iPhoneは成長の鈍化が遅れて表れた。2013年9月にNTTドコモがiPhone販売を開始したことによって、キャリア間で販売競争が激化し、販売奨励金が大きく積み増されたからだ。販売競争の効果は大きく、2013年から2014年まではiPhone販売の「黄金期」となった。

 しかし、2015年に入るとiPhoneも売れ行きが鈍り始めた。その理由の1つとして、道越氏は手ごろなSIMロックフリースマホのラインアップが充実したことを挙げる。ただし、直近1年間のSIMロックフリースマホの台数シェアは多い月で26%程度であり、携帯電話の総販売台数を底上げする規模感に達していないことも合わせて指摘した。

●低調なiPhone 8/8 Plusの初動 しかしPlusは好調

 iPhone 3Gの初動販売台数を「1」とした場合、同社の統計におけるiPhone 8の初動は「2.14」、iPhone 8 Plusの初動は「0.78」で、両機種合計で「2.92」となった。去年(2016年)の「iPhone 7」「iPhone 7 Plus」の合算で初動が「4.23」だったことを考えると、初動台数は31%ほど減ったことになる。メジャーモデルとしては、「iPhone 4s」以降で一番“低調”な滑り出しともいえる。

 ただ、iPhone 8 Plusの初動は、iPhone 7 Plusの初動よりも3倍以上増えている。8 Plusの初動が改善した理由として、道越氏はスマホが全体的に大画面化していく中で、大画面への抵抗感が薄れたことが一因であると分析する。

●iPhone Xを足してもiPhone 7/7 Plusの初動程度?

 冒頭でも述べた通り、iPhone X待ちのユーザーが多いことがiPhone 8/8 Plusの販売不調の原因の1つだ。しかし、道越氏はiPhone Xの初動数はそれほど多くなく、iPhone 8/8 Plusとの合算でようやくiPhone 7/7 Plusと同程度の初動数になると予測している。

 その理由の1つは「価格」だ。iPhoneの端末平均単価は「iPhone 5」で上昇トレンドとなり、「iPhone 6s Plus」でピークを迎えた。この価格上昇も、2015年からiPhoneの売れ行きが鈍り始めた要因の1つである。

 iPhone Xの販売価格は軒並み10万円を超えている。分割払い(割賦)で端末を購入する場合、支払い総額が10万円を超えると支払い見込みの審査を詳細に行うため、年収やクレジットカード・ローンの利用状況によっては契約が成立しない可能性が高い。販売価格があだとなって、iPhone Xが敬遠される可能性は十分に考えられるのだ。

 もう1つの理由は「目新しさ」だ。iPhone XはTouch ID(ホームキー兼指紋認証センサー)の廃止、Face ID(深度カメラを使った顔認証)の採用、有機ELディスプレイの搭載など、「iPhone初」が多く盛り込まれている。しかし、1つ1つ冷静に「iPhone初」を見ていくと、Face IDのために深度センサーを搭載したこと以外に目新しさはない。

 既存の技術をより使いやすくアレンジすることがAppleの真骨頂だ。コアなiPhoneファンは、そこに魅力を感じてiPhone Xを購入するだろう。しかし、そうではないユーザーを引きつけるには至らない可能性もある。

 9月22日、KDDIの田中孝司社長は新しいiPhoneについて、「(予約数の)半分以上はXだろうとは思っていて、案の定そのような感じになりそうだ」と語った。この点において、BCN(道越氏)の分析はKDDIの状況ともおおむね合致している。

 昨今では、SIMロックフリースマホも充実し、日本人が好むとされるハイエンドモデルも出てきた。大手キャリアが販売するAndroidスマホもラインアップが広がり、ユーザーのニーズに合わせて選択しやすくなった。Appleは日本のスマホの販売シェアで首位をキープしているが、「安泰」とは言えない状況になりつつある。

 道越氏は「第4のiPhone」が年内に登場すれば販売台数面で前年超えの可能性もあると語るが、その可能性は極めて低い。

 新機軸を導入したiPhone Xと、既存モデルをよりブラッシュアップしたiPhone 8/8 Plusの「3本の矢」で勝負を挑むApple。その行方は、要注目だ。

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