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「歌舞伎を若者に知ってほしい」――デジタル技術と融合「超歌舞伎」再び、見どころは プロデューサーに聞く

ITmedia NEWS のロゴ ITmedia NEWS 2017/04/26
「歌舞伎を若者に知ってほしい」――デジタル技術と融合「超歌舞伎」再び、見どころは プロデューサーに聞く: 画像:ITmedia © ITmedia NEWS 提供 画像:ITmedia

 「伝統芸能×ニコニコの融合」――VOCALOIDキャラクターの初音ミクと歌舞伎役者の中村獅童さんが共演する新作歌舞伎「花街詞合鏡」(くるわことばあわせかがみ)が、ドワンゴのイベント「ニコニコ超会議2017」(4月29〜30日、千葉・幕張メッセ)で上演される。昨年の超会議で初上演された「超歌舞伎」の第2弾だ。

 昨年の超歌舞伎は、中村獅童さんが3D映像で“分身”し、生身の本人とリアルタイムに同じ動きをしたり、初音ミクの口元の動きに合わせて声が出たり――など、最新技術を活用した演出が話題に。2日間で約5000人の観客を集め、ネット配信の視聴者数は累計16万回に上ったという。

 そんな前作のヒットに続き、今年は、江戸の花街を舞台に花魁(おいらん)を演じる初音ミクと伊達男の中村獅童さんの恋物語を描くという。劇中歌には、ニコニコ動画で人気のボーカロイド曲「吉原ラメント」を採用した。「どんな最新技術が使われるのか」「パワーアップした演出は」「見る前に知っておきたいポイントは」――超歌舞伎の横澤大輔総合プロデューサーに見どころを聞いた。

●「歌舞伎をもっと若者に知ってほしい」

―― 今作「花街詞合鏡」が製作されるに至った経緯は。

横澤プロデューサー ありがたいことに昨年初上演した「今昔饗宴千本桜」(はなくらべせんぼんざくら)は会場が超満員となり、ニコニコ生放送での累計視聴者数は16万人以上を記録しました。さらには、さまざまな賞をいただくなど、各界からご好評をいただきました。

 その実績を踏まえた上で、今年はさらに進化した技術を使って、また違った見せ方ができると確信しました。私が「超歌舞伎プロジェクト」に着手した当初からの願いである、「歌舞伎をもっと若者に知ってほしい」という強い思いもあって製作を決定しました。

―― 昨年と比べて演出や映像、音楽などで大きく変わるところ、パワーアップしているところは。

横澤プロデューサー 昨年はファンタジーの要素を含んだ「時代物」というジャンルでしたが、今回は(民衆の生活を題材にした)「世話物」です。江戸の廓(くるわ)を舞台にした、恋物語が中心のストーリーになっています。

 そのため、数々の文献を基にCGで江戸の町を完全再現しました。初音ミクの装飾品や着物も細部までこだわっています。劇中歌「吉原ラメント」は、もちろん「超歌舞伎」用にアレンジして録音しました。

―― 前回はNTTが技術協力し、中村獅童さんが“分身”したり、初音ミクの映像に合わせて声が出たりなどの演出が話題を呼んだ。今回はどのような技術が使われるのか。

横澤プロデューサー 前回話題となった「分身の術」の進化版をお見せします。パワーアップしたNTT様の最新テクノロジー「Kirari!」により、昨年よりもさらに精緻で滑らかな映像をお楽しみいただけます。

 また今年は、複数の被写体抽出システム(リアルタイムで被写体を切り出し、分身の映像を作り出す技術)を同時に運用し、中村獅童さんと、その恋敵を演じる澤村國矢さんのそれぞれの分身同士が、バーチャルで迫力ある立ち回りを演じます。

 さらに240台のスピーカを客席を囲むように並べて、客席にまで飛び出す迫力ある音を作り上げます。雷鳴や鈴の音などがすぐ近くで聞こえてくる、驚きの演出となっています。

―― これに注目しながら見ると、より楽しめるというポイントは。

横澤プロデューサー どこに注目するかは、人それぞれだと思っています。それこそ、会場に来られる方は、コスプレしたり、サイリウムを振ったりしながら、楽しんで見てください。超歌舞伎は今までになかった新しい歌舞伎の要素も多く含んでいます。

 ニコニコ生放送でご覧になる方は、ぜひコメントで演出に参加してください。あなたも一緒に「超歌舞伎」の世界を作ってください。

―― 今回初めて「超歌舞伎」を見ようと思っている人、昨年に続いて待ち望んでいる人にメッセージを。

横澤プロデューサー 今回の超歌舞伎では、初音ミク演じる初音太夫が「廓」(くるわ)という狭い世界から勇気を持って外に飛び出します。外にはもっと自由な世界があり、それを知るには、一歩踏み出す勇気が必要ということ。これは、今の時代を生きていく上で、1つのヒントになり得るかもしれません。

 昨年初めて歌舞伎を知った人、まだ知らない人、どちらの人にとっても、今年の「超歌舞伎」は新しい世界を体験できる、興味深くて面白いコンテンツになっていると自負しています。とにかく「歌舞伎って難しそう」と思わずに、ぜひ一度ご覧ください。

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