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「『小悪魔ageha』だけじゃない」ファッション誌、主婦向け誌が次々と……!? 休刊雑誌クロニクル

サイゾー のロゴ サイゾー 2014/04/25 Cyzo

 今月、世間を駆け巡った出版社・インフォレストの事業停止のニュース(関連記事http://www.cyzo.com/2014/04/post_16848.html)。同社の「小悪魔ageha」「サムライマガジン」「Happie nuts」「I LOVE mama」「NAIL MAX」といった雑誌は、なんの前触れもなく発行が途絶え、読者や出版業界に大きな衝撃を与えた。

 「ぴあ」(ぴあ)や「PS」(小学館)をはじめ、実に100誌以上が休刊に追い込まれた2011年以降、少し落ち着きを取り戻したかのように見えた出版業界だが、ここ半年で有名ファッション誌をはじめ、女性誌の休刊が続いている。その一部を振り返ってみたい。

■「Lips(リップス)」(マガジンハウス/14年5月号で休刊)

 「30代のいちばん使える!リアルなファッション誌」をコンセプトに、2011年3月に創刊。表紙にやたら優香が登場していた同誌だが、最終号も、もちろん優香。また、プロモーション時には、aikoや、いきものがかりの吉岡聖恵、Charaなど、決して美人ではないが、個性的な女性ミュージシャンが表紙を務めることでも知られていた。

 見出しには、とにかく“着回し”“安い”という文字が躍り、最終号の特集は「いつだって“安い服”しか欲しくない!」。表紙には、「\1420からのワンピ」「アウターは\2900から!」「厳選大人つなぎも\1990で!」「『GU』新作で全身\5000まで」と、まるでバーゲンのチラシのような文字が並んでいた。

■「JILLE(ジル)」(双葉社/14年3月号で休刊)

 「Soup.」(ジャック・メディア)や「SEDA」(日之出出版)、「PS」などと並ぶ青文字系雑誌として、01年に創刊。「ワンランク上のリアルカジュアル」を掲げ、20代女性をターゲットにストリートカジュアルを提案してきた。

 青文字系全盛期は好調だったが、「Soup.」の人気に押され、部数が縮小。ここ数年、表紙には水原希子や吉高由里子、長澤まさみが登場することが多く、一部女性読者から「表紙の人選がイマイチ」という声も上がっていた。■「おはよう奥さん」(学研マーケティング/13年10月号で休刊)、「すてきな奥さん」(主婦と生活社/14年 05月号)

 主婦向け雑誌「おはよう奥さん」は、1995年6月に創刊。休刊が決まり、内容が雑になる雑誌もある中、同誌の最終号には、ミッキーとミニーがプリントされたトートバッグが付属されていた。また、毎号チェーン店の割引券が付いており、最終号には「ケンタッキー・フライド・チキン」、その前には「銀だこ」の割引券が付いていた。

 キャッチコピーは「元気ミセスを応援“生活すべすべマガジン”」。「すべすべ」には、潤滑な家事を手助けするという意味があるのだろうか? 休刊した今となっては、謎のままだ。

 誌面には、家計のやりくりや、料理、家事、収納などの情報が所狭しと展開。最終号では「ほぼ0円レシピ」「ホットケーキミックス×以外なアレで簡単おやつ」「マイホームを買ってもお金が溜まる家計ワザ」といった見出しが躍った。表紙に有名芸能人を起用することは少なかったが、時として元モーニング娘。の保田圭や、安めぐみが登場していた。年間購読者も多く、休刊時には多くの「やめないで」の声が寄せられたという。

 一方、今月発売号で休刊する「すてきな奥さん」の歴史は、「おはよう奥さん」を上回る24年。最終号は、「ぜ~んぜん頑張らずに100万円貯める♪」という、夢のような特集が目を引いた。

 ただ、同出版社では、6月7日に主婦向け雑誌「CHANTO」を創刊。休刊というよりは、大幅リニューアルとみていいようだ。ちなみに「CHANTO」の公式サイトでは、雑誌名について「家のこと、子どものこと、自分のことを『ちゃんと』楽しむように、という願いがこめられています」と紹介されている。しかしどうも「家事をCHANTOこなせ」「育児をCHANTOしろ」と、見張られているような強迫観念にかられるのは、筆者だけだろうか……?

■「GLAMOROUS(グラマラス)」(講談社/13年8月号で休刊)

 「ViVi」(同)のお姉さん雑誌として、05年に創刊。専属モデルには、岩堀せりや佐田真由美、長谷川潤、大屋夏南など、EXILEのHIROが社長を務める芸能事務所・LDHの所属者が大半を占め、同誌主催の専属モデルオーディションの合格者も、LDHに所属した。

 20代後半の「大人ギャル」をターゲットに、辛口クール系スタイルを提案。男性目線を意識せず、しっかりと自立し、「おしゃれでかっこいい」と一目置かれることを重要視していた。また、毎年恒例企画として、読者に相応しい男「グラ男」を、一般男性の中から100人選出していた

 08年には、「乳がん撲滅チャリティ」として、高岡早紀、観月ありさ、梨花、中島知子(オセロ)ら女性タレント10人のセミヌードを写真集としてまとめ、別冊付録にしたことで話題となった。しかし、この企画に疑問を感じた乳がん患者が中心となり、「『グラマラス』の乳がん撲滅チャリティ・ヌードに抗議する会」が発足。「乳がんの手術や治療で女性としての身体の変化にショックを受けている患者が多数いる中で、乳がん啓発キャンペーンでセミヌードという手法を使うのは無神経であり、乳がんという病気や治療の実態に関する理解に欠ける」「寄付金の扱いが不透明」と訴えて署名活動などを行うなど、論争となった。■「Grazia(グラツィア)」(講談社/13年8月号で休刊)

 30代のキャリア婦人をターゲットにしていた同誌は、上品で優美な誌面作りをめざし、ファッションやコスメ情報のほか、グルメや観光情報も盛り込んでいた。

 しかし12年のリニューアルを機に、路線を変更。読者の“働く母”の部分を明確化し、家族で行く旅行スポット、子育てグッズ、家電などの情報が充実した。さらに、華原朋美と元AKB・畑山亜梨紗との“両てんびん疑惑”の竹田恒泰氏の連載「ナデシコ万歳」がスタート。「愛は男に語らせろ。女性から告白しちゃダメ」など、保守主義の竹田氏らしいお題で、筆を揮っていた。

 創刊時に25万部あった部数は、徐々に減少し、約17年の歴史に、後藤久美子の表紙で幕を下ろした。

 危ない雑誌は、死に際にもがくように「リニューアルを繰り返す」ことがあるが、インフォレストの例もあるだけに、なんとも予想のつかない雑誌業界。次は、どの雑誌が姿を消してしまうのだろうか?(文=林タモツ)

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