古いバージョンのブラウザーを使用しています。MSN を最適にご利用いただくために、サポートされているバージョンをご使用ください。

”中国のApple”、Xiaomiの秘密は「インターネット企業」志向

ザテレビジョン のロゴ ザテレビジョン 2014/06/12 (C)KADOKAWA CORPORATION
”中国のApple”、Xiaomiの秘密は「インターネット企業」志向 © KADOKAWA CORPORATION 提供 ”中国のApple”、Xiaomiの秘密は「インターネット企業」志向

 “中国のApple”、あるいは(共同創業者の1人を指して)”中国のSteve Jobs”――米メディアがそう形容してきたために、Xiaomi(シャオミ)はAppleと比較されがちだが、目指しているのは「インターネット企業」なのだという。 Xiaomiの共同創業者兼社長、Lin Bin氏。XiaomiはFast Companyの「World’s 50 Most Innovative Companies 2014(世界の最も革新的な企業50社)」に、Google、Apple、Teslaなどとともに選ばれた Xiaomiの共同創業者兼社長、Lin Bin氏。XiaomiはFast Companyの「World’s 50 Most Innovative Companies 2014(世界の最も革新的な企業50社)」に、Google、Apple、Teslaなどとともに選ばれた  6月11日、中国上海で開幕した「Mobile Asia Expo 2014」で共同創業者で社長のLin Bin氏はそう語った。Lin氏の自己分析から、製品とビジネスの両方で革新をはかるXiaomiの戦略が明らかになった。 Xiaomiの現在のフラグシップ「Mi 3」。Appleを意識した端末デザインや見せ方だが、同社のキモはそこではないのだという Xiaomiの現在のフラグシップ「Mi 3」。Appleを意識した端末デザインや見せ方だが、同社のキモはそこではないのだという ベンチャーでありながら、IT業界のベテラン揃い創業時のトップ8人の平均年齢は45才  モデレーターに「真の意味での中国初のグローバルブランドになる可能性を秘めている」と紹介されたXiaomiは、成長市場の中国で大きな注目を集めているスマートフォンメーカーだ。創業は2010年4月6日のことで、Lin氏を含む8人が集まって立ち上げた。  「共同創業者が8人というのは、世界でも最も多いのでは」とLin氏は笑う。だが自身はGoogleとMicrosoftで経験を積んだベテランで、(中国のSteve Jobsと形容される)CEOのLei Jun氏は中国のソフトウェア企業である金山軟件(キングソフト)のCEOを務めた経歴を持つ。 創業時の写真。手前にあるのはLei氏の父親が振る舞ったというアワ(小米)のおかゆ 創業時の写真。手前にあるのはLei氏の父親が振る舞ったというアワ(小米)のおかゆ  そのほかにもMotorola、北京科技大学などそうそうたるメンバーが集まった。「全員が研究開発のバックグラウンドを持ち、ハードウェア、ソフトウェア、商品のデザイン、モバイルインターネット、Eコマースなどで経験を持つ」とLin氏。さらには、創業後にそれぞれのコネから優秀な人材を集めることができ、黎明期にチームを強化できたともいう。  ユニークなのは人数だけではなく、平均年齢もだ。「8人の平均年齢は45才。中国のベンチャー企業の創業者の平均年齢は25、6才なので、若くはない」とLin氏は苦笑する。創業時のエピソードはほかにもある。Xiaomiは中国語の小米、これは雑穀のアワ(粟)のことなのだ。登記にあたって農業関連の企業と決めつける担当者に「技術企業と説得するのに一苦労した」とも言う。 8人の共同創業者。Lin氏は左下、左上はCEOのLei Jun氏 8人の共同創業者。Lin氏は左下、左上はCEOのLei Jun氏  Xiaomiは2013年、共同創業者に匹敵する重要なメンバーを迎えた。GoogleでAndroid製品担当バイスプレジデントを務めていたHugo Barra氏だ。現在Barra氏はXiaomiの中国外展開を担当している。「彼以外、考えられなかった」(Lin氏)という惚れ込みぶりで、Xiaomiの顔としてファンが集まったパーティーでThe Beatlesの仮装をして歌を歌うBarra氏の写真も見せてくれた。なお、Barra氏が加わったことで45才だった共同創業者の平均年齢は43才に下がったという。 これがその写真。一時期はAndroidの顔的な存在でもあったBarra氏を迎え入れて、世界進出を図っている これがその写真。一時期はAndroidの顔的な存在でもあったBarra氏を迎え入れて、世界進出を図っている 最初の製品からわずか3年で6000億円のメーカーに重要なのはウェブに絞った販売戦略  Xiaomiは最初の製品を2011年に発売。その後3年間は倍々ゲームで成長してきた。2011年、6億元だった売上高は2012年に一気に127億元へ、2013年は150%増の316億元(約6000億円!)に達した。販売台数は160%増の1870万台。2014年は6000万台到達を見込んでいるという。このような急成長に支えられ、Xiaomiは中国でトップ3のスマホメーカーにのし上がっている。 フラグシップ機だけでなく、ミドルレンジモデルももちろん用意されている。「Redmi 1S」は写真のスペックで699元なので、1万2000円弱だ! フラグシップ機だけでなく、ミドルレンジモデルももちろん用意されている。「Redmi 1S」は写真のスペックで699元なので、1万2000円弱だ!  国外からはXiaomiの強みは”洗練されたAndroidスマートフォンを安価に販売する”と見られがちだが、Lin氏が最初に強調したのはウェブ直販という販売モデルだ。今年4月に4周年を記念して開催したイベント「Mi Fan Festival 2014」では2時間ごとに1回、合計12時間だけ端末を販売した。  この日1日で130万台のスマートフォンを売りさばき、ヘッドセット52万個などの周辺機器や関連製品も含めて、合計で200万件の発注があったという。このようなこともあり、今年は「中国のEコマースでは上位3サイトに入るだろう」とLin氏は予想する。 搭載デバイスのメーカーを公表ネット時代に適応したオープンなプロモーション  次に触れたのが、製品の品質、ユーザー体験、性能だ。「人々はXiaomiのマーケティングに関心を寄せているようだ。確かにマーケティングに強い人材がそろっている。だがインターネットはオープンなカルチャーを持つ。従来の広告とは違い、クチコミで伝わっていく。(製品が)悪ければ消費者は目もくれないし、悪いウワサはすぐに広まる」とする。インターネットカルチャーへの深い理解があるため、「最初から優れたユーザー体験、最高のハードウェアを提供する」と創業時からこだわっているという。  ”高品質の製品を”の下に、XiaomiはCPUはQualcomm、液晶はシャープ、カメラはソニーなど世界最高レベルのサプライヤーから部品を調達しており、さらには部品サプライヤー全社名を公開している。このように最高レベルの高品質な部品を使うことで、消費者の信頼や安心を獲得していると分析する。さらには、厳しいテストをすることで欠陥製品が極力混じらないようにしている。またこれらのノウハウは開発チームの多くを占めるというMotorola出身者らがもたらしたのだという。  この結果、2013年に発表した最新フラッグシップとなる「Mi3」では、当時最高レベルのCPU(Tegra 4またはSnapdragon 800)、ソニー製の13メガピクセルカメラなど最高レベルのコンポーネントを集めて価格は1699元(約2万8000円)。発売から10ヵ月経過した現在でも、Mi3はベンチマークテストで第2位につけているとのことだ。  さらに売ったら終わりでもない。Xiaomiはスマートフォンが消費者の手に渡った後に実際に利用されているかにも注目している。そして、その結果は満足いくもののようだ。今月はじめに発表された中国におけるAndroid端末のインターネット利用ランキングで、2012年に出した「Xiaomi 2S」はトップを維持した。さらには上位15位中、7機種のXiaomi製品がランクインしている。 iPadと同スペックの液晶で半額のタブレットスマートテレビにもすでに進出している  Lin氏は最近発表した新製品についても、品質と性能の2点から紹介した。たとえば発表したばかりのタブレット「Mi Pad」。iPadのRetinaと同じサイズと解像度のディスプレーを持ち、世界で初めてNvidia「Tegra K1」を採用した点をアピールする。Tegra K1はKeplerベースの192コアGPUを搭載する。Antutuでは41000点を上回るスコアを記録したという。16GB版で1499元(約2万5000円)という価格ながら、なめらかで快適なゲーム体験ができるタブレットとLin氏は胸を張る。 Mi PadはiPad Airと同スペックのディスプレーで半額 Mi PadはiPad Airと同スペックのディスプレーで半額  もう1つ紹介したのが、「Mi TV」だ。スマートフォンと同じやり方で良い製品を開発できるか、TV業界に目を付けて開発した新カテゴリーで、すでに第2世代の「Mi TV 2」を発表している。「見た目はTVだが中身は強いパソコン」というMi TVは、クアッドコアCPUを搭載、Androidアプリを動かすことができ、画面は4Kの3Dディスプレイを搭載した。  画像だけではなく、動画でもう1つ重要となる音声にも目を付け、8スピーカー、100Wの重低音(Sub Woofer)にもこだわった。リモコンも特徴的だ。ボタンは合計11個、数字ボタンをいっさいもたないというシンプルなもので、赤外線ではなくBluetoothで接続する。そのため、TVに向けることなく操作でき、バッテリー持続時間は1年以上。なくしてしまったらTV画面の下に手をあててリモコンを探す指示を選択し、ブザーをならすことで発見できるという。スマートフォンをリモコン代わりにし、音声認識により動画を探すなどのことも可能という。  これらの取り組みが奏功し、Xiaomiは着実にユーザーの心をつかんでいるようだ。これまでユーザーがWeiboなどに投稿した数は1億5000万以上に達した。「批判もあったが、励ましもたくさんもらった」とLin氏。単にユーザーというより、結びつきが強いコミュニティー、あるいはファンも生まれており、XiaomiのUI「MIUI」のマレーシア語などはユーザーが翻訳を行なっている。  MIUIの公式対応機種は48機種だが、コミュニティーにより175種に広まった。ファンによるMIUIのテーマ開発も活発という。オンラインだからこそのオフライン活動も活発に行っており、2013年にはXiaomiが19回のイベントを開催した。ファンが自分たちで開いた非公式イベントは500にのぼるという。 オフラインでのファンイベントも行なわれている オフラインでのファンイベントも行なわれている 裏側の強力なサポート・流通がXiaomiを支えるただし、日本への展開の予定は現在無し  Lin氏はこれらの「表」の部分に触れた後、「eコマースで大切なのはアフターサービス」としてコールセンターと修理サービスなどの「裏方」も同時に紹介した。現在1700人が勤務するコールセンターは24時間体制で応対にあたっている。アフターサービスは600人が従事し、”Xiaomi homes”とする修理センター18ヵ所を持つ。このXiaomi homesでは「1時間での修理」を約束しており、できなければ20元を払うするというユニークな仕組みを導入した。「せっかく来てもらったのに、後日取りに来るようなことがないように」と1時間ルールの背景を説明する。  eコマースで重要な物流も改良を続けている。倉庫物流スタッフは現在約1500人。10ヵ所の大規模な倉庫を持ち、現在の最高記録は11月11日のMi Fan Festivalで記録した1日50万の発注という。  ちなみに「最初からインターネット会社を作ると決めていた」と語るLin氏に、スピーチ後に「自社をたとえるならGoogle? Apple? それともAmazon?」と聞いてみた。しばらく考えた末に「Amazonが近い。だがわれわれはまったく新しい会社を目指している」と自信を見せた。現在は元GoogleのBarra氏の下で国外展開を進めているさなかだが、日本は「現在計画に入っていない」とのことだった。

”中国のApple”、Xiaomiの秘密は「インターネット企業」志向

”中国のApple”、Xiaomiの秘密は「インターネット企業」志向
© KADOKAWA CORPORATION 提供

ザテレビジョンの関連リンク

ザテレビジョン
ザテレビジョン
image beaconimage beaconimage beacon