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「docomo with」「サブブランド」「ラグビー」「顧客対応」――NTTドコモ株主総会一問一答

ITmedia Mobile のロゴ ITmedia Mobile 2017/06/21
「docomo with」「サブブランド」「ラグビー」「顧客対応」――NTTドコモ株主総会一問一答: 初めて株主総会の議長を務めた吉澤和弘社長 © ITmedia Mobile 提供 初めて株主総会の議長を務めた吉澤和弘社長

 NTTドコモは6月20日、第26回定時株主総会を開催した。同社の吉澤和弘社長が議長となり、第26期(2016年度)の事業報告を行った後、第27期(2017年度)から取り組む中期戦略「Beyond宣言」と第27期の事業方針説明と、第26期の監査報告と内部統制報告が行われた。

 株主総会は、株主が経営陣に直接質問できる貴重な機会でもある。今回の総会では、来場した約2000人の一般株主のうち10人が質問に立った。この記事では、体裁を整えた上で主なやりとりをご紹介する。

 なお、本文中の写真は全て、会場の別室に設けられたモニターを撮影したものとなる。また、本文中の役員の肩書きは株主総会前のものを使っている。あらかじめご了承いただきたい。

●株主A:「docomo with」と「2in1」について質問

―― 「docomo with」という魅力的なプランが出たが、こちらの展開方針について伺いたい。

 こちらのプランは端末の購入が(適用の)条件と認識しているが、すでに2年以上同じ端末を使っている人やSIMロックフリー端末に対する対応はどう考えているか。

大松澤清博取締役 docomo withは、1つの端末を長くおトクに使いたいというお客さま向けのプランとして導入した。

 当社は今まで、お客さまから頂いた声を踏まえてご利用の少ないお客さまや多いお客さま、あるいは長期利用のお客さま向けなど、継続的にお客さま還元をしてきたところであるが、今回は「長く(1つの)端末をお使いの人向け」に、ということにさせていただいた。

 対象端末はスタートに当たって2機種としたが、これからもっと魅力的なものを増やすように検討していきたい。また、今後もひとりひとりのライフスタイルに寄り添うような、安心して長く使い続けられるような料金プランのさらなる充実を検討していきたい。

 引き続き、さらに使いやすい料金プランとお客さま還元をさらに検討し、結果として当社を長く使って頂けるように顧客基盤を強化して事業の成長に資するようにしていきたい。

吉澤社長 既存のお客さま対応やSIMロックフリー端末についてのご質問があったので、私からも補足させて頂きたい。

 対象端末を購入してdocomo withに加入したお客さまが、手持ちのSIMロックフリー端末を使う場合はdocomo withの端末として使うこともできる(※)。そういう意味では、(対象端末購入から)2年経過して3年後、4年後もずっと1500円引きで使えるということになる。

 対象端末は今後も増やしていき、既存の(docomo with対象ではない)端末にどう適用していくかは検討していきたいと思っている。

※筆者注:docomo withが適用された回線契約のSIMカードをSIMロックフリー端末を含むdocomo with対象外端末に挿入することを指す。

―― FOMAで提供している「2in1」のような追加番号サービスを今後どうするのか。

大松澤取締役 現段階では仕様上困難であるため、スマートフォンでの2in1の提供を見送っている。お客さまの要望を鑑みて検討してはいるが、規格上の観点から現時点での提供予定はない。

●株主B:配当や自己株式取得に関する方針を質問

―― 「世界恐慌」や「リーマンショック」並みの経済危機が起こった場合、配当金や自社株買いを維持するつもりなのか、それとも減らすつもりなのかのか。減らす場合は具体的な数字で教えてほしい。

佐藤啓孝取締役 株主還元を充実・強化していくことは重要な経営課題の1つであると認識しており、それに向かって取り組んでいる。社長も説明したが、配当については継続して増配していく方針で取り組んでいく。自己株式の取得についても、株価の状況、当社のキャッシュ(資金)の状況、成長投資に振り向ける配分の状況などの要素をきちんと見極めながら機動的に取り組んでいきたいと考えている。

 今お話頂いたような、世の中の極端な状況については、あまり想定していない。株主還元の充実に引き続き取り組んでいく。

―― 自社株買いについて、しない場合に比べると株価が上がるとは思う。しかし、個人投資家の視点からすると、自社株買いで上がった株価は「げた」を履いているようなものだと認識している。長期保有の個人株主にとって、株価ショックで「げた」が外れた際に余計に株価が下落してしまう懸念がある。長期保有の個人株主にとって、自己株式取得にはどういうメリットがあるのか。

佐藤取締役 自己株主の取得について、株価に与える影響は一概に言うことは難しい。一般的には、自己株式を取得するとROE(自己資本利益率)やEPS(1株あたりの利益)といった効率性を示す指標が向上することが想定される。また、市場から株式を買い取ることになるので、需給バランスが改善する効果もある。

 従って、1株あたりの価値が向上することが期待できる。そのため、当社では株主還元の一環として増配に加えて自己株式取得に積極的に取り組んでいきたいと思っている。

●株主C:個人株主のドコモファン減少を問う

―― ドコモは昔、株価が盛り上がって(高くなって)、投資家のドコモファンもいたかと思うが、今は(ファンが)少なくなっているように思う。それはなぜか。

中山俊樹副社長 ドコモファンが少なくなっているという指摘について、少し残念に思うが、私たちは必死になって(ファンを増やそうと)頑張っている。ここ1、2年は株価も非常に堅調に推移しているが、もっと高く、もっと上昇軌道に乗っけるべく経営陣一同頑張っているところだ。これからもファンを増やしていくように頑張っていく。応援願いたい。

●株主D:ドコモの還元施策とサブブランド・MVNOに対する考え方を質問

―― 顧客還元施策について聞きたい。ドコモでは6月まで「ゴチ4」という還元施策をやっていると思うが、他社と比べるとCMでの告知がなくソーシャルだけ(の訴求)で、対象年齢も狭いように思う。この取り組みに対する評価と、今後の還元施策についてどう考えているのか伺いたい。

辻上広志取締役 今回の(ドコモの)学割は、他社と違ってシンプルで分かりやすい料金プランを出すと同時に、すでに契約済みの人にはポイントで還元したり、毎月おトクを感じてもらえる施策をいくつかの企業とコラボレーションする形でやってきたりした。(学割の提供期間が)終わったばかりで評価はこれからだが、若い人を中心にたくさん使ってもらえたと理解している。引き続き、他社の動向を見つつ、新しいアイディアを実現していきたいと考えている。

―― MVNOについて聞きたい。ソフトバンクは「Y!mobile」、KDDIは「UQ mobile」を(サブブランドとして)持っている中で、ドコモは他のMVNOに任せているような感じがする。高単価のユーザーは自分でやって、そうでもないユーザーはMVNOに任せる方針かな、と思っていたが、docomo withは広告表現上「(1人追加ごとに)280円から」という訴求をしている。

 このような格安プランを出すということは、ドコモ自身がMVNOをやる考えもあるのか、低料金のMVNOとのすみ分けをどのように考えているか、伺いたい。

大松澤取締役 docomo withは先ほど話した通り、1つの端末を長くおトクに使いたい人向けのプランとして出した。また、通話の少ない人、あるいは家族間通話中心の人向けに「シンプルプラン」を出した。これらはお客さまの声を踏まえて、いろいろな利用形態に対応すべく作ったもので、今後も継続的に一番適切なお客さま還元をしていく。

 MVNOに対しての考え方だが、現在のMVNOのほとんどはドコモのネットワークを卸サービスとして使っているものであるという実体がある。そういう意味では、(MVNOサービスのユーザーの多くは)ドコモのネットワークのお客さまともいえる。MVNOは(通信サービス上の)競合関係にあるのは事実だが、ある一面では協業してビジネスに取り組むチャンスもある。

 当社は今までもMVNO市場の活性化に積極的に取り組んできたが、当社だけではできないIoT(モノのインターネット)やM2M(機械間通信)分野など、新たな市場の開拓も実現している。いろいろな連携をして良い面もたくさんある。

 従って、MVNOに関しては「競争」と「連携」の関係であることをビジネスとしてとらえながら、ドコモはドコモで“1つのブランド”として(サブブランドなどに)分けることなく、継続的にお客様還元、アフターサポートの強化などをしっかりやっていくことで、当社を長く使っていただき、さらなるブランド強化につなげることができると考えている。

吉澤社長 私からも補足説明させていただきたい。大松澤(取締役)の話の通り、MVNOには当社の回線をたくさん使っていただいていて、その点で当社は連携させていただいている。今後もどんどん(回線を)使っていただきたいと思っている。

 (Y!mobileやUQ mobileといった)セカンドブランドは、料金は安いがアフターフォローや親身になった相談がなかなかできていないと(考えている)。当社もdocomo with(という安価なプラン)を提供させていただいているが、お客さまに対するサポートは(beyond宣言の)「宣言3」とも関連してしっかりやらせていただく。そういったものをなくして料金だけを安くするようなセカンドブランドは、ドコモとしては出すつもりは今のところ全くない。

●株主E:ラグビーチーム「レッドハリケーンズ」の活用を提案

―― ドコモの利益剰余金について説明してほしい。現在合計で4.4兆円程度あるかと思うが、昨今の東芝、あるいは少し前の日立製作所の巨額損失でも1兆円程度だったと考えると、「リスク対応」としては2〜3兆円程度あれば十分なように思う。残りを従業員や株主への還元、あるいは既存事業・新事業への投資に充てても良いと考えるが、この4.4兆円に妥当性はあるのか。

佐藤取締役 当社の場合「別途積立金」「繰越利益剰余金」という形でバランスシート上に(法定積立義務のない利益剰余金を)を確かに多く持っている。別途積立金については、会社の不測の事態に備えて積み立てているので、毎期の配当の原資とすることは考えていない。

 「剰余金が多すぎではないか?」という点については、東芝さんのように(巨額損失)リスクがあってそれに備えてというものではない。報道されるところによると、東芝さんの場合は買収した海外企業の「のれん」が毀損(きそん)して痛みを受けざるを得なくなった(巨額損失を計上せざるを得なくなった)のではないかと推測している。その面でいえば、当社ののれんは全体として2000数百億円程度しかないため、そういった(のれん毀損による)リスクはない。

 今後、利益剰余金の使い方についてはいろいろ検討したい。

―― ドコモのラグビーチーム「レッドハリケーン」がトップリーグに復帰した。株主総会でレッドハリケーンについて触れられていないのが少しさみしいが、実はこれがビジネスの柱とまでは行かないまでも1つのコンテンツになりうると考えている。

 2019年には日本でラグビーのワールドカップがあり、日本のラグビーチームの実力アップもあり、ラグビー人気も回復しそうである。また「スーパーラグビー」に日本チームが参加するようになって、日本でもその試合を観戦できるようになった。

 レッドハリケーンズを大きく育てれば、「DAZN」のようなソフトウェアの1つとして期待できる。また、本拠地の「ドコモ大阪南港グラウンド」は近隣に空き地も多く、関西国際空港に非常に近い。自前の大きなスタジアムを持って、レッドハリケーンズをスーパーラグビーに参加できる規模に育てれば、ラグビー熱のある大阪周辺からはもちろん、海外からの集客も見込めて、収益も得られると思う。

 これらの点について、どう考えるか。

中山副社長 スポーツはとても大切なビジネスだと考えている。野球やサッカーを含めて、日本人はスポーツをコンテンツとして非常に好んでいる。「DAZN for docomo」はすでに50万、60万のユーザーがいて、サッカーやラグビー、テニスなど世界のさまざまなスポーツコンテンツを楽しんでいる。

 それ以外にも、スポーツに関してはよりビビッドによりワクワクする体感をもって見ていただけるように、スタジアムの内外におけるソリューションをモバイルや通信の技術で実現していきたいと考えている。ラグビーだけではなく、サッカーの「Jリーグ」とも緊密な連携を取りつつ、新しいスポーツ体験の仕掛けを2020年に向けて作っていきたい。

 ご指摘の通り、2019年にはラグビーのワールドカップもある。当社としても、ラグビーの試合をしっかりお届けできるように、これから専門のチームを作って対応していきたい。

 ドコモは幅広くスポーツを支援し、それを幅広く体験いただけるサービスを提供していくので、応援していただきたい。レッドハリケーンズも、より広く知っていただけるように頑張って、今年のシーズンを良い成績で乗り切っていきたい。

●株主F:ドコモのインドでの係争と中国事業の見通しを問う

―― 事業報告の「重要な事項」にもある、インドにおけるTata Sons(タタ・サンズ)との係争について、記載の説明では良く分からないのでもう少し詳しく教えてほしい。また、海外事業の重要性がこれから増すと思うが、それを成功させるために社長はどうような考えを持っているのるか。

中山副社長 Tata Sonsはインドの財閥であるTata Groupが所有する持株会社で、その子会社であるTata Teleservicesに、当社も総額2600億円を出資して共同事業を展開していた。しかし、当初の目的が残念ながら達成できず、インド市場の厳しい競争環境の中、つらい判断だったが撤退を決めた。その際に、当社は契約条項にもとづく株式の買い取りを請求したが、そこで係争が発生した。

 2015年1月にロンドン国際仲裁裁判所に仲裁の申し立てを行い、2016年6月に当社が全面勝訴した。命令を執行してもらうためにインドのデリー高等裁判所に別途申し立てをしたところ、2017年4月に執行容認判決を取得した。現在、その支払いに向けたインド国内法上の手続きを進めているところだ。

 今後の海外事業については、私からは基本的な考えを説明し、後で議長(吉澤社長)に補足してもらうことにする。

 当社のグローバル戦略は3つの軸で展開している。1つは通信事業者として「コミュニケーションビジネス」を軸に展開している。当社のお客さまが海外の通信事業者を介して通信したり海外のお客さまが当社のネットワークを通じて通信したりできるサービスを「ローミング」と呼んでいるが、これを使う時の値段を安くしたり、サービスのラインアップを拡充したりしている。

 次に、「グローバルスマートライフビジネス」として、当社が注力している「スマートライフ事業」で展開しているサービスを海外でも使えるように取り組んでいる。6月(28日)からは、その一環としてグアムにおいて「dポイント」サービスの提供を開始する。グアムに行く予定のある人は、ぜひdポイントカードも持って出かけてほしい。

 3番目には、「プラットフォームビジネス」として自動車を支えるIoTビジネスやモバイル決済サービスのグローバル展開を進めている。

吉澤社長 プラットフォーム事業についてはヨーロッパでDOCOMO Digitalを通して展開している。世界中のキャリアに対して課金・認証プラットフォームを提供しているが、(beyond計画の)「宣言6」にもある「パートナーの商流拡大」は海外も視野に入れた上で進めていきたいと考えている。

―― お隣の中国は、いろいろな面で大きな動きを見せている。通信事業の分野で中国とどのような取り組みをしているか。あるいは将来、どのような取り組みをしようと考えているか。

中山副社長 中国は人口(の多さ)はもちろん、経済も伸び盛りの国。この巨大市場に、当社としてどうやってアプローチしていけば良いのか日々模索しているところだ。

 通信事業は政府の関与が非常に多く、影響力も大きいので、国内の通信事業にそのまま入っていくのは難しいことが長年の経験から分かってきた。現在は、中国において最大手である中国移動通信(China Mobile)と強力な連携を取ってサービスを共同展開する形で取り組んでいる。

●株主G:「女性・若者への投資アピール」や「株主総会のあり方」を提案

―― 携帯電話と同様に株式も多世代な人にもってもらうべきだと考える。例えば女性や若い人に、ドコモ株式をどのようにアピールしているのか。

佐藤取締役 当社では主に個人株主や機関投資家に事業を説明する「IR活動」に普段から取り組んでいる。確かに、当社は「B2C」のビジネスモデルなので、個人株主、例えばご指摘の女性や若い人にも魅力を持って投資してもらおうと考えている。

 例えば、全国の主要都市を回って個人株主向け説明会を定期的に実施して、直接ご質問にお答えして当社のビジネスについて理解していけるように取り組んでいる。また、年に2回発行する「ドコモ通信(株主通信)」で分かりやすくビジネスを紹介したり、WebのIR情報サイトでも情報を提供したりしている。

 最近では、個人株主から施設見学の要望があるので、本社ショールームの見学会やABC Cooking Studioで料理教室を実施するなどして、個人株主に(ドコモを)身近に感じてもらえるような取り組みも行っている。

―― 先ほどの質問と重なる部分もあるが、より多くの株主が参加しやすい日程(土日祝日)での実施や、友達、彼女(彼氏)や家族と来られるような総会の実施を考えてみてはどうか。

中山副社長 素晴らしい意見ありがとうございます。すごく勉強になった。

 現在の会場(ホテルニューオータニ)は、多くの株主の来場を想定して、大人数を収容できること、交通の便が良いこと、災害時発生時の体制がしっかりしていること、バリアフリー施設が充実していることなどを勘案して使わせていただいている。若い人、女性やお子さまがいらっしゃる人が来やすい環境を作れているどうかは、当社としても反省すべき点がたくさんあると思う。

 この意見を真摯(しんし)に参考とさせていただき、今後の株主総会に生かしていきたい。

吉澤社長 総会はたくさんの株主に来てもらうために、どうしても制約が出てしまう。

 先ほど佐藤(取締役)も言っていた通り、個人投資家とコミュニケーションを取る場をさまざまに設けているが、そこでご提案していただいた女性や若い人が来やすい環境の構築を検討していきたい。

●質問者H:社長の人柄を評価するもショップの対応に不満

―― ドコモの考え方を知りたくて、株式を100株買い(※)、2万円の経費(交通費)をかけてやってきた。

 株主総会の話を聞いて、吉澤社長の人柄が素晴らしく、芯がしっかりしていることが分かった。企業の社会的役割についてもよく分かっていらっしゃることも分かった。

 しかし、その考えが末端まで行っているのか疑問だ。電車を降りて駅から出て、右も左も分からないので(駅前に立っていた案内係に)「地図ない?」と尋ねた所、笑顔1つなく、ぶっきらぼうな態度を取られた。吉澤社長の笑顔を見せたいぐらいだ。

 また、タブレット用の(充電)アダプターが合わなかった際のドコモショップでの対応も疑問を持った。ドコモショップはきれいな女性店員が多く大好きだったが、この件の対応で一気に嫌いになった。電話の「お客様相談室」でも対応が変わらなかった。

 これは、一部の人間の対応なのかどうか、上層部の考え方そのものなのか確認したい。

吉澤社長 この度は不快な思いをさせてしまって申し訳ない。状況を把握していないので、総会終了後に「ご相談カウンター」に立ち寄って、ぜひ詳細を教えていただきたい。

辻上取締役 この度はご迷惑をお掛けしてお詫びをしたい。

 ドコモショップの対応では、お客様の声について真摯に耳を傾け対応するヒューマンなな部分を重要視している。(ショップを運営する)代理店だけではなく、当社でも研修を行い、資格制度を設けて基本から応用まで訓練をしている。それでも至らず、不快な思いな思いをさせてしまって申し訳なく思っている。お客様相談室での対応についても、機械的になってしまったのだとしたら申し訳ない。

 お客さまのご要望を理解し、最適なものを提案し、納得の上で購入してもらい、仮に故障が発生した場合でもきちんとした対応することが当社としての方針だ。しっかり対応させていただきたいので、ご面倒でも(総会の終了後に)ご相談カウンターに足を運んでいただきたい。

※筆者注:ドコモの株式は100株単位で売り買いできる。株主総会での質問権を得るために、この質問者は最低単位である100株の株式を購入したということだ。

●質問者I:東京ディズニーリゾートへのスポンサー効果を質問

―― 私はソフトバンクが不満でドコモに家族3人で移行した。ドコモの株式も、親子3人で買った。今回はドコモの考え方を聞いてみたいと思い、株式を買って初めて総会に参加した。

 私は(ドコモで)スマホを初めて購入した。「スマホを使いこなしたい!」と思ったので、「スマホ遠隔サポート」や「スゴ得コンテンツ」なども契約した。スマホ遠隔サポートはとても良かったが、スゴ得コンテンツについては遠隔サポートでも対応できなくて最後まで理解できず、結局嫌になってしまって2年契約の満了時にスマホをやめてしまった

 社長の「料金ではなくサービスでやっていく」という理念は大切だが、それを末端までぜひ行き渡らせてほしい。

辻上取締役 お客様対応に至らない点があったとしたら申し訳ない。

 「応対が冷たい」「事務的である」といったご指摘をいただく事もあるが、お気持ちをきちんと的確に把握し、丁寧にお答えする、心情を理解できるようなヒューマンなスキルを磨いていきたい。

 遠隔サポートでスゴ得コンテンツのサポートをしきれなかった点について、当社では問い合わせ内容に応じてコールセンターを別に設けている。そのため、全てについて対応できるわけでないので、問い合わせ内容によっては専門的な窓口に転送することもある。もしも株主様のご要望に応えられなかったとしたら、申し訳なく思う。

―― スゴ得コンテンツの話について、せめて入っているコンテンツに関する連絡先を教えてもらおうと思ったのだが、(問い合わせ窓口でも)分からなかった。コンテンツとして掲載しているのに、連絡先が分からないというのはいかがなものか。

吉澤社長 当社に問い合わせて分からないことついて、横(組織間)の連携をしっかりとして、対応すべき場所をきちんと答えられることは重要だ。この点について、さらにしっかりとやっていきたい。

―― 広告の費用対効果はどうなのか。例えば、「東京ディズニーリゾート」で一部施設でスポンサーをして広告をたくさん出していると思うが、他のスポンサー企業と比べると事業との相乗効果をあまり感じない。本当に効果はあるのか。

中山副社長 ディズニー(リゾートの施設に対するスポンサー出資)に関しては費用対効果は良いと考えている。

 イベントをディズニーリゾート内で行うことでブランドイメージの向上につながっているし、(ディズニーリゾートから割り当てられる)一定量のチケットについては、イベントやキャンペーンのプレゼントとして活用している。また、モバイルや通信を使った試みを共同でやっている。サービス面からプロモーション面まで含めて考えると、費用対効果は非常に良いので継続している。

 (同じような理由から)当社は(大阪の)「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)」とも連携させていただいている。

―― ユーザーは「即物的」なサービスを好む傾向にあると考えている。ソフトバンクの「SUPER FRIDAY」は大変人気を集めていると思うが、ドコモとしてドコモらしい還元方法は考えているのか。

中山副社長 最近では「dポイント」をたくさん使ってもらおうと宣伝をさせていただいている。また、クーポンや割引、ポイントの増量キャンペーンなどさまざまな施策を行っている。

 「dポイントクラブ」のアプリを確認すると、間違いなく他社にも負けないおトクが並んでいる。いくつかのキャンペーンではローソンやマクドナルドとも協業して、若い人たちに楽しんでもらうこともしている。

―― 最近マクドナルドが「楽天スーパーポイント」に対応したが、そのことは把握しているか。

吉澤社長 もちろん存じております。

●質問者J:女性の幹部登用とショップ教育について問う

―― 役人の選任において、女性役員が少ないと感じる。他の企業と比べて極端に少ないという訳ではないが、女性を増やすことで新たな(事業)展開も見えてくるのではないかと思っているので、ぜひ実現してほしい。

丸山誠治取締役 現在の女性役員は、取締役1人、監査役1人の計2人となる。企業戦略上、さらなる成長軌道を確立するためには多様な人材、特に女性の活躍が必要であると考えており、経営上の重要な課題として(女性役員候補の育成や役員への登用を)推進している所だ。

 執行役員については2017年に新任として1名の女性を登用し、計2人となる。幹部層での女性比率は全体の4.4%で、今後もこの比率を向上すべく取り組んでいく。

―― 先ほどドコモショップについての質問(苦情)が出た。私は(株主総会に出るようになって)6年目だが、毎年何らかの形でドコモショップへの(ネガティブな)意見が出てくる。私も何回か(ドコモショップで)嫌な思いをしている。

 ドコモショップは対外的には「ドコモの顔」で、ドコモの直営店であると思っている人も多い。しかし、実際は(ドコモが運営を委託する)「代理店」であって、店員も代理店の社員であるから、ドコモの顔であるという意識がないのかもしれない。

 ショップの店員の育成をしっかりやって、来年(2018年)の総会からはドコモショップに関する苦情の質問が出ないようにしてほしい。

辻上取締役 当社としても、たゆまず努力をしている所ではあるが、まだまだ行き届かない面もある。

 ご指摘の通り、ドコモショップは独立した代理店が運営している一方で、ドコモの顔でもあり、そこでの応対がドコモの評判を決めると重々肝に銘じている。先ほども申し上げた通り、代理店での教育に加えて、当社でも研修や資格制度を設けているほか、当社の代理店営業担当がチェックや監査も行っている。

 一方で、商材が増え、(接客において)難しい対応が求められる場面も増えていることを踏まえて、より長く仕事を続けられる、働きやすい職場環境作りに取り組み、新しい技術を使ったスタッフを支援する仕組みを活用していく。

 来年、こうしたご指摘をいたかないように努力していきたい。

吉澤社長 ショップは全国に約2400店舗ある。これらはドコモと一体となって運営しているもので、「ドコモの顔」になってもらわないといけない。

 私も社長になってから100以上のドコモショップに行って、スタッフと直接話をさせていただいている。その時はドコモの事業運営方針や中期戦略の浸透もはかるが、私自身は「商売の鍵はお客さまだ」「お客さまの価値を上げることが何より重要なんだ」ということに常にスタッフに語りかけている。

 来年の株主総会では、このような指摘をされないよう努める所存だ。

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