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「週末映画館でこれ観よう!」今週の編集部オススメ映画は『14の夜』

Real Sound のロゴ Real Sound 2016/12/23 株式会社サイゾー
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 リアルサウンド映画部の編集スタッフが週替りでお届けする「週末映画館でこれ観よう!」。毎週金曜日におすすめ映画・特集上映をご紹介。今週は、映画部の二次元担当、泉夏音がご紹介します。 参考:すべてはおっぱいのためにーー青春映画『14の夜』はなぜ愛おしいのか?  今年最後の一大イベント・クリスマスを控え、街ゆく人々の賑わいがピークに達している今週末。幸か不幸かイベント日と重なったこの三連休を、どのように過ごそうか悩んでる人は少なくないはず。  そんなクリスマスムード一色の週末におすすめしたいのは、馬鹿でエロい、思春期真っ只中の男子中学生たちのドタバタ劇を描いた青春映画『14の夜』。色恋沙汰とは無縁、女の子との妄想で頭がいっぱいのイケてない男子4人組が、“好きな女の子”と“おっぱい”のためだけに奮闘する姿は、情けないけどなぜか胸を打つものがあります。  監督・脚本を務めたのは、安藤サクラ主演作『百円の恋』の脚本を担当した足立紳。ニートのダメ女と中年ボクサーの恋を描いた同作では、主人公が恋愛やボクシングを通して変化していく模様を痛々しくも力強く描き上げ、第39回日本アカデミー賞の最優秀脚本賞に輝きました。  80年代の田舎町を舞台に展開される、主人公・タカシ(犬飼直紀)と同級生のどうしようもない日常。友人と異性の妄想話で盛り上がったり、徒党を組んでレンタルビデオ屋のセクシー映画コーナーを探索するなど、はたから見たら呆れ返るような言動の数々には、身に覚えのある人も多いはず。それと同時に、異性に素直になれないジレンマ、主人公たちが持つ性への衝動や悩み、将来に対する漠然とした不安には、かつて自分が抱いて思春期特有の感情とリンクする部分が多く、「こいつらださいなー」と笑いながらも、「こうゆう時代もあったな」とノスタルジックな気持ちが込み上げてきます。  田舎臭い先輩ヤンキーたちとの戦い、情けない父や家族への反抗、そして幼馴染の女の子との淡い恋などなど。くだらなくも愛おしい青春の恥部がふんだんに盛り込んであり、どちらかというとアンチクリスマス的な作品ではありますが、『ボーイズ・オン・ザ・ラン』(三浦大輔監督)や『色即ぜねれいしょん』(田口トモロヲ監督)といった、非モテ系男子映画にシンパシーを感じる方にはぜひ観ていただきたい一本です。  ちなみに筆者としては、タカシの父親を演じる光石研のダメ親父っぷりが一番のツボ。それと、持ち前のわがままボディを惜しげもなく披露する浅川梨奈(SUPER☆GiRLS)、成熟した女性の艶っぽさが滲み出る内田慈の二人には、主人公と同様によこしまな気持ちを抱いてしまい、鑑賞後は映画部の二次元担当として情けない気持ちになりました。 ■溝口健二&増村保造映画祭 変貌する女たち  『14の夜』のタカシ同様に、中高生の頃“エロ”を求めてふとした拍子に見た映画が、増村保造監督の『卍』と『痴人の愛』です。確かに、エロい。でも、ただエロいのではなく、覗いてはいけない人間の性を覗いてしまったような危うさ、そしてゾクゾクする面白さがこの2本にはありした。以来、すっかり増村映画の虜に。日本映画らしくない雰囲気をまといながら、実はどの作品よりも日本映画らしい、そんな矛盾した感想を思わず持ってしまう魅力が増村映画にはあります。また、女優・若尾文子の名前を覚えたのも増村映画でした。  今回の特集上映のサブタイトルにもなっているように、増村映画の女優たちは映画の中で、“変貌”していきます。その中でも『赤い天使』の若尾文子さんの艶やかさたるや。ひたすら“与える”行動を取り続ける従軍看護師・さくらをまさに“天使”として体現しています。戦争を描いた作品として、性と死を描いた作品として、日本映画史に残る傑作です。  と、ここまで書いて、もう一人の監督・溝口健二に触れることができておりませんが、言うまでもなく溝口映画も、山田五十鈴、京マチ子、田中絹代……と名女優たちの幻のような美しさを堪能できる傑作ばかり。どの作品を観てもハズレ無し。スクリーンで観ることができるこの機会に、溝口・増村映画を楽しんでほしいです。(泉夏音)

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