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「“現時点での初”を凝縮した、最高の体験を与えられるXperia」 ソニーモバイルが語るXperia XZ PremiumとXperia Touch

ITmedia Mobile のロゴ ITmedia Mobile 2017/03/08 12:00
「“現時点での初”を凝縮した、最高の体験を与えられるXperia」 ソニーモバイルが語るXperia XZ PremiumとXperia Touch: 最新カメラと4Kディスプレイを搭載した「Xperia XZ Premium」 © ITmedia Mobile 提供 最新カメラと4Kディスプレイを搭載した「Xperia XZ Premium」

 ソニーモバイルコミュニケーションズが「Mobile World Congress 2017」で発表した「Xperia XZ Premium」は、新たに発表された積層型CMOSセンサーの「Motion Eye」を搭載し、「Snapdragon 835」による1Gbpsの通信もサポートしたフルスペックのスマートフォンだ。このコンセプトが高く評価され、MWCではGSMA主催の賞で“ベストスマートフォン”に輝いている。同社はほかにも、「Xperia XZs」やミッドレンジモデルの「Xperia XA1」「Xperia XA1 Ultra」を発表。幅広いラインアップを世界に向けて披露した。

 同時にスマートプロダクトの分野でも「Xperia Touch」を発表し、来場者の高い関心を集めた。Xperia Touchは、ちょうど1年前のMWCで「Xperia Projector」として参考出展したモデルの製品版。技術の核としてソニーの単焦点プロジェクターを用いる一方で、OSにはAndroidを採用。文字通り、照射した映像をタッチして操作できる。大画面を通じて家族でコミュニケーションを取れるというのが、同製品のコンセプトだ。

 では、これらの製品はどのような経緯で開発されたのか。ソニーモバイルでスマートフォンの企画、開発を率いるUX商品企画部門 UX商品企画2部 統括部長の安達晃彦氏と、スマートプロダクトの責任者であるスマートプロダクト部門 副部門長の伊藤博史氏の2人に、お話をうかがった。

●「Xperia XZ1」ではなく「Xperia XZ Premium」の理由

―― 最初に、Xperia XZ Premiumのコンセプトを教えてください。

安達氏 このタイミングでメモリ積層型CMOSセンサーを世界初で搭載し、「Motion Eye」と名付けた新しい体験をお届けできるカメラ。現時点で最高のディスプレイで体験できる4Kの映像。同じく、現時点で最高のネットワークスピードを体験できる「Snapdragon 835」。これらの“現時点での初”を凝縮した、最高の体験を与えられるXperiaが、Xperia XZ Premiumです。

―― このタイミングで1GbpsのLTE-Advancedに対応したのは、驚きました。5Gに向けた動きが具体化していたMWCのテーマとも合っていたと思います。

安達氏 他社さんも何かしらの会話はされていると思いますが、プレスカンファレンスで幹部の方にご登壇いただいたように、Qualcommさんとの関係は良好です。モバイルだけでなく、長期に渡って5Gの世界で協業していく1つの表れが、MWCのタイミングに合いました。また、協業の中では、通信事業者も含めた試験が不可欠で、ここが通常のIT機器とは違う難しさでもあり、面白さでもあります。

―― カメラモジュールは、2月にソニーから発表されたばかりです。このタイミングに合わせて、両社で作り込んできたということでしょうか。

安達氏 時間軸についてはお伝えできないところもありますが、商品のパッケージやコンセプトを固めるより前から、リードタイムの長い議論を半導体事業部としてきました。テーマとしては、自信を持ってお届けする「Exmor RS for mobile」の進化をどうするかの議論をしながら、新しいCMOSセンサーを開発しています。そのイメージセンサーを実際の商品に展開するという意味では、タイミングとしていいマッチングができたと考えています。

―― これだけ進化していると、「Xperia XZ1」でもよかったのではという気がします。

安達氏 最高の体験を与えられるプレミアムセグメントの商品という考え方は変えておらず、さらに新しい体験を与えるということで、分かりやすくPremiumにした方がお伝えしやすいのではないか。そう考え、Premiumにしました。むやみに数字を上げるのではなく、この段階ではXZにしています。

―― 逆に、どのタイミングで1になるのでしょうか(笑)。

安達氏 ちょっと申し上げにくいのですが(笑)。ちなみに、Xperia XAは、ちょうど1年たって「XA1」になりました。ライフサイクルとして、1年がたち、正常進化したからです。

―― 以前は「フラグシップモデルは年1回」というお話もありましたが、やはり半年ペースは変わっていないようにも見えます。方針に変更はあったのでしょうか。

安達氏 方針を変えたというより、業界自体の動きが思っていたかそれ以上に速く、技術の進化も行われているというのが私の感じているところですし、実際に起きていることでもあります。MWCでも、新しいトピックスはいくつかありました。新しいイメージセンサーをスマートフォンに搭載できることになったり、Qualcommの最新のチップセットが使えたりということがあり、プレミアムな商品をタイムリーに展開することになりました。

●4Kでの再生は静止画と動画のみ

―― Premiumというと「Xperia Z5 Premium」の印象が強く残っていますが、デザイン面では光沢感などが共通しています。やはりPremiumといえば光るものなんでしょうか(笑)

安達氏 より高級感を出すということで、ガラスを採用し、キレイな曲面のフォルムを表現しています。Xperia Z5 Premiumでクロームがご好評いただけたこともあります。あれは、われわれの想像を超えていました。そのフィニッシュを、カラーマテリアルとして進化させた形でご提供するのがいいと思いました。

―― 進化は、どの部分でしょうか。

安達氏 分かりやすいところでいうと、クロームは前面もクロームになっています。液晶面に光沢表現をするのは技術的にも難しいのですが、ユニファイドデザイン、ループサーフェスというデザイン言語を体現するには、前面から背面まで1周させなければなりませんし、一目で違いも分かります。デザイン上の見栄えだけでなく、持ち心地という意味でも、(Xperia Z5 Premiumと比べて)改善や向上があります。

―― Premiumの共通点という意味では、4Kディスプレイもあります。これは、以前と同様、静止画と映像の再生時のみ4Kになるという理解でよろしいでしょうか。

安達氏 はい。基本的な考え方は(Z5 Premiumと)同じで、画像の美しさは4Kで表現するということになります。動画、静止画という商品としての売りの部分では、フルに4Kで表示します。ただし、日常のユースケースでは、必ずしも4Kの表現が必要でないところもある。使い心地とのバランスを見て、フルの解像度は静止画と動画に絞っています。

―― HDRに関しては、コンテンツプロバイダー側とのすり合わせも必要になります。

安達氏 いろいろな議論を重ねていき、このタイミングではAmazonさんと協業させていただくことを発表しました。ただし、4K HDRのコンテンツは、Amazonさんに限った話ではありません。商品発表をきっかけに、引き続き、ご提供いただけるサービスプロバイダーさんとはお話をしていきます。

●「Xperia XA1」「Xperia XA1 Ultra」の日本展開は?

―― 一方で、ミッドレンジモデルも拡充しました。こちらについては、いかがでしょうか。

安達氏 昨年(2016年)、同じバルセロナで「Xperia XA」を発表しました。そこから時期は数カ月遅れてしまいましたが、6型の大型ディスプレイを搭載し、セルフィーが特徴の「Xperia XA Ultra」も昨年展開しています。どちらも狭額縁でスタイリッシュなデザインを評価いただいていましたが、フレッシュネスを考えると、1年での正常進化はどうしても必要になります。

 デザイン変更もさることながら、今回は上位機種にしかなかった23メガピクセルのExmor RSを搭載できました。これは、Xperia Z5などと同じモジュールになります。加えてチップセットもMediaTekの「Helio P20」を搭載していますが、これはプロセッシングスピードもさることながら、省電力化も進んでいて、同じサイズでもユーザビリティは向上しています。

―― このミッドレンジのラインアップは日本で提供されていませんが、SIMフリー市場が拡大する中で、欲しいという声も増えている印象があります。

安達氏 さまざまな方面、特に日本からは多くのフィードバックをいただけていると思っています。日本市場の展開に関しては、市場の動向を注意深く見定めて、今後の参考にさせていただければと考えています。

―― 特に6型モデルは、「Xperia Z Ultra」以降、日本で後継機がないですからね。

安達氏 おかげ様で、Xperia Z Ultraには非常に熱烈なファンがいらっしゃり、古くなったからとわざわざ買い直してくださった方もいらっしゃいます。メイン機を替えても、サブとして使い続けてくれる方もいて、大画面の需要はわれわれとしても感じているところです。今後、何かしらの形で大画面端末はご提供したいと考えています。

●タブレット並みの操作性を目指した「Xperia Touch」

―― Xperia XZsはどういう位置付けの製品なのでしょうか。

安達氏 (Xperia XZから)縦、横、厚みに変更はありません。カメラの部分は画質も改善しているため、モジュール自体の厚みをちょうだいしていて、その分出っ張っていますが、逆にMotion Eyeカメラを搭載し、その特徴のシンボルとしてダイヤモンドカットを入れています。

―― マイナーバージョンアップということですね。続けて、Xperia Touchのお話を伺っていきます。ちょうど昨年のMWCでコンセプトを発表してから、1年がたちました。

伊藤氏 去年のMWCでコンセプトを発表してから1年がたちましたが、最初から目指していたのは、スマートプロダクトとして、新しいコミュニケーションを作ることです。家族のコミュニケーションに着目したとき、どういったものがあるのかというところから考えました。今は皆さんスマートフォンを持ち、タブレットもあり、個人化されたデバイスとともに毎日を過ごしている。そこにもう一度、一家団らんではありませんが、1つの場所にあつまってワイワイガヤガヤと家族の時間を楽しめるものはないか。そう考えてできたのが、Xperia Touchです。

 では、この1年、何をやっていたのかというと、ひたすら体験の質を向上させていました。というのも、この商品はシンプルにいえば、超短焦点プロジェクターとタッチを組み合わせたものですが、プロジェクションとタッチを組み合わせること自体が初めてのことでした。この仕組みを前提としたとき、タッチの質をどこまで上げられるか。Xperiaではスマートフォンもそうですし、タブレットも作ってきた中で、目指す性能としてはタブレット並みを実現したい。そういう目標で、操作性を研ぎ澄ませてきました。

 最終的には、10本の指をお使いいただけるようになり、タブレットに匹敵する操作性を実現できたと考えています。

―― 10ポイントのタッチができれば、ゲームもきちんとできそうですね。

伊藤氏 コンセプトの発表から1年の間に、いろいろなパートナーさんからお声がけいただきました。

 例えば、スペインのデパート、エル・コルテ・イングレスはタブレット向けにショッピング体験を向上させるためのアプリを作っていますが、目指している世界が一緒ということで、商品も扱っていただき、お店の中にも置いていただけることになりました。アプリを開くとデパートの中にある商品が並んでいて、分かりやすく買い物もしやすい。タブレットでも使えましたが、23型であれば、みんなが見て買い物をすることができます。

 このようにサードパーティーの方が開発しているアプリとも相性がよく、ぜひコラボさせてほしいというお声がけもいただいています。ほかには、高級キッチンメーカーのNotelさんは、キッチン周りのスマート化にXperia Touchを使っていただきました。ケルンでキッチンショーがあった際に、彼らの最新システムとXperia Touchを一緒に展示していただいています。

 欧州でもいろいろなコラボレーションが起きていて、弊社としても、前回のようにコンセプトを出し、評判のいいものに的を絞っていくというプロセスは非常によかったと感じているところです。

 1年をどう使ったかという点に関しては、ジェスチャーコントロールもあります。単焦点プロジェクターはテーブルから離して80型まで大きく表示できますが、その際にはタッチができません。そこは離れていても、きちんとジェスチャーでコントロールができるようになります。このジェスチャーコントロールは発売当初には間に合いませんが、新しいインタラクションとして提供させていただければと考えています。

―― 欧州でのコラボレーションの事例が増えているというのは、やはりソニーモバイルさんが欧州にしっかり根を張っていたことも効いているのでしょうか。

伊藤氏 Xperiaスマートフォンが根強い人気を博していることもあり、今でも使っている方はいます。欧州では、スマートフォンのみならず、カメラやオーディオなど、シェアの高いカテゴリーもあるので、ソニーファンは多いという実感もあります。革新性や新しさが、ソニーらしいと評価されたのではないでしょうか。

●Xperia Touchは日本でも発売、気になる価格は?

―― Xperia Touchはソニーの超短焦点プロジェクターをスマートデバイス化したともいえそうですが、発想の原点はそこにあったのでしょうか。

伊藤氏 新しいコミュニケーションを生み出したい、そのためには何かを新しくしなければいけない。消費者を取り巻くインタフェースをプロジェクションと組み合わせて、そのインプット、アウトプットを新しいコミュニケーションに結び付けていきたいと考えました。超短焦点プロジェクターは、小型化ができ、発色もいい。これにタッチを組み合わせることで、体験の幅を広げられると考えました。

―― タッチも搭載され、よりお高くなるのではという気もしますが、いかがですか。

伊藤氏 欧州では1499ユーロと発表していて、事前予約も開始しています。日本の価格については、もう少しお待ちいただければと思います。

―― ちなみに、SIMカードは入らないのでしょうか。

伊藤氏 Xperiaスマートフォンのチームと一緒にやっているので、通信をどう生かしていくのかは、常にテーマとして考えています。今回も、Wi-Fiのみに絞るか、LTEをつけるかは検討していました。コンセプト発表のあとにいろいろなお客さまとお話して、まずはWi-Fiでやっていこうと決めましたが、将来のLTE化も決してないわけではありません。ご要望をいただき、機が熟したら検討したいと思います。

●LINEの「Clova」と「Xperia Ear」の関係

―― スマートプロダクトでは、参考出展で「Xperia Ear Open-style」も発表されました。

伊藤氏 Xperia Earの初号機もそうですが、「歩きスマホ」をできるだけ減らしたい。画面を見ないコミュニケーションを目指してきました。ただ、音に集中しすぎて危ない目にあってしまうと、元も子もありません。外界の音は聞こえながら、アシスタントの声をいい感じにブレンドする。これを目指して開発しています。

―― なるほど。ボイスアシスタントの声を自然になじませるということですね。初代は片耳でしたが、これなら音楽も聞けそうです。

伊藤氏 同じ声はユーザーからもいただいていて、一段上げたいと思っています。ステレオ型で外界音も聞こえながら、最終的には着けていて気にならないサイズや重さを目指しています。

―― LINEがAIプラットフォーム「Clova」を発表し、パートナーとしてソニーモバイルさんの名前が挙がっていました。このXperia Earをベースにしていくのでしょうか。

伊藤氏 具体的な内容はまだお答えできませんが、考え方として、われわれは(ソニーの平井一夫社長がポリシーとして挙げる、ユーザーの近くで価値を提供するという)ラストワンインチにこだわっています。われわれならではのインタフェースで、ハードウェアのセンサーと組み合わせて心地よく話しかけてくれるのは、まさにラストワンインチです。ただ、世の中には、いろいろなAIが生まれていて、ほかのAIとどう共存、連携するのかはオープンに議論しています。

 その中で、LINEさんからのお話をいただきました。コミュニケーションメッセンジャーとして、LINEさんはいい体験を提供していて、ユーザー数を考えても、非常に魅力的です。(スマートプロダクトに関しては)LINEさんからも共感をいただいていて、今回の話に至っています。われわれの見方では、AIはまだこれから発展するもので、何かこれと決めつけるのは早いと感じています。AIは地域性もあるもので、本当に日本でウケるボイスアシスタントやAIは、これからいろいろな形のものが登場してくるのではないでしょうか。

―― Xperiaはアジア圏でも根強い人気ですが、そういった地域への展開もにらんでの提携でしょうか。

伊藤氏 スマートプロダクトは、いろいろな国へというより、絞った国への展開をしています。面白いことに、ソニーモバイルの強い国と、LINEの強い国は一部で重なるところがありますが、やはり成功例は日本から作っていきたいですね。

●取材を終えて:デュアルカメラにも十分対抗できる

 積層型CMOSセンサーによる「Super Slow Motion」と「Predictive Capture(先読み撮影)」は想像以上に楽しく、しかも利便性の高い機能だった。スマートフォンのトレンドは2つのセンサーを搭載し、撮影機能を高める方向に向かっているが、この新しいカメラはそこに十分対抗できるのではないかと感じた。1Gbpsの通信にこのタイミングで対応できたことも、トレンドにしっかりキャッチアップしている印象を受けた。

 スマートデバイスのXperia Touchも、使っていて楽しい製品だ。机の上に映し出された映像を触ると、しっかり反応するのは新鮮な体験といえる。同じAndroidアプリでも、スマートフォンやタブレットで使うのとは、異なる印象を得られる。このデバイスに最適化されたアプリが登場するのも、楽しみだ。いずれの製品も、日本でいつ発売されるかは明かされていないが、登場が待ち遠しい。国内未発売のXperia XAシリーズも含め、今後の展開に期待したい。

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