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「縛り一切なし」をうたうFREETELの999円プラン、端末価格で3年間の“実質縛り”

ITmedia NEWS のロゴ ITmedia NEWS 2017/04/17
「縛り一切なし」をうたうFREETELの999円プラン、端末価格で3年間の“実質縛り”: 佐々木希さんと高田純次さんが「999円」をPRするスマートコミコミ+プラン © ITmedia NEWS 提供 佐々木希さんと高田純次さんが「999円」をPRするスマートコミコミ+プラン

 佐々木希さんと高田純次さんがテレビCMで「999円」の格安スマホプランをアピールしている「FREETEL」。その999円プランこと「スマートコミコミ+プラン」の実情を見ると、イメージとはかけ離れた“罠”が仕組まれていると一部ネットユーザーから指摘されている。どういうことか。

●スマートコミコミ+プランとは

 FREETELは、プラスワン・マーケティングが手掛けるMVNOサービス。SIMロックフリースマートフォンの端末代金と通信プランを合わせて月数千円台前半と、大手通信キャリアと比べて格安で利用できるのが売りだ。

 中でもスマートコミコミ+プラン(以下、スマコミ)は、スマートフォン本体と通信料、10分以内の電話かけ放題を合わせて月額999円(税別、以下同)から使えるというもの。

 この月額999円というのは、

・端末ラインアップの中からFREETELブランドのAndroidスマートフォン「Priori 4」を選び、

・通信プランを段階制の「使った分だけプラン」にし、

・月に使う通信量が100MB以内

 ――という限られた状況で成立する。2年目からは月額が1500円プラスになるため、999円で使えるのは契約してから1年間だけだ。

 これだけであれば、期間限定の最低料金プランをアピールしているにすぎない。だが、このプランの価格設定の一部とその表示方法、注意事項に「罠がある」と、一部のネットユーザーから指摘され始めたのだ。

●問題の「価格」

 それはスマコミの端末価格だ。スマコミのページを見ても、サービス料金と合わせて月額○円としか書いておらず、端末のみの価格は確認できない。

 そこで「スマートコミコミ+に申し込む」をクリックしてひとまず端末を選択。プラン選択画面に進めると、ここでようやく「※補足」という文字列が出てくる。

 この小さな文章の中に端末価格が書いてあるのだが、FREETELから通信契約なしで買えば一括1万4800円であるはずのPriori 4が、スマコミでは月々の支払いが980円で36回払い、つまり合計3万5280円という、2倍以上の価格に設定されている。

 この価格設定は、スマコミで扱っている他の端末も同様で、例を挙げると「KIWAMI 2」は通常一括価格4万9800円のところがスマコミでは9万円、「VAIO Phone A」は通常一括2万4800円のところがスマコミで5万7600円といった具合だ。

 端末価格が通常価格より高いということ自体は、商品の値付けに関して販売者の裁量もあるので直接責めるところはない。しかし、申し込みを進めないと端末代が分からず、それも「補足」として小さな文字で添えられているだけなので、ユーザーによっては気づかずにスルーしてしまう可能性も大いにある。

 もし、ユーザーが十分に端末価格について理解せずにスマコミを契約し、通信品質や端末品質に不満を持って3年未満で解約したくなったとする。FREETELは「契約解除料」を設けていないので、解約に当たってこれを支払う必要はないが、端末の割賦代金は契約した時点で発生するので、これは確実に払わなければならない。

 極端な例を考えると、スマコミでPriori 4のプランを契約して1カ月未満で解約すると端末代金と1カ月分の通信料を合わせて3万5299円を支払わなければならない。

 もう少し現実的な例を挙げると、999円プランを12カ月使用した後、2年目から1500円値上げされる前に解約する場合は、解約時に残債を980円×24カ月、計2万3520円支払うという計算になる。

 これでは、「縛りを嫌う」というFREETELを運営するプラスワン・マーケティングの増田薫社長の発言とは裏腹に、実質的に端末価格に解除料を上乗せしていると見えてしまう可能性もある。「FREETELが選ばれる理由」という同社のページには「端末がお得(適正価格)」と「解約手数料&基本契約の『2年しばり』がないので気軽に導入いただけます!」とあるが、スマコミはこれに逆行するプランではないか。

○「とりかえられ〜る」から高くない?

 他方で、スマコミには「とりかえ〜る」という制度があるため、さほど高い価格設定とはいえないと反論する声もある。

 とりかえ〜るは利用開始後1年間で端末を破損しなかった場合、あるいは利用1年半以上経過してから端末を破損した場合に、残債を免除して利用端末を最新機種に「取り換えられる」という制度だ。つまり、「1年間使えば残債なしで最新機種に乗り換えられるのだから端末に対して額面ほど払うことはない」というような意見もある。

 しかし、例えばとりかえ〜るで満1年間利用後に別の端末に「取り換える」と、読んで字のごとくそれまで使用していた機種はFREETELに回収されてしまう。先ほどから例に挙げているPriori 4であれば、満1年間で980円×12カ月、すなわち1万1760円を端末代金として払った上で端末が回収されることになるが、この額は通常の一括価格1万4800円と3040円しか変わらない。通常一括価格で買っていれば当然手元に残るはずだった端末が回収され、端末に払う額も一括価格とそう変わらないのは、果たして「お得」といえるのだろうか。

 さらに、取り換えた先の最新機種もスマコミで36回の分割払いが始まるため、残債の問題は解決しない。FREETELの契約を解消するには、どこかのタイミングで残債を払うか3年間契約を維持するしかないというわけだ。

○契約が不成立でも端末代金は払うはめに?

 端末価格が記載された「※補足」欄にはもう1つ気になる文言がある。

 「MNPのお申し込みの場合で、MNPの切り替えがなされなかった場合は、FREETEL SIMの契約が不成立となりますので、セット価格分を一括請求とさせて頂きます。」という一文だ。

 これは、他社からMNP予約番号を持ってスマコミの契約を申し込み、MNPのキャンセルや与信審査などで結果的にFREETELと契約を結べなかった場合、端末価格を一括請求する、と書いてあるようにも読める。従来の大手キャリアの契約形態と照らし合わせれば、通信契約が通らなかった際は端末の売買契約も無効になるのが常識であるように思えるが、「セット価格分を一括請求」というのが端末価格の一括請求を指すのであれば、「契約を申し込んだ時点で絶対に端末代金だけは払わせる」という意思を感じる。これも「契約が不成立」という特殊な場合に出現する「罠」だとはいえないか。

●回答に時間がかかるFREETEL その間にサイレント修正も

 一連の問題について筆者が観測している限りでは、4月7日にライターの中山智さんがこれを指摘するツイートをして以降、話題が大きくなった。筆者も4月10日時点で上記に関する質問をFREETEL宛てに送っていたが、現在までに回答は来ていない。17日に電話で担当者に確認したところ「今週中の回答を目指す」という。

 一方で公式サイト上では動きがあった。「とりかえ〜る」の注意事項に

・「とりかえ〜る」を利用して機種変更を行う場合は、そのときにお使いのスマートフォンを返却していただく必要があります。該当機種ご利用3年目以降は返却の必要はありません。

 という文があったのだが、現在は

・「とりかえ〜る」を利用して機種変更を行う場合は、お使いのスマートフォンを返却していただく必要があります。ただし、該当機種ご利用4年目以降(または端末代金のお支払い完了後)は返却の必要はありません。

 と、利用年数について「3年目」から「4年目」に変更されている。変更後の文意をくむと「利用機種の分割払いが終了していれば返却の必要はない」ということ。一方、変更前の文を素直に読むと「利用3年目、つまり利用満2年以降でのとりかえ〜る使用で残債なし、かつ返却の必要もない」という意味になっていた。

 これは単純に日本語のミスなのだろうが、この文言修正について公式サイト上のプレスリリースなどでは何のアナウンスもなかった。「2年使えば利用端末を返却せずに次の機種に換えられるのがいいよね」という理由で契約している人がいる可能性もあるが、そのような契約者に説明する責任はないのだろうか。

 4月13日には、国民生活センターから「こんなはずじゃなかったのに!“格安スマホ”のトラブル−料金だけではなく、サービス内容や手続き方法も確認しましょう−」と題した注意喚起も発表された。特に事業者を名指ししているわけではないが、「料金だけではなく、サービス内容や手続き方法も確認しましょう」というのは今のFREETELにぴったり当てはまるようにも思える。

●「日本品質」とは

 常日ごろから「日本品質」をうたうFREETEL。利用者の誤認をさそうプランと、日本語の間違いをひっそりと修正する姿勢が彼らの考える「日本品質」なのだろうか。

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