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「2.5次元」と「漫画実写化」は何が違う? 2.5次元ドラマ『男水!』の演技を考察

Real Sound のロゴ Real Sound 2017/02/11 株式会社サイゾー
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 現在、日本テレビで土曜深夜に放送されているドラマ『男水!』は、「花LaLa online」で連載中の漫画が原作で、同時に同じキャストでの舞台化も決定しているプロジェクトである。 参考:深夜ドラマ、個性的な作品生まれる理由 “製作委員会方式”のメリットを読む  出演しているのは、松田凌、宮崎秋人、安西慎太郎、赤澤燈、佐藤永典、小澤廉、池岡亮介、神永圭佑、廣瀬智紀といった、若手俳優たち。彼らに共通しているのは、『ミュージカル・テニスの王子様』や、舞台『弱虫ペダル』、『あんさんぶるスターズ! オン・ステージ』、『おそ松さん on STAGE』、『ミュージカル刀剣乱舞』など、所謂「2.5次元」と呼ばれる人気の舞台で活躍してきたことだ。   しかし、現在ではよく見かけるようになった「2.5次元」という言葉の定義はあいまいだ。漫画、アニメ、ゲームなど、2次元を原作にしたものなら、なんでも2.5次元というのかと思いきや、山﨑賢人が主演するような少女漫画原作のラブコメディドラマや映画、大泉洋が主演するような漫画原作映画が、厳密には「2.5次元」の範疇にあるとしても、わざわざ「2.5次元」という言葉とともに語る人はあまりいないのではないだろうか。  では、現在、一般的に使われている「2.5次元」とは何なのか? ということを考えたとき、この『男水!』はその答えを明確にしてくれる気がする。  多くの「2.5次元」の俳優に取材をすると、ストレートプレイの演劇やドラマや映画などで演じるときの芝居と、「2.5次元」で演じる芝居の方法は違うと語る。「2.5次元」で俳優が意識せざるを得ないのは、先にアニメ化されているときに自分の役を演じている声優の声の出し方であるという。もちろん、そのまま真似してもいけないが、そこからまったく離れた声を出しても、原作ファンの期待を裏切ってしまう。そして、「2.5次元」というのは、アニメの中での会話のような、独特の声の出し方や間というものを、演技に取り入れているものを、現在は総称しているのではないかと思う。  しかし『男水!』は、漫画原作ではあるが、アニメ化はされていない。にも拘わらず、俳優たちは、まるでアニメの中で語られるような声で演技をしている。実は、アニメ化よりも先に舞台化される作品もあれば、すでにアニメ化されている原作の舞台であっても、アニメの中にはまだ出てこないキャラクターを俳優が初めて演じることがある。俳優が考えたそのキャラクターの声が、「オリジナル」の声になる場合もある。この『男水!』も、俳優たちが、オリジナルの声を作っているのだ。  舞台で活躍している俳優が、映像でも演じるプロジェクトとしては、「BSスカパー! オリジナル連続ドラマ『弱虫ペダル』」があり(この作品に関しては、全員が舞台と同じではないが)、第二弾の制作も決定している。この作品を見たとき、これは、深夜に放送しているアニメを、人間が演じるバージョンだなと、個人的には思ったし、深夜帯でこうした作品も増えるのではないかとみていた。  しかし実は、舞台と映像作品を同時に進めるプロジェクトというのは、珍しいことではない。鈴木拡樹のデビュー作である『風魔の小次郎』は舞台とTOKYO MXでもドラマ化を同時進行で2007年に制作しているし、『男水!』に出演のや宮崎秋人、赤澤燈も出ていた『Messiah メサイア』は、2015年にTOKYO MXでのドラマ版、映画版をやはり同時に制作している。  実際には、舞台のスケジュールが数ヶ月先(人によっては一年先かもしれない…)までぎっしり詰まった人気者を抑えるのは至難の業であるが、「2.5次元」で実力をつけた俳優たちが数多く育った今、こうした立体的なプロジェクトが今後どのように発展していくのか楽しみである。(西森路代) ※2月12日、記事内の事実誤認を訂正いたしました。

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