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「VAIO S11/S13/S15」が刷新 LTE拡充、カーボン復活、法人シリーズも

ITmedia PC USER のロゴ ITmedia PC USER 2017/09/21 13:00
「VAIO S11/S13/S15」が刷新 LTE拡充、カーボン復活、法人シリーズも: 左から11.6型の「VAIO S11」、13.3型の「VAIO S13」、15.5型の「VAIO S15」 © ITmedia PC USER 提供 左から11.6型の「VAIO S11」、13.3型の「VAIO S13」、15.5型の「VAIO S15」

 VAIOは9月21日、主力ノートPC「VAIO S Line」のモデルチェンジを発表した。11.6型の「VAIO S11」、13.3型の「VAIO S13」、15.5型の「VAIO S15」を同日から受注する。発売は9月29日の予定だ(S11のLTEモデルは10月27日)。

 いずれも仕様が固定の店頭モデルと、仕様をカスタマイズして購入できる直販カスタマイズモデルを用意。価格はオープンで、実売想定価格(税別)は店頭モデルのS11が14万7800円前後から、S13が16万2800円前後から、S15が17万2800円前後からだ。直販のカスタマイズモデルはS11とS13が10万4800円から、S15が8万9800円からとなる。

●S11とS13はWindowsデータプラン対応のSIMフリーLTEを搭載

 S11とS13はオフィス業務だけでなく、携帯利用を想定したモバイル重視のモデルだ。「ロケーションフリー」「ストレスフリー」というコンセプトのもと、時間や場所の制約を取り払って幅広いワークスタイルで快適に業務をこなせることを目指した。従来モデルはそれぞれ別のチームが開発を担当していたが、これを統合したことで、基本設計を共通化している。

 大きな特徴としては、これまでS11だけだったSIMロックフリーLTE対応モデルをS13にも拡充した。国内3大キャリアのバンドをカバーし、キャリアアグリゲーション(CA)、カテゴリー9に対応。通信速度は下り最大450Mbps、上り最大50Mbpsに高速化されている(最大通信速度は接続する通信事業者や環境によって異なる)。対応バンドはLTEが1、2、3、4、5、7、8、12、13、17、18、19、20、21、25、26、28、29、30、38、40、41、66、3Gが1、2、4、5、6、8、19とかなり広い。

 SIMロックフリーLTE対応モデルは、国内で初めてWindows 10の新機能「データプラン」に対応。Windows 10データプラン対応SIM(microSIM)が付属する。Windows OSの機能を利用するため、別途ユーティリティーや追加の設定などを行うことなく、契約不要で必要なときに必要なぶんだけWindowsストアからプリペイド式で購入できる。日本の有料データプランは500MB(1日)で700円から。1GB/1カ月無料のトライアルプランも付属する。

 Windows 10データプラン対応SIMはフランスの通信業者であるTransatel製だ。これによりローミングでの接続となるため、通信速度はその影響を受け、国内MVNOの月額プランなどに比べて通信料金が割高になる。2017年内をめどに、ネットワーク改善を予定しているという。このような仕様から、普段はLTE接続しないが、たまの旅行や出張といったスポットで使うといったケースに向く。

 ワイヤレス通信機能はIEEEE 802.11a/b/g/n/acの無線LAN、Bluetooth 4.1も標準装備する。

●S11はカーボン採用で軽量化、S13と共通のザインに

 ボディーについては、S13のデザインにS11を寄せたことで、S11の外観が大きく変わり、約80g減の大幅な軽量化を果たした。特にS11の天面に東レ製の「UDカーボン」を採用したことがトピックだ。S13のマグネシウム合金天板と同等の強度を保ちつつ、約30%軽量化できたという。かつてVAIOの薄型軽量モバイルPCと言えば、先進的なボディー素材としてカーボンを積極的に採用してきたが、新生VAIOのSラインでは初採用となる。

 またS13の従来モデルでは別部品で構成していたキーボードベゼルとパームレストを一体化し、フラットなアルミニウムの1枚板(東洋理化学研究所製フラットアルミパームレスト)とした。これにより剛性を高め、アルマイト染色による塗装はげ防止対策も行っている。S11の従来モデルは全体が高剛性樹脂のボディーだったため、全体の質感も向上した(新モデルの底面はS11、S13とも高剛性樹脂)。

 合わせてキーボードはキートップが剥がれにくいよう改善し、S11のクリックボタン一体型タッチパッドをS13同様の左右ボタン独立型タッチパッドに変更するなど、ビジネスでの長期利用を想定した作り込みがなされている。キーボードに関しては、日本語配列に加えて、英字配列も選べるようになった。

●品質試験は新たに「キーボード水かけ」を実施

 耐久性、堅牢性への取り組みもさらに強化。キーボードベゼルとパームレストを一体化したアルミニウムパネル採用に加えて、底面の高剛性樹脂に補強リブを追加し、ねじれ耐性を高めている他、トップカバー端のオーナメントも単に部品を上から貼り付けるのではなく成型時に形状を付けて内部を補強する構造とし、ボディー全体で剛性を高めた。

 品質試験については、従来からの90cm落下試験、本体ひねり試験、ペンはさみ試験などに加えて、キーボード水かけ試験も追加した。これはキーボード面に150ccの水をかけても、3分間は水が内部に浸透して電源ショートが起きないことを確認するという試験だ(通風口や端子からの水の浸入は想定していない)。3分間の間にシャットダウンを行うことで、データ消失を防ぐことができる。

 UDカーボンやアルミニウムのパームレストなど、体裁の重要部品は国内で調達し、国内(長野県安曇野市の自社工場)での組み立て、仕上げによる「MADE IN JAPAN」にこだわり、これが仕様選択肢の拡大や短納期化にもつながっているという。

●S13は2色、S11は4色展開

 本体サイズはS13が約320.4(幅)×216.6(奥行き)×15〜17.9(高さ)mm、S11が約283.4(幅)×195.5(奥行き)×15〜17.9(高さ)mm。重量はS13が約1.06kg、S11が約840〜860g(構成によって異なる)だ。バッテリー駆動時間(JEITA 2.0測定法による公称値)は、S13が約11.7時間〜12時間、S11が約15時間〜約16時間。

 ボディーカラーは、S13がブラックとシルバーの2色展開、S11がブラック、シルバー、ホワイト、ブラウンの4色展開だ。

●ビジネスに配慮した端子やセキュリティ機能

 セキュリティに関しては、Windows Hello対応の指紋センサー(スタンバイからの復帰にも対応)をパームレスト右に内蔵できる。左側面にはセキュリティロックスロット(ケンジントンロック)も新たに装備した。

 さらに、Phoenix SecureWipeによるBIOSセットアップからのSSD高速データ消去(Serial ATA SSD 128G〜256GBの場合で消去時間は約2秒)、S4やS5の状態からのWake On Lan、ポートやスロットのdisable設定、Windows 10 Pro、ストレージパスワード、セキュリティチップのTPM 2.0など、業務向けの管理・セキュリティ機能を備えている。

 ビジネス向けの端子類も豊富に装備する。S13、S11とも共通の内容で、3基のUSB 3.0ポート(うち1基は電源オフチャージ対応)、SDメモリーカードスロット、1000BASE-Tの有線LAN、HDMI出力、アナログRGB出力(D-Sub 15ピン)を装備。有線LANのカバーにエマージェンシーホールを追加し、接続時にLANケーブルの爪が折れても取り外せるようになった。従来のS11にはHDMI端子がなかったが、ユーザーからの要望で追加したという。画面の上には、92万画素のHD Webカメラも装備する。

 一方、従来のS11で先駆けて採用したThunderbolt 3(USB 3.1 Type-C兼用)端子が省かれた。S11従来モデルのユーザー調査で実際にほとんど使われていなかったこと、法人導入PCの必要要件に含まれないこと、USB Type-C関連規格や製品が多数登場して市場がやや混乱していることなどを理由に挙げている。

●プロセッサは第7世代Coreに移行

 基本スペックは搭載するプロセッサを従来モデルの第6世代Coreから第7世代Coreに更新。Core i7-7500U(2.7GHz/最大3.5GHz)、Core i5-7200U(2.5GHz/最大3.1GHz)、Core i3-7100U(2.4GHz)、Celeron 3865U(1.8GHz)から選択できる。

 メモリはLPDDR3 SDRAMを採用し、最大16GBの大容量に対応する。データストレージはSSDを採用。1TBまたは512GBのMLC PCI Express SSD(第三世代ハイスピードプロSSD)、256GBのTLC PCI Express SSD(第三世代ハイスピードSSD)、そして256GBまたは128GBのSerial ATA SSDから選べる。MLC PCI Express SSDはSerial ATA SSDに比べて、シーケンシャルリードで約6倍、ライトでも約3倍高速という。

 いずれも液晶ディスプレイは1920×1080ピクセルの解像度(フルHD)に対応。S13の13.3型ディスプレイはアンチグレア仕様、S11の11.6型ディスプレイは低反射コート仕様となっており、ともに映り込みを抑えている。

●性能を底上げしたオールインワンノート「VAIO S15」

 S15は光学ドライブを内蔵する15.5型オールインワンノートPC。オフィス内で「持ち運べるデスクトップ」というコンセプトの製品で、モバイル向けのS11やS13が搭載するIntelの2コアCPU(Uプロセッサ)とは異なる4コアCPU(Hプロセッサ)を採用するなど、可搬性より性能や機能に重きを置いている。

 プロセッサは従来モデルの第6世代Coreから第7世代Coreに進化。Core i7-7700HQ(2.8GHz/最大3.8GHz、4コア)、Core i5-7300HQ(2.5GHz/最大3.5GHz、4コア)、Core i3-7100H(3.0GHz、2コア)から選べる。メモリは最大16GBまで搭載可能だ。

 ストレージはSSDとHDDのデュアルドライブ構成に対応。SSDは128GBまたは256GBのSerial ATA SSDに加えて、新たに1TBまたは512GBのMLC PCI Express SSD(第三世代ハイスピードプロSSD)、256GBのTLC PCI Express SSD(第三世代ハイスピードSSD)も選べるようになった。500GBまたは1TBのHDD、1TBのHybrid HDDも選択できる。

 15.5型の液晶ディスプレイは、解像度を1920×1080ピクセルもしくは1366×768ピクセルから選択可能。外光の映り込みを抑えたアンチグレア仕様だ。従来モデルで光沢だった液晶ベゼルはシボ加工の低反射仕様になった。

 キーボードは従来同様テンキーを搭載。従来モデルでクリックボタン一体型だったタッチパッドは、S13やS11同様、左右ボタン独立型になった。

 光学ドライブ(BDXL対応Blu-ray DiscもしくはDVDスーパーマルチ)は従来モデルから引き続き採用し、3基のUSB 3.0ポート(うち1基は電源オフチャージ対応)、SDメモリーカードスロット、1000BASE-Tの有線LAN、HDMI出力、アナログRGB出力(D-Sub 15ピン)、IEEEE 802.11a/b/g/n/acの無線LAN、Bluetooth 4.1、92万画素のHD Webカメラも搭載する。

 S4やS5の状態からのWake On Lan、ポートやスロットのdisable設定、Windows 10 Pro、ストレージパスワード、セキュリティチップのTPM 2.0といった業務向け機能にも対応する。

 本体サイズは380.3(幅)×260.8(奥行き)×25.1(高さ)mm、重量は約2.5kg。バッテリー駆動時間(JEITA 2.0測定法による公称値)は約5.2時間だ。ボディーカラーはブラック、ホワイト、ピンク、シルバーの4色から選べる。

●法人向けの新シリーズ「VAIO Pro」立ち上げ

 またVAIOは法人向け新シリーズとなる「VAIO Pro」の立ち上げを発表した。同社はこれまでもS11やS13の前身となる「VAIO Pro 11」や「VAIO Pro 13」という名前の製品を展開していたが、今回はこれらとは異なり、法人向けラインアップとして定義し直し、B2B販路に最適な製品をソリューションも含めて販売する。

 ベースとなるPC本体製品はB2Cにも展開する前述のVAIO S Line新ラインアップと共通だが、名称はS11が「VAIO Pro PF」、S13が「VAIO Pro PG」、S15が「VAIO Pro PH」と分けられている。同日受注を開始し、直販カスタマイズモデルの最小構成価格(税別)はPFとPGが10万9800円、PHが9万4800円だ。店頭モデルは用意されない。

 VAIO Proでは、PCライフサイクル全体を支えるサービスを拡充。「導入」段階でのキッティングや展開、「運用」段階のデバイス管理、セキュリティ管理、業務効率化、「保守・保証」段階での保証拡張やオンサイトサポート、「リプレース・破棄」段階のデータ消去や買い取りサポートなどをVAIO Proでは提供する。同社によれば、「開発設計から製造まで行うメーカーならではのソリューションを展開していく」という。

 セキュリティ対策としては、PCの紛失や盗難にあった際、個人情報や機密情報のデータを遠隔消去できる「TRUSTDELETE Biz for VAIO」を10月後半以降に提供する。これはワンピが提供するサービスで、ハードウェア内蔵の消去機能「Phoenix Secure Wipe」と連動し、Windows OS起動前にSSDやHDDのデータを消去できる。2018年春には3GやLTEを使った消去命令の発行機能「SMS Push」もサポートする予定だ。

 また、12月中旬以降にはTCG Opal 2.0準拠の暗号化機能付きSSDもBTOメニューに追加する予定。専用ハードウェアによる暗号化機能なので、BitLockerなどソフトウェア暗号化機能に比べてパフォーマンスが低下しないメリットがある。

 同社はVAIO Proの立ち上げに伴い、LTE-Xとの業務提携も発表。LTE-Xが有する「LTE over Wi-Fi」技術を活用したセキュリティソリューションを共同で開発・提供する計画だ。この取り組み強化のため、今後、VAIOからLTE-Xへの出資も検討している。このソリューションはVAIOのPCならびにスマートフォン「VAIO Phone A」に対応する予定。

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