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「ダメな人」と決めつける前にできること

All About のロゴ All About 2017/09/20

人には、一つの印象だけでその人全体を評価してしまう傾向があります。「ダメ」と言われるレッテルから解放されるにはどうしたらよいのでしょうか。 © AllAboutMedical 提供 人には、一つの印象だけでその人全体を評価してしまう傾向があります。「ダメ」と言われるレッテルから解放されるにはどうしたらよいのでしょうか。

人は“一つの印象”に振り回されやすい生き物

「あの子はダメな子」「あの部下はデキない奴」――人に対して、一度このような「悪い印象」を抱いてしまうと、その印象に振り回されてしまうことが多いもの。これはいったいどうしてなのでしょう?

この現象を説明する理論に「ハロー効果」があります。「ハロー」とは、神仏像の背に差す“後光”のことを意味します。人はある一つの特徴から、後光のようにその印象にとらわれ、全体的な評価にまで拡げてしまう傾向があります。これを「ハロー効果」と呼びます。

たとえば、いつもきちんとヘアスタイルやメイクを整え、バッグの中や身だしなみも小ぎれいにしている女子を見て、「家でもきちんとしている子なんだろうな」「お嫁さんにしたいタイプだな」と淡い恋心を膨らませている男性は少なくありません。

ところが、現実の彼女の生活は、部屋は“汚部屋”で、洗濯も炊事もすべて“親任せ”。自分の外見を整えることにばかり熱中していて、私生活はガサツそのもの……。残念ながら、現実にはこんな女子も少なくありません。

しかし、そんな現実など想像もできず、外見の「きちんと感」という後光だけに強く印象づけられ、彼女のすべてを「きちんとした子」と評価してしまうのが、ハロー効果なのです。

“悪い後光”に惑わされて評価をしていませんか?

ハロー効果による心理効果は、ネガティブな印象でも用いられます。冒頭にお伝えしたように、「あの子はダメな子」「あの部下はデキない奴」といった“悪い後光”に振り回されるのも、ハロー効果です。

たとえば、何度注意をしても忘れ物をしてくる、おしゃべりばかりでちっとも授業に集中しない、赤点ばかりで学習が進まない――学校生活でこんな傾向が見られると、先生は「あの子は何をやってもダメな子」「家でもきちんとしつけられていないのだろう」などと、“悪い後光”でその生徒のすべてを判断してしまうことがあります。これがネガティブなハロー効果です。

またたとえば、営業成績はいつもビリ、気の利いた挨拶一つできない、いつもボーッとしていて行動が遅い――こうした部下を見て、「あいつは何をやらせてもデキない」「どこに行っても使えないだろう」などと、やはり“悪い後光”でその部下のすべてを判断してしまう上司もいます。これもネガティブなハロー効果です。

次に、ネガティブなハロー効果に振り回されないために必要なことをお伝えします。

視点を変えれば、「ダメ」でなくなることは多い

ハロー効果から、先生に「ダメな子」と思われている子は、実は集団での学習スタイルが本人に合っていないだけなのかもしれません。今の環境を変え、相性のよい先生から個別指導を受けることで、メキメキと成績を伸ばしていける子もいます。

また、上司に「デキない奴」と思われている部下は、職種や職場が合っていないだけなのかもしれません。こうした場合、環境を変えて他の仕事にトライさせたら、メキメキ能力を発揮するようになる人もいます。どの部署でも“お荷物”扱いされてきた人が、あるマニアックな仕事を与えられた途端、猛烈な集中力を発揮し、凡人にはできない成果を上げていく――こうしたエピソードもよく耳にします。

マッチした課題、環境が与えられれば、成果も印象も変わる

学ぶ人の「適性」と与えられる「処遇」が作用しあうことで、成果に影響が現れることを、クロンバックは「適性処遇交互作用」と呼びました。

この場合の「適性」とは、学ぶ人の性格、知能、知識、態度、興味など学習の成果に結びつくすべての要素を意味し、「処遇」とは、教え方、関わり方、カリキュラム、環境、課題などの学ぶために操作できるすべての条件を指します。その人の適性に合った条件で学ぶことができれば、成果の向上が期待できますし、その逆であれば、逆の成果が現れることを示す理論です。

「あの子はダメな子だ」「あの部下はデキない奴だ」と一つの印象だけに注目していたのは、その人の「適性」と「処遇」が合っておらず、成果が出せなかったためなのかもしれません。マッチした課題と環境が与えられ、勉強や仕事に夢中で取り組むことができれば、成果も向上し、よい印象の方が増えていくかもしれません。

一つの印象だけにとらわれずに、その人を色々な角度から観察してみましょう。そして、その人に合う学習や仕事のスタイルを分析し、マッチした課題や環境を与えることで、アウトプットの変化を期待してみませんか?

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