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「Microsoft 365」とは何なのか?

ITmedia エンタープライズ のロゴ ITmedia エンタープライズ 2017/08/02
「Microsoft 365」とは何なのか?: 米国ワシントンD.Cで開催されたパートナー向けイベント「Microsoft Inspire 2017」で、サティア・ナデラCEOが「Microsoft 365」を発表した © ITmedia エンタープライズ 提供 米国ワシントンD.Cで開催されたパートナー向けイベント「Microsoft Inspire 2017」で、サティア・ナデラCEOが「Microsoft 365」を発表した

 7月9日から、米国ワシントンDCで開催されたMicrosoftのパートナー向けカンファレンス「Microsoft Inspire 2017(以下Inspire)」で、「Microsoft 365」の提供が発表された。

 Microsoftによる説明では、Microsoft 365とは、「Windows 10 Enterprise」と「Office 365」、そして「Enterprise Mobility+Security」を一緒にして、月額課金(サブスクリプションモデル)で販売するというものだ。

 2016年に開催されたパートナーカンファレンス「Worldwide Partner Conference 2016」では、「Windows 10 Enterprise E3/E5」というWindows 10 Enterpriseのサブスクリプション モデルを発表しているため、Office 365(すでにサブスクリプション モデルで提供中)などと合わせて販売する戦略は特別なものではない。

 Microsoft 365には、EnterpriseとBusinessの2種類が用意されている。Microsoft 365 Enterpriseは、E3とE5に分かれている。Microsoft 365 E3は、Windows 10 Enterprise E3とOffice 365 E3が組み合わされたもの。Microsoft 365 E5は、Windows 10 Enterprise E5とOffice 365 E5が組み合わされたものだ。ある意味、Windows 10 EnterpriseとOffice 365のE3とE5同士を1つのサブスクリプションとして提供する(E3、E5同士のため分かりやすい)。

 Microsoft 365 Enterpriseの価格は、プランや契約などによってさまざまな要素が絡むため、一概にいくらとは明記されていない。Webサイトなどには、パートナーやアカウントマネージャーに問い合わせてほしいと記載されている。

 実のところMicrosoftは、大企業向けにWinodws 10とOffice 365、そしてEnterprise Mobility+Securityを組み合わせた「Secure Productive Enterprise」というソリューションを発売している。Secure Productive Enterpriseは、E3とE5に分かれており、価格はE3が月額36ドル、E5が月額34ドルとなっている。

 構成を見れば、Microsoft 365 Enterpriseとほとんど変わらないため、ある意味Microsoft 365はブランド名を変更したものということもできる。

 Secure Productive Enterpriseは、大企業向けだけだったが、Microsoft 365では、300人以下の企業に向けたソリューションとして、Microsoft 365 Businessが提供される。つまり、大企業から中小企業までをサポートしたソリューションとして、Microsoft 365というブランド名に変更されたと考えるべきだろう。

 一方、Microsoft 365 Businessは、300人以下の企業をターゲットにしている。Microsoft 365 Businessの価格は、月額20ドル(8月2日からパブリックプレビューがスタートする)。Microsoft 365 Enterpriseに関しては、8月1日から購入が可能になっている。

 Microsoftでは、これらの製品をサブスクリプションモデルにすることで、ユーザーに結び付いたライセンス形態へと移行していこうと考えているのだろう。ボリュームライセンスでは、ユーザーもしくは、デバイスに結び付いたライセンスとなっているが、個人が複数のデバイスを持つ現状を考えれば、ユーザー単位のライセンスへとシフトしていきたいのだと考えられる。ユーザー単位のライセンスなら、ユーザー個人がライセンスを持つため、同一個人が利用するという前提であれば、複数のデバイスにOSやOffice 365などをインストールできる。

 今回のMicrosoft 365は、月額サブスクリプションモデルとなっているが、Office 365などの販売形態を見ていると、実質的には「年額」として12カ月分を支払うことが多くなることも予想される。

●Microsoft製品はサブスクリプションモデル中心に

 Microsoftの業績を見ていると、近年のビジネスのメインがクラウドに移行していることは一目で分かる。特にサティア・ナデラCEOに変わってからは、パッケージビジネスからクラウドビジネスへの転換が進んでいる。

 Microsoftは、大企業、中小企業に限らず、Windows 10 Enterpriseの提供も月額サブスクリプションへと移行していこうと考えているのだろう。OSだけでなく、企業が数多く利用しているOffice 365をバンドルしたり、デバイス管理やセキュリティを保つEnterprise Mobility+Securityをワンセットにすることで、Microsoftの一貫したソリューションを広めていくものと思われる。

 さらに、Office 365なども、クライアントのOffice アプリケーションをインストールするだけでなく、クラウド側にデータを集めることで、Microsoft Graphなどを利用して、データをさまざまに活用していこうとしている。データがMicrosoftのクラウドに集中すれば、そこでまた新たなサービスを提供できる。

 例えば、Outlookでグループミーティングを設定しようとすると、参加者のスケジュールをクラウドのAIが確認して、いくつかの時間帯を提案してくれる。これなら、参加者に何度もメールを打って、スケジュール調整をしなくても、簡単にミーティングがセットできる。

 将来的には、クラウドのチャットシステムに問い合わせをすれば、会社の業務規則を参照して申請などの手順を教えてくれたり、営業のプレゼンテーションを作るときに、参考になるPowerPointデータやWordやExcelのファイルを提示してくれたりするようになるだろう(実際日本マイクロソフトの社内では、会議室予約などの一部の機能がチャットボットで運用されている)。

 またOffice 365は、API連携の機能を持っているため、将来的にSalesForceのデータと連携したり、業務のデータベースシステムと連携したりすれば、ワンストップのインフォメーションシステムが構築できるだろう。

 Microsoft 365は、大企業だけでなく、中小企業を含めて、クラウド上でAI機能を持ったサービスを提供するためのキーソリューションだ。Office 365だけでも同じソリューションの提供を受けることはできるが、OSからクラウドアプリケーション、デバイス管理やセキュリティまでを一貫した契約で提供を受けることができるのは、企業にとっては面倒がなく、コスト面でもメリットがある。

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