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「週末映画館でこれ観よう!」今週の編集部オススメ映画は『ホワイト・バレット』

Real Sound のロゴ Real Sound 2017/01/06 株式会社サイゾー
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 リアルサウンド映画部の編集スタッフが週替りでお届けする「週末映画館でこれ観よう!」。毎週金曜日にオススメ映画・特集上映をご紹介。今週の担当者は、リアルサウンド映画部のロン毛担当・宮川翔。 参考:ジャ・ジャンクー最大のヒット作『山河ノスタルジア』は、新時代の中国国民映画となる ■『ホワイト・バレット』  2017年に入って初めての週末。今週末公開の作品には、公開規模こそ大きくないものの、作家性の高い監督の新作をはじめとする幅広いジャンルの作品が並んでいる。そんな中、筆者が激推ししたい作品は、我らがジョニー・トー先生の最新作『ホワイト・バレット』だ。  ジョニー・トーといえば、第58回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され高評価を得た『エレクション』、ラストの銃撃戦は涙なしに観ることができない『エグザイル/絆』、ジョニー・アリディを主演に迎えフランスと香港の合作で製作された『冷たい雨に撃て、約束の銃弾を』など、男たちの生と死やヒロイズムを描き続けてきた、香港を代表する映画監督だ。  ただ、近年の彼の作品にはいささか物足りなさを感じていたファンも少なくないはず。筆者もそのひとりだ。2013年に公開された『名探偵ゴッドアイ』はコメディ色の強い作品だったし、2015年の第16回東京フィルメックスで上映後、昨年「カリコレ2016」で限定上映された『香港、華麗なるオフィス・ライフ』(原題:『華麗上班族』)はミュージカルで、ジョニー・トーならではの銃撃戦が鳴りを潜めていたからだ。  そんなファンにとって、今回の『ホワイト・バレット』は何の心配もいらない。仲間の助けを待つマフィアの容疑者、事件解決のためなら手段を択ばない冷酷な警部、医者としての使命感に燃える女医の3人による駆け引きが、“病院”というほぼワンシチュエーションで銃撃戦とともに繰り広げられるのだ。まさにジョニー・トー節がこれでもかと言うほどに炸裂した会心の一作になっている。88分という尺の潔さもあるのか、中国ではジョニー・トーのノワール作品の中で過去最高の興行収入を記録。ジョニー・トーのファンでない一般層にも開かれた作品なので、是非ともその“一撃”を体感してほしい。 ■『The NET 網に囚われた男』  香港のジョニー・トーに続いて推したいのは、こちらもアジアを代表する韓国の鬼才キム・ギドク監督の最新作『The NET 網に囚われた男』。福島の原発事故をテーマに、オール日本人キャスト、全編日本で撮影されたにもかかわらず、未だ日本未公開(「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭 2016」のみで上映)の前作『STOP』(日本公開切望!)に続く本作は、韓国と北朝鮮、南北の分断をテーマにした社会派ヒューマンドラマだ。  主人公は北朝鮮の漁師ナム・チョル。いつも通りモーターボートで漁に出たナム・チョルだったが、魚網がエンジンに絡まり、ボートが故障してしまう。そのままボートは流され、国境を越え韓国へ。スパイ容疑で韓国の警察に拘束された彼を待ち受ける過酷な運命とは……。  『プンサンケ』(監督:チョン・ジェホン)や『レッド・ファミリー』(監督:イ・ジュヒョン)など、過去にも南北分断をテーマにした作品で脚本や製作を手がけてきたキム・ギドクだが、本作では初めて監督も務めている。どの時代よりも緊張関係が非常に高まっている南北の問題を、本格的にシリアスにアプローチしたいという思いがあったという。  そういう意味でも、バイオレンスな描写を極力排除して、監督の社会的・政治的なメッセージを色濃く反映したこの作品を“いま”観る意味は非常に大きいと言えるだろう。(宮川翔)

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