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「ユーザー数日本が一番」――新興ブラウザ「Vivaldi」 「Opera」創業者語る「ユーザーは友人」とは

ITmedia PC USER のロゴ ITmedia PC USER 2017/07/31
「ユーザー数日本が一番」――新興ブラウザ「Vivaldi」 「Opera」創業者語る「ユーザーは友人」とは: 「Vivaldi」Webサイトトップページ © ITmedia PC USER 提供 「Vivaldi」Webサイトトップページ

 「Google Chrome」「Internet Explorer」「Safari」……。インターネットブラウザは数多くの種類があり、機能やデザインによってユーザーの好みは分かれる。

 1995年公開の「Opera」も人気ブラウザの1つ、世界第6位のユーザー数を誇る。しかし、その創業者が2016年、新ブラウザ「Vivaldi」を開発した。乗り換えてしまうOperaユーザーもいるという。

 つまりVivaldiは、Operaの創業者ヨン・スティーブンソン・フォン・テッツナー氏が、自らが過去に開発したブラウザに対抗するためのブラウザということになるのだが――。

 Vivaldi開発の経緯、プロダクトの魅力、今後の展望について、ヨン・スティーブンソン・フォン・テッツナー氏と、もう一人の創業者、日本人の冨田龍起COOに話を聞いた。

●「Vivaldi」開発の経緯

 Vivaldiは、創業者の古巣、OperaのユーザーがOperaに抱く不満を解消すべく開発されている。後ほど詳述するが、Vivaldiはブラウザを自分好みにカスタマイズし、効率的に使いたいネットのヘビーユーザーに最適だ。

 2016年4月に公開されたVivaldiは、それからおよそ8カ月がたった2017年1月時点でユーザー数が100万人に到達。実は世界で日本が最もユーザーが多く、Vivaldiのユーザーベース拡大をけん引している。

 ヨン氏と冨田氏はOpera時代の同僚。冨田氏は当時アジア市場開拓を担い、二人で各国に出張する際はテクノロジーや会社の将来について語り合っていた。ちなみに、ヨン氏は日本、特に秋葉原が好きでよく訪れていたという。

 その後、Operaは上場し、冨田氏は2013年にOperaを退社。数年後、二人は冨田氏が暮らしていたサンフランシスコで再会し、新たな挑戦をしようと意気投合。そうして生まれたのがVivaldiであり、今ではOperaに対抗する存在となりつつある。

 そんなVivaldiを開発した最大の理由は、Operaの開発方針が変わり、以前のようにユーザー目線に立ち、高機能なブラウザを開発する会社ではなくなってしまったからだという。

 この方針変更については、ユーザーからも不満の声が挙がっていたそうだ。つまり両氏はこれまでの経験を踏まえ、過去の「やり残し」に取り組んでいることになる。

 ちなみに「Vivaldi」という名は、イタリアの作曲家アントニオ・ヴィヴァルディに由来する。誰にとっても覚えやすく、また当時ヴィヴァルディの音楽は革新的とされており、自分たちも革新的なブラウザを作っていきたいという思いを込めて名付けたという。

●Operaユーザーが試して便利だった「6つのカスタマイズ機能」

 Vivaldiの最大の魅力は「カスタマイズ性」だ。筆者はこれまでOperaユーザーだったが、共通点が多いVivaldiは受け入れやすく、さらに独自機能は作業効率を大幅に高めてくれた。実際に試用し、特に便利だった6つの機能を紹介したい。

 まず、「タブスタック機能」では、複数のタブをひとまとめにして管理できる。似たページをグルーピングし、タブにカーソルを合わせると、スタックされているタブのサムネイルが表示される。

 「タブタイリング機能」では、同一タブ画面に複数のページを並べて表示させられる。タブやウィンドウをいくつも開いて、見たいページを探すのに苦労しているユーザーにとってはうれしい。

 「ノート機能」では、ページ内の保存したい箇所、ページのURL、保存日時を記録でき、スクリーンショットやファイルを添付することも可能。後日ページを再度閲覧したい際に使える。

 「パネル機能」では、閲覧中のページとは別に、登録したページをブラウザ内に常時表示させておける。SNSやチャットアプリ、ニュースサイトの最新状況をタブを切り替えることなく確認できる。

 Operaでも健在の「スピードダイヤル機能」では、新規タブを開くと登録済みのページのスクリーンショットが表示される。ブックマークの一覧をわざわざ開く手間が省ける。

 「ブラウザの色」もカスタマイズされる。例えば、Twitterを閲覧中はおなじみの水色に、Facebookを開いているときは青色に。閲覧中のページに合わせてカメレオンのように変化し、ブラウザがページのデザインに溶け込むことで、操作がより直感的になりそうだ。

 この他、ブックマークしたページにニックネームを割り当て、そのニックネームを検索バーに入れて検索結果に呼び出したり、キーボードのショートカットやマウスジェスチャーを自由に登録したりもできる。

 カスタマイズすればするほどユーザーに馴染む。OperaのDNAを引き継ぎつつ、それを超える快適さを感じられた。筆者もOperaから乗り換えようとしているところだ。

●「友人」のように接し、日本のユーザーコミュニティーが活発に

 冨田氏によると、全ユーザーのうち約15%が日本のユーザーで世界一。読者の中にもユーザーがいるかもしれない。

 日本のユーザーコミュニティーは実にアクティブで、各人はボランティアにもかかわらず、SkypeやSlackを通じて不具合の報告など製品に関するフィードバックがカジュアルに行われている。ユーザーとのやりとりの中から新機能のアイデアが生まれることもあると冨田氏は明かす。

 日本のコミュニティーが活発な背景には、Opera時代から日本にオフィスがあり、ヨン氏と冨田氏が以前からユーザーと積極的に交流をしてきた経緯がある。Vivaldiも、公開当時から日本に広報担当者を置き、SNSで日本語で積極的に情報を発信してきた。

 初期はOperaから乗り換えるユーザーがほとんどだったが、今では口コミを通じて全くの新規ユーザーも増えてきている。特に日本のユーザーは、カスタマイズ性とユーザーの手に馴染むブラウザに対する期待と要求のレベルが高いそうだ。

 現在は「ソプラノ」というボランティアのテスターチームともに、選任のQA(品質保証)担当がユーザーからのフィードバックを開発チームに報告しており、日本語特有の不具合への対応スピードも上がっているそうだ。

 ヨン氏は「ユーザーと顧客」の関係ではなく「友人」のように接し、友人にそうするように耳を傾け、安全かつ幸せな体験を提供することを大事にしている。今後はさらにユーザーインタフェースの質を向上させ、よりカスタマイズ性の高いブラウザを実現していく考えだ。

 最後に冨田氏に今後の目標について尋ねたところ、以下のように返ってきた。

 「あえて挙げるのならば、会社として黒字化できるユーザー数300万をいち早く達成することでしょうか。しかし、われわれが重視しているのは、定量的な目標よりもユーザーとの関係とより満足できるソフトウェアの開発です。黒字化できても自分たちが誇りを持てる製品とそれに伴うユーザーコミュニティーがなければ意味がないと考えています」

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