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「人間だとようやく標準体重、目指すは筋肉質」VAIO4年目の狙いとは

ザテレビジョン のロゴ ザテレビジョン 2017/08/16
「人間だとようやく標準体重、目指すは筋肉質」VAIO4年目の狙いとは © KADOKAWA CORPORATION 提供 「人間だとようやく標準体重、目指すは筋肉質」VAIO4年目の狙いとは

今回のことば 「人間では、ようやく標準体重になったところ。私はこれを筋肉質な体質にしたいと考えている。そして『もっと輝け、VAIO』という気持ちで、VAIOのブランド価値を高める」(VAIOの吉田 秀俊社長)  2017年6月15日付けで、VAIOの新社長に就任した吉田 秀俊氏が初めて会見を開いた。  吉田社長はVAIOがソニーから独立し、2014年7月からスタートしたこれまでの3年間を振り返りながら、「3期連続の最終黒字、2期連続の営業黒字によって、構造改革のフェーズ1は終わった。今後3~5年をフェーズ2として、成長戦略を進めるのが私の役割」と切り出す。  初代社長の関取 高行氏はソニー出身で、主に管理畑を担当してきた。それだけにソニーを熟知しながら、ソニーから独立した240人の小さな組織による新たなVAIOの土台を作り上げるには、最適な人物だったといっていいだろう。初年度から最終黒字を達成。VAIOの方向性を決めた。「自由だ。変えよう。」というキャッチフレーズは、いまでもVAIOを象徴するものだが、この方向性は関取氏によって示されたものだ。 2代目社長が開拓した法人向けPCとしてのVAIO  2代目社長の大田 義実氏は、営業黒字への転換をはじめとした成長戦略を実行するのが役割であった。商社出身であり、企業再生を担ってきた大田氏は、エレクトロニクス産業の経験はないが、企業を成長路線に乗せる手腕には定評があった。  大田前社長は「VAIOを自立させ、『世界のVAIO』を再び輝かせたい」として、海外進出にも挑んだほか、それまではソニーマーケティングを通じて展開していたVAIOの販売体制を、製販一体による体制へと移行。これにより、ソニー時代から続いていた「開発部門は販売に責任を持たない」という体制から脱却。開発部門が、売れ行きという成果にも責任を持つ体制とした。  さらにPCの再定義ほか、法人向け体制の整備、そしてロボット生産の受託を中心としたEMS事業の立ち上げにも取り組み、富士ソフトのPalmi、トヨタのKIROBO miniなどの受託実績もあがっている。  とくに、PCの再定義としてはVAIOが目指す姿を『快』とし、PCは生産性、創造性を高める最高の道具であり、「快が仕事の生産性を高める」という姿勢を強調。VAIOが開発、販売する製品の基本コンセプトをここに置いた。  また、法人向けビジネスを強化。これが、昨今の法人向けPC市場の好調ぶりという追い風に乗り、業績を拡大することにもつながっている。ここでは、法人向けの製品開発体制や営業体制だけでなく、保守・メンテナンス、サービス・キッティングといった点からも体制を整備。これにより、法人向けの販売比率を高めた。実際、法人向けのPC販売は、この3年間で2倍に拡大したという。  企業においては、導入することができるPCをあらかじめ選定する動きがあるが、情報システム部門からの評価が高まり、VAIOを導入可能な製品に認定する企業が増加しているという。VAIOによると、こうした企業ではVAIOの指名率が高く、社員からデザインが格好いいなどの声が出ており、「若い社員のモチベーションアップにつながっている」とする企業もあるという。  大田前社長によるVAIO設立以来の3年間の成果は、3年連続での最終黒字、2年連続での営業黒字を達成。売上高は100億円未満だったものが、200億円規模へと約2倍に拡大。さらに利益は3.2倍に拡大した。まさに、成長に向けた収益構造が確立できたといえよう。  そして3代目となる吉田 秀俊社長は「今後3年間で目指すのは、VAIOのブランド価値を高めることに尽きる」とし、「人間では、ようやく標準体重になったところ。私はこれから筋肉質な体質にしたいと考えている」と語る。 法人向けと海外展開の強化を狙う  吉田社長は1956年11月、東京都出身。1980年3月上智大学外国語学部卒後、同年4月日本ビクター(現JVCケンウッド)に入社。2008年には、JVCケンウッドの代表取締役社長に就任している。その後、2011年にオプトレックス取締役副社長執行役員兼営業本部長に就任し、2012年にはエルナーの代表取締役社長執行役員に就任している。  「30年間に渡り、エレクトロニクス業界に在籍し、主に海外営業を担当してきた。アナログ時代からデジタル時代への変革を経験し、そこでは苦戦の経験もしてきた。2011年以降は2社の車載向け電子部品メーカーで、車載ならではの品質の重要性について学ぶことができた」とし、「私はハンズオン経営という自分のスタイルがある。モノづくりの原点である現場現物の課題を解決することに力を注いできた」と語る。そして、「VAIOの経営においても、高所から見るだけではなく、一緒に汗を流す経営を進めたい」と、自らの経営スタイルを示してみせた。  吉田社長が掲げる「VAIOのブランド価値を高める」という点については、次のように語る。  「VAIOはブランドであり、会社そのものがブランドとなっている。4~5年後に向けて企業価値を高めていくには、VAIOのブランド価値を高めることが必要である。そのためには、『快』をコンセプトにしたモノづくりを継承し、弱いところは強め、強いところはさらに強くしていく。とくに法人向けビジネスをさらに拡大させ、ビジネスユースに対して最高の『快』を届け、ビジネスマンのためのPCであるという認知を高めたい。法人向けビジネスはさらに倍増させたい」とする。 「快」を体現したフラッグシップモデル 「快」を体現したフラッグシップモデル  さらに、ロボットなどの受託事業を、NB(New Business)事業とし、「単に製造を請け負うだけでなく、試作や量産のための設計支援、コンサルティング、アフターサービス、品質保証なども提供し、黒子として受託するだけでなく、パートナーとして一緒にやっていく。アイデアを持っている人のモノづくりを支援したい」と語る。  さらに北米や南米(ブラジル、アルゼンチン、チリ、ウルグアイ)に続き、6ヵ国目の海外事業として、中国に進出。eコマースにより中国全土をカバーし、ノートPCの販売ではトップシェアを持つJD.COMと連携し、VAIO Zのクラムシェルモデル、VAIO S13を投入する計画を発表した。  「かつて中国市場では、年間100万台規模の販売実績があった。だが、数字を追求して火傷をするようなことはしない。ハイエンドで攻め、まずは数万台でスタート。新たなVAIOの灯を灯していく」と意気込む。 VAIOから日本のエレクトロニクスを元気にしたい  そして第3のコア事業として、ソリューション事業を新たに開始する姿勢を明らかにした。  まずはVRソリューション事業に参入。VRに関する開発、制作、運営ノウハウを持つABALと提携。「VAIOは主に法人向けにVRに関するハードシステムの導入、保守、コンテンツ制作、運営企画に至るまで、フルソリューションを提供するITサービス会社として顧客の課題解決を進める」とし、「VRの世界がこれからやってくる。そして、5年、10年先にはVRが一般化する。そこを深堀りしていくことが有益であり、VR時代の先駆けになりたい」とした。  吉田社長は、「ここ数年、国産ブランドの勢いはどこにいったのかと言われたが、VAIOは小さく仕切り直して、成長路線に入っていく。そしてVAIOから、日本のエレクトロニクスを元気にしたい。『もっと輝け、日本のブランド』という気持ちがある。これは自分たちを奮い立たせるメッセージでもある。『もっと輝け、VAIO』という気持ちで、VAIOのブランド価値を高める」などと述べた。  吉田社長は「私はDOS時代からITに興味を持っており、自作PCは12台目」と、PCを長年使い続けているコアユーザーであることを示しながら、「VAIOの社長就任の話をもらったときには、心から喜んだ。そして、光栄であると感じた」とコメントする。  4年目に入ったVAIOは、すでに3人目の社長というショートリリーフで成長路線を描くことになるが、PC好きで、エレクトロニクス業界を知る吉田社長が、VAIOの事業を第3弾ロケットとしてどんな勢いでVAIOを加速させることになるのだろうか。これまでの社長とは異なる手腕に注目が集まる。

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