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「VAIO Pro 11」「VAIO Pro 13」徹底検証――ソニーがHaswellで実現した“世界最軽量”タッチ対応Ultrabook

2014/09/20 01:37

ソニーの技術とHaswellの新機能を融合した新世代モバイル

第4世代Coreを搭載したソニーの新型Ultrabook「VAIO Pro 11」と「VAIO Pro 13」の実力は?

6月に入り、Haswellこと「第4世代Coreプロセッサー」を搭載したPCが続々と登場し、話題を集めている。特にUltrabook向けのUシリーズと2 in 1デバイス向けのYシリーズは、従来のチップセット機能をワンパッケージに統合しているほか、画期的な省電力機能を搭載することでアイドル時の消費電力を格段に下げ、バッテリー駆動時間を飛躍的に延ばせるポテンシャルを秘めているのが特徴だ。

ソニーはこの2013年夏モデルのタイミングで、第4世代CoreのUシリーズを搭載するモバイルPCとして「VAIO Pro 11」「VAIO Pro 13」「VAIO Duo 13」を新たに投入する。いずれもHaswellの新フィーチャーを生かしつつ、同社がこれまで培ってきた技術力を惜しみなく投入した意欲的なモバイルPCだ。

特にVAIO Pro 11とVAIO Pro 13は、11型クラスと13型クラスのタッチパネル搭載Ultrabookにおいて世界最軽量(2013年6月10日時点、同社調べ)をうたう、クラムシェル型モバイルノートPCとして注目されている。

今回は6月22日の発売に先駆け、VAIO Pro 11とVAIO Pro 13の店頭販売向け標準仕様モデルと、ソニーストア直販のVAIOオーナーメードモデル(VOMモデル)を入手できた。店頭モデルを中心に、こだわり抜いて設計されたボディをじっくり紹介するとともに、性能や使い勝手、バッテリー駆動時間などを検証していこう。

ちなみに、店頭モデルは13.3型フルHD液晶ディスプレイを搭載したVAIO Pro 13が1モデル、11.6型フルHD液晶ディスプレイを搭載したVAIO Pro 11が2モデルで、2つの違いはタッチパネル搭載の有無のみだ。VOMモデルでは、仕様をカスタマイズして注文できる。

上段が11.6型モデルの「VAIO Pro 11」、下段が13.3型モデルの「VAIO Pro 13」。今回試用したのは、いずれもブラックのモデルだ


VAIO Pro 11のカラーバリエーション。左からタッチパネル付きのブラック(天面にヘアライン入り)、タッチパネル付きのシルバー、タッチパネルなしのブラック(天面にヘアラインなし)


VAIO Pro 13のカラーバリエーション。左からタッチパネル付きのブラック(天面にヘアライン入り)、タッチパネル付きのシルバー、タッチパネルなしのブラック(天面にヘアラインなし)。VAIO Pro 13でタッチパネルなしの構成が選べるのは直販モデルのみだ

 


「PCの価値を再定義」して生まれた新世代のVAIOノート

ソニーは、VAIO Pro 11/13(そして同時発表のVAIO Duo 13も)の開発テーマを「PCの再定義」と主張する。スマートフォンやタブレットの普及が進む中で、PCはどうあるべきか、PCは何のためにあるのか。「PCでなければいけない理由」を、開発陣の中でも今一度見つめ直した結果、たどり着いた結論が、「何かを作り出そうとするユーザーのためのクリエイティブなツールになりたい」ということだ。

今の時代にマッチした「最高のクリエイティブツールであるPC」を目指すため、これらのVAIOでは2つのアプローチを行っている。

1つは、スマートフォン、タブレットのユーザー体験を取り込むことだ。バッテリー駆動時間の長さ、タッチ操作、薄さ、軽さ、サスペンドからの高速な復帰。こうしたユーザー体験は、スマートフォンやタブレットが支持されている理由であり、これまでのPCが劣っていた部分でもある。これをスマートフォンやタブレットに近づける方向だ。

もう1つは、そのうえでPCならではの利点を伸ばすことであり、VAIO Pro 11/13では特にキーボードの使いやすさ、文字入力のしやすさに強くこだわっている。VAIO Duo 13は、画面の大きさを生かしたクリエイティビティ、ペン入力の操作性という部分にもさらに注力した。

こうして生まれたVAIO Pro 11/13は「スマートフォン、タブレットのユーザー体験を取り込んだ伝統的なクラムシェル型モバイルノートPCの進化形」、VAIO Duo 13は「Windows 8に最適なフォームファクタとして新規市場を開拓した11.6型スライダーハイブリッドPCであるVAIO Duo 11の進化系」となる。

いずれもソニーが培ってきた技術力、モバイルPC開発のノウハウを惜しみなく注ぎ込みんだ新世代のモバイルPCだ。VAIO Pro 11/13は海外生産、VAIO Duo 13は国内生産(長野県・安曇野市)となる(今回はVAIO Pro 11/13のレビューだが、VAIO Duo 13のレビューも後日お届けしたい)。

「VAIO Pro 13」はタッチ付きで約1060グラム、タッチなしで約940グラム

VAIO Pro 11/13のボディデザインは、従来のVAIOモバイルノートに引き続き、六角形状の断面にして剛性を高めた「ヘキサシェルデザイン」だ。

VAIO Pro 13はかつてのハイエンドモバイルノート「VAIO Z」を薄く、軽くしたようなイメージだが、フルフラットではなく、手前側を絞り込んだフォルムを採用している。これはキーボードへのこだわりの一貫であり、パームレストの手前を接地面ギリギリまで下げ、段差をなくすことによるタイピングのしやすさを優先したため、ということだ。

VAIO Pro 13の本体サイズはタッチパネル付きで322(幅)×216(奥行き)×12.8~17.2(高さ)ミリ、約1060グラムだ。VOMモデルで選べるタッチパネルなしの構成だと、322(幅)×216(奥行き)×11.3~15.8(高さ)ミリ、約940グラムまで薄さと重さを減らせる。

ちなみに、2012年夏モデル(最終モデル)のVAIO Z(SVZ13119FJB)は、本体サイズが330(幅)×210(奥行き)×16.65(高さ)ミリ、約1170グラム(VOMモデルの最軽量構成で約1150グラム)だった。

VAIO Zに比べて最厚部は少し厚くなっているが、奥行きが長くなったこともあって、見た目には平べったいイメージが強くなった。重量の差は110グラムほどとわずかだが、それでも厚さと重さで不利になるタッチパネルを搭載しながら、はっきり体感できるほど軽くなった(比較写真は次のページを参照)。

通常電圧版の第3世代Core(開発コード名:Ivy Bridge)を極薄ボディに無理やり押し込めたVAIO Zと異なり、低電圧な第4世代CoreのUシリーズを存分に生かし、前方を薄く絞り込みつつ、さらなる軽量化を実現している。

天面は継ぎ目のない1枚板で美しく仕上がっている(写真=左)。底面にはオプションのシートバッテリーを装着するためのカバー付き端子と小さな2つの穴があるほか、武骨なネジ穴などは一切ない(写真=右)。底面にVAIOロゴを入れていることから、360度見られるデザインを強く意識していることが分かる


ヘキサシェルデザインのボディを継承しつつ、手前に向かって薄くなるフォルムを採用。パームレストの先端が設置面近くの低い位置になることで、キーボードが打ちやすくなっている。真横から見ると、美しい薄型ボディが際立つ

 


「VAIO Pro 11」は前人未到の約770グラム、タッチ対応でも約870グラム

一方のVAIO Pro 11は、VAIO Pro 13を液晶サイズのぶんだけ小さくしたようなフォルムだ。本体サイズはタッチパネルなしで285(幅)×197(奥行き)×11.8~15.8(高さ)ミリ、タッチパネル付きで285(幅)×197(奥行き)×13.2~17.2(高さ)ミリとなる。

フットプリントは11型クラスの液晶を搭載するUltrabookとしてもダントツに小さい。11型クラスの液晶を搭載する多くの競合製品は、薄さを保つためにコンポーネントを横に逃がす設計を採用しているため、画面左右のフレームが広い傾向にあるためだ。

しかし、このVAIO Pro 11の液晶フレームの広さはVAIO Pro 13と変わらない。画面の左右が幅8ミリ、上が幅15ミリほどで、液晶サイズの差からイメージする通りの本体サイズにまとまっているのだ。つまり、13型クラスのUltrabookや他社の11.6型クラスのUltrabookに比べて、決定的な小ささが感じられる。そのサイズ感は、かつて薄型軽量で高評価を得たビジネス向け12.1型モバイルノートPC「VAIO type G」に近い。

そして、何より特筆すべきは、タッチパネルなしで約770グラム、タッチパネル付きで約870グラムという驚異的な軽さだ。かつてソニーは「VAIO X」の名で、11.1型ワイド液晶搭載ながら約655グラムという当時世界最軽量(10型以上の液晶搭載ノートPCにおいて、2009年10月8日発表時点、同社調べ)のノートPCを投入して話題を集めた。しかし、VAIO XのCPUは省電力で低発熱だが、非力なAtom Zを採用していた。

対してVAIO Pro 11は、PC用の主力CPUである第4世代CoreのUシリーズを搭載したうえで、約770グラムまで軽量化してきた。実際に持ち上げみると、フワッと浮き上がるような、いい意味で強い違和感がある。まさしく前人未踏、これまでのモバイルノートPCにはない領域に踏み込んだことを感じる瞬間だ。

VAIO Pro 13と同様、天面は継ぎ目のない1枚板で(写真=左)、底面はVAIOロゴ入りで美しく仕上がっている(写真=右)


ボディデザインはVAIO Pro 13と共通化されており、そのまま一回り小さくしたようなフォルムだ


天面と底面には軽さと強さを兼ね備えた「UDカーボン」を採用する

これだけの軽量化を実現できた要因の1つには、天面と底面の両方に東レ製の「UDカーボン」を採用していることが挙げられる。UDとはUni Directionalの意味で、単一方向に繊維をそろえたカーボン素材だ。繊維を縦横に織り込んだ通常のカーボン素材(クロスカーボン)よりも軽くて薄く、剛性が高い一方、大変加工が難しいとされる。

これまでのVAIOノートで培ってきた加工技術により立体成型を可能にし、軽さと強度を極めて高いレベルで両立することを可能にしたという。昨今はカーボン素材を採用したノートPCも少しずつ増えてきたが、同じカーボンでも差異化を図っているのだ。

ちなみにパームレストはアルマイト処理のアルミニウム、ディスプレイの背面に装着されたバーもアルミニウムを用いており、高級感に配慮している。

VAIO Pro 13/11、VAIO Z、VAIO Tシリーズ13/11を見比べる

以下にVAIO Pro 13とVAIO Pro 11、そして既存のVAIOモバイルノートPCを並べて、サイズや重量の違いを比べてみた。

 

13型/11型クラスのVAIOノート比較
製品名画面サイズタッチパネル奥行き高さ公称重量実測重量
VAIO Pro 13 (SVP13219CJB・S)13.3型ワイド搭載322ミリ216ミリ12.8~17.2ミリ約1060グラム1057グラム
VAIO Pro 13 (SVP1321A1J)13.3型ワイド322ミリ216ミリ11.3~15.8ミリ約940グラム未計測 (見入手)
VAIO Pro 11 (SVP11219CJB・S)11.6型ワイド搭載285ミリ197ミリ13.2~17.2ミリ約870グラム871グラム
VAIO Pro 11 (SVP11218CJBI )11.6型ワイド285ミリ197ミリ11.8~15.8ミリ約770グラム765グラム
VAIO Z
(SVZ13119FJB)
13.1型ワイド330ミリ210ミリ16.65ミリ約1170グラム1165グラム
VAIO Tシリーズ13 (SVT13139CJS)13.3型ワイド搭載323ミリ226ミリ19ミリ約1700グラム1668グラム
VAIO Tシリーズ11 (SVT11139CJS )11.6型ワイド297ミリ214.5ミリ17.8ミリ約1400グラム1394グラム


13.3型のVAIO Pro 13(左)と11.6型のVAIO Pro 11(右)。タッチパネル搭載機で比較した場合、VAIO Pro 13は322(幅)×216(奥行き)×12.8~17.2(高さ)ミリで約1060グラム、VAIO Pro 11は285(幅)×197(奥行き)×13.2~17.2(高さ)ミリで約870グラムだ。13型クラスのタッチ対応Ultrabookでは薄型軽量なVAIO Pro 13だが、画面サイズが小さいVAIO Pro 11はさらに薄くて軽い。タッチパネルなしの構成では、どちらも最厚部が15.8ミリまで薄くなり、重量はVAIO Pro 13が約940グラム、VAIO Pro 11が約770グラムまで軽くなる


13.3型のVAIO Pro 13(左)と13.1型のVAIO Z(右)。VAIO Z(SVZ13119FJB)は330(幅)×210(奥行き)×16.65(高さ)ミリで約1170グラムだ。画面サイズはVAIO Zがわずかに小さい。VAIO Pro 13はタッチパネルを搭載することもあり、VAIO Zより最厚部が0.55ミリ厚く、6ミリ奥行きが長いが、横幅は8ミリも短くなっている。実際は最厚部ではわずかに厚いものの、手前が薄いため、全体としては薄く見える。重量はVAIO Pro 13のほうがタッチパネル搭載の構成でも約110グラム軽く、実際に持ってみても差を感じる


13.3型のVAIO Pro 13(左)と13.3型のVAIO Tシリーズ13(右)。VAIO Tシリーズ13(SVT13139CJS)は323(幅)×226(奥行き)×19(高さ)ミリで約1700グラムだ。どちらもタッチパネル付きの13.3型ワイド液晶を搭載したUltrabookだが、VAIO Pro 13のほうが小さく、薄く、軽い。特に重量はタッチパネル搭載の構成で約640グラムも軽く、500ミリリットルのペットボトル1本ぶんを大きく超える差がある


13.3型のVAIO Pro 13(左)と11.6型のVAIO Tシリーズ11(右)。VAIO Tシリーズ11(SVT11139CJS)は297(幅)×214.5(奥行き)×17.8(高さ)ミリで約1400グラム。画面サイズが大きなVAIO Pro 13のほうが横幅は長いものの、奥行きはほとんど変わらず、タッチパネルを搭載していながら薄く仕上がっている。重量も約340グラム軽い




11.6型のVAIO Pro 11(左)と13.1型のVAIO Z(右)。タッチパネルを搭載した構成では、最厚部でVAIO Zのほうがわずかに薄いが、VAIO Pro 11は画面サイズのぶん横幅と奥行きが短く、重量も約300グラム軽い


11.6型のVAIO Pro 11(左)と11.6型のVAIO Tシリーズ11(右)。同じ11.6型ワイド液晶を搭載したUltrabookだが、画面サイズが違うかのようなサイズ感の差がある。VAIO Pro 11はタッチパネルを搭載した構成でも最厚部で0.6ミリ薄く、約530グラムも軽い。持ち比べてみると、あまりの重さの違いに驚かされる

VAIO Pro 11は約11時間、VAIO Pro 13は約13時間のロングバッテリー

バッテリー容量と公称の駆動時間は、VAIO Pro 11が32ワットアワーで約11時間、VAIO Pro 13が37ワットアワーで約13時間とされている。「VAIO Duo 11」(2012年秋冬店頭モデルのSVD11219CJB)が、39ワットアワーで約7時間だったことを考えれば、格段の進歩だ。

ソニーが公開したVAIO Pro 11(左)とVAIO Pro 13(右)の内部構造写真。パームレストからキーボードの多くの部分を薄型のバッテリーが占有している。メモリはオンボードで実装、ストレージや無線LAN/BluetoothモジュールはM.2(NGFF)端子でつながれている。CPUとチップセットが1パッケージにまとまったため、ヒートパイプとファンの配置もすっきりしている


ユーザーによる内蔵バッテリーの着脱はできない仕様だが、オプションで本体底面に増設する37ワットアワーの拡張シートバッテリー「VGP-BPSE38」(9980円)が用意されている。これを装着すれば、VAIO Pro 11で約23時間、VAIO Pro 13で約26時間と、丸1日バッテリーで使えてしまうほどの長時間駆動が可能になる。

シートバッテリーはVAIO Pro 11/13共用で、くさび型から奥側をえぐりとったようなフォルムだ。装着すると奥側の背が高くなり、パームレストの手前を接地面ギリギリまで下げたデザインが保たれるとともに、本体とバッテリーの間に放熱のための空洞ができる。確かに手前側の厚みが増してしまうと、キーボードの操作感はかなり変わってきてしまうので、このデザインは理解できるところだ。

ただし、シートバッテリーを装着すると、重さは約290グラム増え、最厚部の厚さはタッチパネル非搭載で33.8ミリ、タッチパネル搭載では35.2ミリまで膨らむ。薄型ボディによるバッグでの収まりのよさという利点は損なわれてしまうが、フルフラット世代のVAIOノートからは駆動時間が圧倒的に延びているので、許容できるだろう。

シートバッテリー「VGP-BPSE38」はVAIO Pro 11(写真=左)にもVAIO Pro 13(写真=右)にも装着できる仕様だ。本体底面のバッテリー装着用カバーは、なくさないよう注意したい


シートバッテリーは本体の後方に装着され、最厚部の厚さはタッチパネル非搭載で33.8ミリ、タッチパネル搭載では35.2ミリまで膨らむ


背面からシートバッテリーを装着した状態を見ると、本体の下に放熱用の空間が確保されているのが分かる


本体後部が持ち上がるため、パームレスト手前が設置面に近いデザインは保たれる


VAIO Pro 11(写真=左)とVAIO Pro 13(写真=右)にシートバッテリーを装着した状態を側面から見ると、後方に放熱用の空洞ができている

 


無線LANルータと合体できるユニークなUSB給電機能付きACアダプタ

標準添付のACアダプタは、実測でのサイズが39(幅)×105(奥行き)×27(高さ)ミリ、重量が241グラム(本体のみ196グラム、電源ケーブル45グラム)だ。小型モバイルPCのACアダプタとして特に小さいわけではないが、9ミリほど張り出すDCケーブルの接合部が短辺側についているので、ケーブルを畳んだときに収まりがよく、持ち運びは苦にならない。

新デザインのACアダプタを採用。VAIO Pro 11(写真=左)にもVAIO Pro 13(写真=右)にも同じものが付属する


このACアダプタは特別小さくない代わりに、充電用のUSBポートを1基備えているのがポイントだ。スマートフォンやモバイルルータなどの充電に役立つだろう。ACアダプタの出力仕様は45ワット(10.5ボルト/3.8アンペア)、USBポートからは5ワット(出力5ボルト/1アンペア)の出力が可能だ。

さらにオプションでは、ACアダプタと合体するコンパクトな無線LANルータ「VGP-WAR100」(3980円)も用意されている。ホテルなど有線LANでのインターネット接続を無線LANで共有できるようにする製品だ。2.4GHz帯のIEEE802.11b/g/nに準拠し、純正ACアダプタのUSBポートに差し込んで使用する。VAIO Pro 11/13は本体に有線LAN端子を備えていないため、有線LAN環境しかない場所で使うのに重宝するだろう。

VGP-WAR100は実測でのサイズが39(幅)×33(奥行き)×27(高さ)ミリ、重量が27グラムだ。ACアダプタに接続した場合、実測での合計サイズは39(幅)×135(奥行き)×26(高さ)ミリ、総重量は268グラムだった。ACアダプタに装着したまま持ち運べるのは便利だ。

ACアダプタにはUSB充電機能があり、ここに接続して使える小型無線LANルータ(VGP-WAR100)をオプションで用意している。スティック型ACアダプタのような細長い形で、合体したまま持ち運ぶことが可能だ。側面には「WPS」ボタンも搭載する。無線LANの接続台数は5台以下が推奨されている

システムレベルで大幅な省電力化が可能な第4世代Core

基本システムには、第4世代Coreを中心としたインテルの新世代プラットフォームを採用。Ultrabook/薄型ノートPC向けとされる低消費電力のUシリーズを搭載している。

第4世代Coreは新命令のAVX2(Advanced Vector Extensions 2)をサポートするとともに、それに合わせて内部構造を改良し、浮動小数点演算のピーク性能を2倍に向上させた。もっとも、これはAVX2を前提にした数字で、AVX2対応ソフトウェア以外では性能面のメリットはさほど大きくない。

Uシリーズの大きなメリットは省スペース性と省電力性能にある。CPUパッケージに、CPUのダイとチップセットのダイを実装するため、システムの省スペース化が容易になっているのだ。さらに、C8~C10というCPUの新たなアイドルステート、およびS0ix(S0i1/S0i3)というチップセットを含めたシステムレベルのアイドルステートをサポートしており、大幅な省電力化が可能となった。

もっとも、これらの機能による省電力効果はLTR(Latency Tolerance Report)と呼ばれる割り込みを最適化するための仕組みや、LPM(Link Power Management)といったデバイス側の省電力対応など、メーカー側の作り込みに左右される部分も多く、メーカーの設計能力が問われることになる。

第4世代CoreのUシリーズは、CPUとPCHを1つのBGAパッケージに統合し、ノートPCのさらなる省電力化、小型化、薄型化に貢献する(写真=左)。Windows 8のConnected Stanbyには対応しないが、Intel Smart Connect Technologyにより、似たようなことは可能だ(画像=右)。つまり、スリープ時に一定間隔でインターネット接続し、情報更新(メールチェックなど)を行なえる


店頭モデルの基本スペックはVAIO Pro 11/13で共通

店頭モデルの基本スペックは、VAIO Pro 11とVAIO Pro 13で変わらない。CPUはCore i5-4200U(1.6GHz/最大2.6GHz)を採用している。TDP(熱設計電力)が15ワットのデュアルコアCPUでHyper-Threadingにより4スレッドの同時実行が可能だ。Turbo Boost 2.0に対応し、高負荷時には動作クロックが最大2.6GHzまで上昇する。

グラフィックス機能はCPU内蔵のIntel HD Graphics 4400を利用する。GT1/GT2/GT3に大別される第4世代Coreの内蔵グラフィックスのうち、GT2グレードに該当するものだ。実行ユニット(Execution Unit)数は20基で、上位グラフィックスの「Iris」ブランド(GT3)が持つ40基の半分となるが、第3世代Core内蔵グラフィックスのIntel HD Graphics 4000(16基)より増えている。DirectX 11.1に対応し、最大動作クロックは1.0GHzだ。

CPU-Zの情報表示。VAIO Pro 11、VAIO Pro 13とも店頭モデルはCore i5-4200U(1.6GHz/最大2.6GHz)を搭載する(画像=左/中央)。TDP 15ワットのデュアルコアCPUでHyper-Threadingにより4スレッドの同時実行が可能。Turbo Boost 2.0に対応し、高負荷時には動作クロックが最大2.6GHzまで上昇する。3次キャッシュは3Mバイトだ。GPU-Zの情報表示(画像=右)。グラフィックス機能には、CPU内蔵のIntel HD Graphics 4400を利用する。DirectX 11.1に対応、実行ユニットは20基内蔵している。最高クロックは1.0GHz(VOMモデルで選択できるCore i7-4500Uの場合は1.1GHz)だ


VAIO Pro 11、VAIO Pro 13ともメモリはDDR3L-1600をオンボードで実装し、店頭モデルの容量は4Gバイトだ(画像=右)

メモリはDDR3L-1600を用いており、4Gバイトをオンボードで実装している。薄型軽量のモバイルノートながら、デュアルチャンネルアクセスが可能だ。データストレージは128GバイトのSerial ATA 6Gbps対応SSDを搭載している。今回入手した評価機は「TOSHIBA THNSNH128G8NT」を採用していた。

液晶ディスプレイはどちらもIPS方式で1920×1080ドット(フルHD)表示に対応。独自のカラーフィルターで色域を広げた「トリルミナスディスプレイ for mobile」を採用しており、発色がよい。バックライトの光を正面に集中させる設計で省電力に配慮した「集光バックライト」、超解像技術の「X-Reality for mobile」、用途別の「色モード」設定(あざやか、ナチュラル、テキスト)などの機能も盛り込んだ。

ボディにはステレオスピーカーとデュアルマイクを内蔵し、CLEAR PHASE、xLOUD、S-FORCE Front Surround 3D、ClearAudio+モードといった音響効果に対応する。

VAIO Pro 11(写真=左)とVAIO Pro 13(写真=右)の液晶ディスプレイ。どちらも1920×1080ドット(フルHD)表示に対応した液晶ディスプレイを採用する。「トリルミナスディスプレイ for Mobile」の採用により、発色がよい


通信機能は、IEEE802.11a/b/g/n準拠の無線LANとBluetooth 4.0+HS、NFCを標準装備する。NFCはタッチパッドの下に埋め込まれており、タッチパッドに対応製品をかざして使うユニークな仕様だ。一方、WiMAXやLTEのオプションは用意されていない。

本体装備の端子類は、SDXC対応SDメモリーカードスロット、HDMI出力、2ポートのUSB 3.0(1基はUSB給電に対応)、ヘッドフォン出力(ヘッドセット対応)がある。液晶ディスプレイ上部には、高感度撮影に強い"Exmor R for PC" CMOSセンサーを採用したHD Webカメラ(有効92万画素)も装備している。

VAIO Pro 11の前面にはSDXC対応SDメモリーカードスロットを配置(写真=左)。背面はアルミニウムのヒンジ部で占有され、インタフェース類はない(写真=右)


VAIO Pro 11の左側面にはACアダプタ接続用のDC入力と排気口を用意(写真=左)。右側面には2基のUSB 3.0、HDMI出力、ヘッドフォン出力が並ぶ(写真=右)


VAIO Pro 13の前面(写真=左)と背面(写真=右)にインタフェース類はない


VAIO Pro 13の左側面にはACアダプタ接続用のDC入力と排気口を配置(写真=左)。右側面にはSDXC対応SDメモリーカードスロット、2基のUSB 3.0、HDMI出力、ヘッドフォン出力を装備する(写真=右)


見た目はただの左右ボタン一体型タッチパッドだが、この下にNFCを内蔵している(写真=左)。液晶ディスプレイの上部には、"Exmor R for PC" CMOSセンサー採用のHD Webカメラ(有効92万画素)を内蔵(写真=中央)。HDMIに接続してアナログRGB出力を行うVGAアダプタ「VGP-DA15」(1980円)もオプションで用意する(写真=右)


OSは64ビット版Windows 8をプリインストール。オフィススイートとしてMicrosoft Office Home and Business 2013も導入している。その他の付属ソフトウェアは、おなじみのVAIO独自アプリを中心としたラインアップだ。


VAIO Pro 13のVOMモデルは競合に先駆けPCIe SSDも搭載可能

VOMモデルでは、より高速なCore i7-4500U(1.8GHz/最大3.0GHz)や内蔵セキュリティチップ、64ビット版Windows 8 Proが選べるほか、付属ソフトウェアのカスタマイズが行える。VAIO Pro 11とVAIO Pro 13では選択肢が一部異なり、後者では8GバイトのメモリやハイスピードなSSDが選択できるなど、ハイスペックな構成が可能だ。VAIO Pro 11は軽量化と薄型化を優先した一方、メモリ容量が4Gバイト固定となるのは惜しい。

ソニーが公開した内部構造写真の一部。SSD(長いモジュール)と無線LAN/Bluetoothコンボカード(短いモジュール)は型番が伏せられているが、どちらも新コネクタのM.2(NGFF)を採用。店頭モデルのSerial ATA SSDも、VAIO Pro 13のVOMモデルで選べるPCIe SSDも、横長のM.2型SSDモジュールを装着している

VAIO Pro 13のVOMモデルは、業界に先駆けてPCI Expressインタフェースを採用した「ハイスピードSSD」(容量は256Gバイト/512Gバイト)が選べるのが目新しい。コネクタはM.2(NGFF)を採用し、バス帯域は20Gbps、実効性能は従来SSDの約2倍を実現したという。2012年モデルのVAIO Duo 11などの実測データからすると、シーケンシャルリードは900Mバイト/秒~1Gバイト/秒くらいが期待できる。

今回入手したVAIO Pro 13のVOMモデルの評価機には、512GバイトのハイスピードSSD(PCIe 20Gbps)として「Samsung MZHPU512HCGL」が搭載されていた。パフォーマンスへのこだわりから単一ベンダーの製品で統一しているという。また、VOMモデルで選べる256GバイトSATA SSDには「Samsung MZNTD256HAGL」を採用していた。

なお、店頭モデルでもSSDにはM.2コネクタを採用しており、これにSerial ATA 6Gbpsインタフェースを配線している。

CPU-Zの情報表示。VOMモデルではCore i7-4500U(1.8GHz/最大3.0GHz)も選択できる(画像=左/中央)。Core i5-4200Uと同じくTDP 15ワットのデュアルコアCPUで、Hyper-Threadingにより4スレッドの同時実行に対応。Turbo Boost 2.0の採用で、クロックは3.0GHzまで上昇する。3次キャッシュは4Mバイトだ


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