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「Windows 10 Fall Creators Update」の完成を見届けるか、その先の世界へ向かうか

ITmedia PC USER のロゴ ITmedia PC USER 2017/08/28
「Windows 10 Fall Creators Update」の完成を見届けるか、その先の世界へ向かうか: 「Build 16251」で出現した「Skip Ahead」の項目 © ITmedia PC USER 提供 「Build 16251」で出現した「Skip Ahead」の項目

 Windows 10の次期大型アップデート「Fall Creators Update(1709)」の提供開始が間近に迫っているが、これに合わせてMicrosoftから新情報が幾つか入ってきた。一般ユーザーもWindows OSの開発に参加できる「Windows Insider Program」で配信されるプレビュー版「Windows Insider Preview」に関するトピックだ。2017年8月後半のまとめとして、それらを紹介していく。

●RS3の完成を見届けるか、RS4にいち早く進むか

 7月末にWindows Insider ProgramのFast Ring参加者向けに配信されたWindows Insider Previewの「Build 16251」では、受け取るビルドを2種類から選択できるようになった。

 現在開発が進められているFall Creators Updateは通称「Redstone 3(RS3)」と呼ばれており、Windows Insider Program参加者向けに配信されている最新ビルドも「RS3のリリース候補版(Release Candidate)」だ。実際、Build 16251のInsider Previewには「rs3_release」の表記がデスクトップ画面右下のウオーターマークに書き込まれている。

 一方で、RS3の次に計画されている大型アップデート「Redstone 4(RS4)」の開発も並行して進んでおり、完成間近のRS3を引き続き使うか、それともいち早くRS4を試すかという分岐がスタートしたのがBuild 16251配信時だ。この分岐はWindows Insider Program参加者が自ら選べるようになっており、RS4の分岐は「Skip ahead to the next Windows release(以下、Skip Ahead)」の項目で表示されている。

 なお、7月末以降に提供されたビルドでSkip Aheadが選択不能になる現象が確認されている。しかし、Windows 10の最新開発状況を知るための分岐(ブランチ)として現在もSkip Aheadは存在しており、既にこちらを選択済みのユーザーは「rs_prerelease(プレリリース版)」としてのWindows Insider Previewを利用することになる。

 RS3とSkip Aheadの分岐について、8月23日付けのWindows公式ブログでドナ・サルカール氏が補足している。Skip Aheadの登場をもってRS3は開発の最終プロセスに入っており、今後は9月末から10月初頭とみられるFall Creators Updateの一般公開タイミングまで、主にバグ修正がアップデート内容の中心となる。

 サルカール氏によれば、正式版での安定性向上を目指してFast RingとSlow Ringともに今まで以上に頻繁なアップデートを行っていくということで、デスクトップPC向けには3週間近く提供のなかったWindows Insider Previewについて、今後は恐らく週に1〜3回ほどのペースで最新ビルドが配信されると予想する。

 もう1つのSkip Aheadについては、逆にRS3ほど頻繁なアップデートはなく、新機能や各種変更も当面はあまり行われないことが予告されている。これは、RS4自体がまだ開発のごく初期段階であること、そして開発スタッフの現在の視点がFall Creators Updateの完成に向いているためだ。従って、「新機能を試すことを期待してSkip Aheadを選択したけど、目新しい機能追加が行われない」といったことが起こり得る。

 これは、Creators Update(1607)こと現行の大型アップデートである「RS2」の開発末期でも見られた現象で、Creators Updateの提供開始後もしばらくはWindows Insider Previewでの目立った機能の追加はなかった。

 あくまで予想ではあるが、Fall Creators Updateで残念ながら搭載が間に合わなかった「タイムライン」や「クラウドクリップボード」といった機能の数々は、2017年末から2018年初頭くらいをめどに順次搭載されるくらいのペースかもしれない。

●Windows MRの複合現実を手軽に楽しめる新機能

 8月23日付けで提供が開始されたデスクトップPC向けの「Build 16273」では、この他に最新トピックが幾つか含まれている。最新ビルドでは既に形跡が消えているが、「Photos」アプリが「Story Remix」へと名称変更された後、今度は「Photos & Videos」となり、再び「Photos」となったことをWinSuperSiteが報告している。

 Microsoftは「Windows Story Remix」の名称でクラウドや認識コンピューティング、スマート検索などの機能を組み合わせた画像編集サービスを発表し、これをFall Creators Updateの目玉の1つとしていたが、最終リリースに向けた社内調整が進んでいる様子がうかがえる。

 そしてFall Creators Updateでの特徴の1つである「Windows Mixed Reality(MR)」を手軽に楽しむ手段として、「View Mixed Reality」機能を搭載した3Dコンテンツビュワーアプリ「View 3D」の提供が発表された。これはSkip Aheadで提供されている最新ビルドで利用可能な機能だ。

 この新しいView 3Dを使えば、Paint 3Dで自作した立体モデルや、Remix3D.comにアップロードされている3Dコンテンツを、PC内蔵カメラで撮影した現実世界に合成して閲覧できる。内蔵カメラは種類を問わないが、MicrosoftはSurfaceの顔認識カメラのように3Dの奥行きを把握できるカメラの利用を推奨している。

 2017年末に各社から登場するWindows PC向けのVR(仮想現実)対応HMD(ヘッドマウントディスプレイ)なしでも、手軽にWindows MRがもたらす複合現実の世界を試せる手段として注目したい。

●Windows 10 SにWindows Insider Previewがやってくる

 現在、Windows Insider Programで提供されているWindows Insider Previewは「PC」「Mobile」「Server」の3つのカテゴリーだが、今回のBuild 16273では2017年5月に発表された新エディション「Windows 10 S」が新たに加わった。

 Windows 10 Sを簡単に言うならば、「Windowsストアアプリしか利用できない機能限定版のWindows 10 Pro」となる。

 Insider Preview for Windows 10 Sの利用方法は、Windows 10 Sの正式版を導入した状態で、Windows Insider Programに参加するだけだ。MicrosoftはWindows 10 S用のインストーラーも提供しており、既存のWindowsからデータを引き継がずにインストールすることもできる。

 なお、このセットアップ用ツールを実行できるのは、Windows 10 ProまたはWindows 10 Enterpriseのみとなる。

●ReFSがWindows 10 Pro for Workstations専用に

 2017年秋にリリースされる予定のWindows 10新エディション「Windows 10 Pro for Workstations」についても新情報が入ってきた。中核機能の1つである「ReFS(Resilient file system)」について、Microsoftがこっそりとサポートポリシーを変更したのだ。

 以前に「Paint」アプリをプリインストールから削除した件で話題となった「Features that are removed or deprecated in Windows 10 Fall Creators Update(Windows 10 Fall Creators Updateで削除または非推奨となる機能)」というドキュメントにおいて、新たに「ReFS」の項目が追加され、「削除」の部分にチェックボックスが入っている。

 現在、ReFSはWindows 10の全てのエディションで利用可能だが、Fall Creators Update以降のアップデートを適用すると「読み書き」のみが可能で「作成」はできなくなる。ReFSの作成機能が提供されるのは、Windows 10 EnterpriseとWindows 10 Pro for Workstationsのみだ。それ以外のエディションについては、作成済みのReFSボリュームには継続してアクセス可能だが、新規作成や再構成が行えなくなるので注意したい。

 これは、Windows 10 Pro for WorkstationsをFall Creators Updateで提供するのに合わせて、既存エディションとの差別化のために実施した変更とみられる。

 Windows 10 Enterpriseはボリュームライセンスのみの提供で、一般ユーザーが直接手を出せる製品ではない。Windows 10 Pro for Workstationsは現時点でライセンス価格が公表されていないものの、Windows 10 Proより高額になるのは確実で、両者の線引きのためにReFSの位置付けを明確にしたのだろう。

 ちなみに、ReFSそのものは一般ユーザー向けの機能ではなく、ほとんどの場合は使えなくても差し障りないと考えられる。

[鈴木淳也(Junya Suzuki),ITmedia]

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