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「iPhone 8 Plus」のカメラはどれだけ進化したのか? 7 Plusと撮り比べ

ITmedia Mobile のロゴ ITmedia Mobile 2017/09/28 16:30
「iPhone 8 Plus」のカメラはどれだけ進化したのか? 7 Plusと撮り比べ: iPhone 8 PlusとiPhone 8 © ITmedia Mobile 提供 iPhone 8 PlusとiPhone 8

 毎年恒例、新型iPhoneカメラ性能チェックのコーナーがやってまいりました。

 今回、iPhone 7 Plusがデュアルカメラを搭載してきたときのようなインパクトはない……んだが……。

 撮ってみると、ん? なんか画質が良くなった気がするぞ、と。ディスプレイがよくなったせいもあるけど、PCに吸い上げて同一条件で見比べると、確かにキレイに写っている。それが最初のチェックポイント。

 続いてデュアルカメラモデルならではのポートレートモードと、iPhone 8 Plusでのみ楽しめるポートレートライティング。

 最後にiOS 11でサポートされたLive Photosの応用機能。

 という感じでいってみよう。

●iPhone 8では暗部の階調と赤や青の発色がよくなった

 ではiPhone 8 Plusのカメラで撮る。iPhone 8のカメラとiPhone 8 Plusの広角カメラは同じものなので8 Plusの方をチェックしていく。

 カメラアプリの撮影画面はこう。左がiOS 11にしたiPhone 7 Plus、右がiPhone 8 Plusだ。

 実はほんのちょっと違うのである。いきなり細かい話で申し訳ないけど、iPhone 8 Plusには「HDR」の項目がない。

 実は、カメラの設定に「自動HDR」ってのが追加されて、これがオンになっていると完全にカメラまかせになってメニューから消えるのだ。

 なのでHDRがなくなったわけじゃない。気にしなくてOK。これをオフにすると、メニューにHDRが現れる。

 で、両方で撮り比べてみる。その前に、相変わらずアジア系Android機が得意な「美肌」「ビューティー」「メークアップ」といった処理はありません。そこはもうカメラ機能に対する思想の違いといっていいんじゃないかというレベルで、そういう処理をしたい人は別途サードパーティー製アプリでやるべし、である、ってことは念頭においといてください。

 さて違いは出るか。

 違うでしょ。色と階調が違う。

 iPhone 8 Plusの方がシャドー部の階調がしっかり残っている。肌の色がちょっと濃いめに出るのは好みではあるが、シャドー部の階調がしっかりしたのはいい。

 もうちょっと分かりやすい1枚。髪の毛や背景のレンガ、唇の色を見るべし。こちらはiPhone 8で撮った写真も入れてみた。

 さて、赤の発色が変わった(だから肌色もちょっと赤みを帯びている)、と思った私は赤いものを撮り比べてみたのである。

 上がiPhone 7 Plus、下がiPhone 8 Plus。望遠カメラで撮影。一目瞭然でした。iPhone 8 Plusの方が赤がキレイ。

 さて、発表会ではiPhone 8のイメージセンサーは大きくて速くなったと言っていた。実際にイメージセンサーがどのくらい変わったのかが気になるところ。でも詳細な情報は公開されていないので、こっちとしてはEXIF情報(撮影情報)を見たり実際に写して画質をチェックしたりするくらいしかできないのである。

 で、撮影情報にはレンズの情報が書いてある。

 レンズの焦点距離は3.99mm。絞り値はF1.8。これ、iPhone 7と同じである。35mmフィルム換算時の焦点距離はiPhone 7が28mm、iPhone 8が29mmとわずかに違うが、撮り比べた限りでの画角(撮影範囲)は同じなので、センサーサイズが変わったとはいいづらい(センサーサイズが変わればレンズか画角も変わるはずだから)。

 恐らくはセンサーサイズというより、センサーの構造が変わったことで1つ1つのピクセルサイズが大きくなったんだろう。

 さらにディテールの描写力も上がっている。その作例をいつものガスタンクで。

 あまりに差が細かいので等倍で並べて見てくださいませ。

 分かりますかね。iPhone 8 Plusの方がディテールの描写力が上がっているのだ。細かくてすみません。

 望遠カメラは7 Plusから変わっていないようだ。写りも同じ。8 Plusも望遠カメラ側に手ブレ補正が付かなかったのは残念だ。

 望遠カメラはiPhone Xでグレードアップしているようなので、そちらを楽しみに。

 もう1つチェックしたかったのが暗所での画質。発表会で、暗いところにも強くなったと言っていた(気がする)し。で、いい感じの暗所を見つけて撮ってみた。

 よく見ると、iPhone 8 Plusの方がISO感度は上がっているのに画質は上。

 ポイントをチェック。

 左がiPhone 7 Plus、右がiPhone 8 Plus。右下の「高電圧危険」って書いてあるあたりを見ると、明らかにiPhone 8 Plusの方が上なのが分かる。

 実際、夜景を撮るとiPhone 8の方が好印象なのだが、暗部の階調が改善されて全体に明るめに見えて、高感度時のノイズが抑えられているってことかと思う。

 つまるところ、基本画質が上がったのは確かだよ、ってことだ。

●自撮りは以前と変わらず、かな

 インカメラ(FaceTime カメラ)のセンサーは700万画素でF2.2と前モデルと同じだ。

 東アジア系のハイエンドAndroid機は、インカメラにAFが付いたりより広角になったり自動で美肌処理かかったりするのが一般的になっているので、自撮りラヴな人にはその辺の機能を内蔵していないiPhoneは不満かもしれない。

 iPhone Xではインカメラでもポートレートモードが使えるようになるのでそっちに期待。

●iPhone 8 Plusのポートレートライティングは一見の価値あり

 iPhone 8はカメラ自体も進化しているけど、それ以上に画像処理の進化がデカい。A11バイオニックチップの威力だ。

 (たぶん)それを駆使したのがiPhone 8 Plusのポートレートライティング機能。これは今のところiPhone 8 Plusのみ(iPhone 7 PlusをiOS11化しても使えない)だ。

 ポートレートモードはiPhone 7 Plusでおなじみですな。簡単にいえば、望遠カメラを使い、望遠カメラと広角カメラの微妙な視差(カメラの位置がずれていることによる写りのズレ)を使って被写体を立体的に捉え、背景をぼかす技術。

 iOS 10のときは「βバージョン」扱いだったが、iOS 11になって「β」が取れた。おめでとうございます。

 で、その応用編として新たにβバージョンとして追加されたのが「ポートレートライティング」。被写体を立体的に捉えることで、もう一歩踏み込んだ処理をしてくれる機能だ。

 分かりやすいようスクリーンショットで比較。まずはポートレート機能のオンオフから。

 さらにライティングを施してみる。用意されたのは、スタジオ照明・輪郭強調照明・ステージ照明・ステージ照明(モノクロ)の4つだ。

 スタジオ照明は、スタジオで人物を撮るときの一般的なライティングで「強い影が出ないよう顔全体に柔らかく光を当てる」もの。

 輪郭強調照明は顔の左右に影を付けて立体感を出すライティング。

 残る2つはちょっと特殊。ステージ上でスポットライトを浴びたイメージ。強烈なスポットライトなので背景は真っ黒に沈んでいる。それをさらにモノクロにしたのがステージ照明(モノ)。こっちはカッコつけたプロフィール写真によさげ。

 スタジオ照明や輪郭強調照明は撮影時にリアルタイムで効果が分かるが、ステージ照明はライトが当たるエリアが丸く示されるので、そこに顔が入るように撮るといい。

 顔は正面じゃなくてもいいしカメラも横位置でもいい。ステージ照明モードにすると、ちゃんと顔だけじゃなくて体も認識しているのだってことが分かる。

 被写体との距離をちゃんと保っていれば(遠すぎたり近すぎたりするのはダメ)、被写体は何でもOKだ。

 あとから編集できるので、望遠カメラ代わりに気楽に使ってもOKな機能だ。特にスタジオ照明はメインの被写体をちょっと明るくしてくれるので重宝する。

●Live Photosがメチャ楽しくなった!

 「iPhone 6s」と同時に登場したLive Photos機能。

 写真を撮るとその前後(最大3秒)の動画を同時に撮ってくれるので、あとから決定的瞬間前後の様子を動画で楽しめるってことで登場したわけだが、いまひとつ使い道がなかった。

 それが何とバージョンアップを果たしたのである。これはiOS 11にすれば旧機種でも使えるのでぜひ。

 ポイントは3つ。1つ目は動画ファイルとして書き出せるようになったこと。2つ目はLive Photosのデータを利用した「長時間露光機能」でスローシャッターな写真を作れるようになったこと。3つ目はLive Photosで撮った動画から静止画を抜き出せるようになったこと。

 まずは動画ファイルから。写真アプリからLive Photosで撮った写真を開き、下から上にスワイプすると「エフェクト」が現れる。ここでループかバウンス(行ったり来たり)を選んで、それを保存するなりシェアするなりすればOK。

 これ、実によくできていて、Live Photosをオンにしていても撮るときって静止画感覚で撮るから、手がブレたりしているわけである。でもそれを補正して背景がブレないようにずらしながらつないでくれるのだ。だから画角は少し狭くなるけど、きれいな動画になる。昔撮ったLive Photosでも有効。

 2番目は「長時間露光」。Live Photosは動画であるわけで、動画ってことは微妙に動いている静止画を時系列で並べて連続表示したものなわけである。

 で、Live Photosの動画をバラして1枚の静止画に合成することで「長時間露光」で撮ったような、つまりシャッタースピード2〜3秒のスローシャッターで撮った様な写真を作れるのだ。

 論より証拠。

 以前撮ったLive Photosでも編集できる。

 3番目は静止画の切り出し。iOSの編集アプリでLive Photosを開くと、動画の時と同じようにコマ送りで動画を見られる。その中で気に入った瞬間を選んで「キー写真」に設定するだけでOK。

 するとそれを静止画として使えるのだ。

 めちゃ便利な機能で画像サイズも十分(3662×2744ピクセル)だが、やはり動画の一部切り出しなので画質は落ち、ディテールはかなり甘くなる。

 写真素材として使うにはこころもとないが、SNS用に使うくらいなら十分なわけで、「誰でも決定的瞬間を撮れる機能」として使ってOKだ。

 これができるなら4K動画から任意のヒトコマを静止画として切り出す機能も欲しかったわー。

●動画の進化もめちゃスゴイ

 さて、iPhone 8と8 Plusであるが、動画も強化された。なんと4K動画で60fps、さらにフルHDで240fpsの超高速撮影ができる(それを秒30コマで再生するので、8分の1倍の超スローモーションになる)。

 この2つは実はめちゃスゴイ。今、4K動画を撮れるカメラはいくつも出ているけど、たいていは30fps止まり。より動きが滑らかな60fpsに対応した製品はあまりないのだ。

 さらにスローモーションもフルHD(1080×1920ピクセル)で120fps止まりの製品が多く、240fpsを撮れるのは、少なくとも一般的なデジカメではないのだ。

 これを使うには「カメラ」の設定で「フォーマット」を「高効率」にし、ビデオ撮影とスローモーション撮影の設定も変えればよい。

 フルHDの240fpsや4Kの60fpsはデータ量が多すぎるので、リアルタイムでぐっと減らして書き込んでやらないと間に合わないのだろう。

 スローモーションで撮っただるま落としをどうぞ。

 という感じである。

 なお、高効率か互換性重視かが問題だが、普段使う分には「高効率」で問題ない。ファイルサイズは小さくなるし、書き出すときは原則として標準フォーマットに変換してくれるから。

 最後にフルーツパフェの写真でもどうぞ。

●iPhone 8/8 Plusのカメラを使ってみて

 今回、しばらくiPhone 8と8 Plusを使ったんだけど、カメラ機能よくなっているわ。総じて画質が上がっていて、処理も速くなったので、レタッチしなくてもそのまま使えるシーンが増えた感じ。

 特に暗部の処理が良くなったので暗いシーンでもちゅうちょなく使える。

 ポートレートライティングとLive Photos(これはiOS 11の機能なので他のiPhoneでも使えるけど)も面白い。

 もう1つ、ディスプレイが新しくなったのはでかい。明るくてきれいで鮮やかなので、撮った写真もきれいに見える。

 iPhone 7の人が急いで買い替えるべきかといわれると、そこまで極端な違いはないけど、6s以前を使っている人は買い替えてよし、な感じだ。

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