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「Windows 8.1 Update」は確かな改善だが、発展途上にある

ITmedia NEWS のロゴ ITmedia NEWS 2014/04/30 ITMedia
スタート画面右上の自分のアカウント横に、「電源」と「検索」のボタンが追加された。���味だが、初心者にとっては分かりやすい改善だろう スタート画面右上の自分のアカウント横に、「電源」と「検索」のボタンが追加された。���味だが、初心者にとっては分かりやすい改善だろう

 既報の通り、現行Windowsの最新アップデートとなる「Windows 8.1 Update」の提供が日本時間の4月9日に開始された。PC USERではBuild 2014でISOイメージを入手した本田雅一氏の速報的なレビューを掲載しているが、ここではインストールから変更点、そして新機能のよしあしまで、Windows 8.1 Updateをじっくり見ていく。

●Windows 8.1 Updateは「更新プログラム」の1つとして提供される

 Windows 8から8.1へのアップデートは、Windowsストアアプリの1つとして提供されていたが、8.1 Updateは定例アップデートの1つとしてプログラムが提供される。

 そのため、8.1 Updateのインストールにあたっては「チャーム(Charm)」メニューから「設定」→「PC設定の変更」→「保守と管理」の順に選択し、Windows Updateを実行する必要がある。

 ここで最新のアップデートを検索すると(「今すぐチェックする」を選択する)、候補の1つの中に「x64(またはx86)ベースシステム用 Windows 8.1 Update (KB2919355)」が見つかるはずだ(「詳細の表示」を選択すると、現在利用可能な最新アップデート一覧がすべて表示される)。

 デフォルトではチェックボックスが外れており、自分の意志でインストールを選択しない限りは8.1 Updateが適用されない。ただし、5月以降に提供される定例アップデートでは、8.1 Updateを適用したマシンのみがアップデート対象となるため、事実上8.1 Updateのインストールが必須となっている。つまり、Windows 8.1そのもののサポートは来月以降は提供されないことを意味しており、8.1 Updateは従来のサービスパック(Service Pack)の性質により近いものであることが分かる。

 更新プログラムとして扱われるため、インストールそのものは簡単だ。該当するアップデートを選択後、再起動するだけでいい。注意点としては、64ビット版で850Mバイト程度、32ビット版でその半分とアップデートの容量が非常に大きいため、ダウンロードする回線に注意してほしいことが挙げられる。3G等の従量制ネットワーク経由でのダウンロードや、回線速度の遅いケースなど、課金問題や長いダウンロード時間によるインストールの失敗が発生する可能性がある。

 また、Windows Updateの項目に8.1 Updateが出現しなかったり、あるいはインストールに途中で失敗するケースなども報告されていたりするが、ダウンロードセンター経由で直接インストールも可能なため、慌てずMicrosoftが公開しているトラブルシューティングを参照してほしい。

●機能の呼び出しが簡単になったスタート画面

 8.1 Update適用後のWindowsを再起動して表示されるスタート画面で、まず目につくのが画面右上の自分のアカウント横に表示される「電源」と「検索」ボタンだ。これまではチャームメニュー経由でしかアクセスできなかったボタンだが(「検索」はキーボードで文字を直接タイプしても呼び出せる)、8.1 Update以降はスタート画面から直接触れるようになった。

 おそらく、Windows 8に慣れていないユーザーから「メニューが探しづらい」という意見を受けての変更だとみられる。特に電源ボタンについてはアクセスするまでのメニュー階層が深いため、操作が煩雑だと感じていたユーザーもいるだろう。

 一方でこのスタート画面、ユーザーが利用しているPC環境によって表示される内容が異なるようだ。標準では写真にあるように「電源」「検索」の2つのボタンが並んでいるが、「検索」ボタンのみが表示されるユーザーもいる。

 この違いは当該マシンが「InstantGo」機能に対応しているかによるもので、例えば同機能に対応したWindowsタブレットでは電源ボタンが表示されない。InstantGoは非操作時にスリープに近い状態でバックグラウンド動作を続けてバッテリーの消費を抑える機構で、「電源」ボタンから利用できる「シャットダウン」や「スリープ」等の機能は必要ないとの判断だとみられる。

 より具体的には、InstantGo対応ハードウェアで「タブレット」とWindows OSに判定されたときに電源ボタンがスタート画面から消えるようになっており、InstantGo対応ハードウェアであっても必ずしもボタンが消えるわけではない。この辺りはレジストリの設定変更で対応可能なので、興味ある方はPaul Thurrott氏によるSuperSite for Windowsの記事を参考にしてみてほしい。

●マウス操作が大幅改善、デスクトップユーザーに使いやすく

 Windows 8.1でもかなり改良が加えられていたが、8.1 Updateではマウス操作との親和性がかなり高くなり、以前に比べるとストレスを感じる場面が減っている。

 まず従来と異なり、8.1 Updateではスタート画面でマウスの右クリックを行うと、コンテキストメニューが出現する。これまではタイルを右クリックすると、タッチ操作でタイルを長押しした場合と同じように、画面下端にメニューが表示される仕様だったため、マウスカーソルの移動量が多かった。8.1 Updateでは素直にデスクトップ画面と同じ操作感覚となっている。

 そして今回、一番大きな変化といえるのがタスクバーの挙動だ。具体的には、8.1 Updateではマウス操作時にマウスカーソルを画面の一番下へと移動させると、スタート画面であっても、フルスクリーンでModern UIアプリ(Windowsストアアプリ)を実行中であっても、どこでもタスクバーが出現して、アプリを切り替えられるようになっている。

 Modern UIアプリもタスクバーへの「ピン留め」が可能になっており、一度ピン留めしたModern UIアプリは「現在実行中かどうか」が一目で視認可能で(アイコンのまわりが反転する)、タスクバー上からいつでも呼び出してアプリを切り替えられる。

 また、Modern UIアプリの実行中にマウスカーソルを画面の一番上へと移動すると「タイトルバー」が表示されるようになった。これはデスクトップ画面でWindows 7以前のアプリケーションを実行したときのウィンドウ表示と同じで、アプリの名称が中央に、画面左上にアプリのアイコン、画面右上に「最小化」と「終了」ボタンの2つが出現する。

 画面左上のアプリアイコンにマウスカーソルを合わせて右クリックするとメニューが出現して、「左に分割」「右に分割」「最小化」「最大化」「閉じる」といった動作を選択できる(左ボタンでダブルクリックすると「閉じる」動作になる)。

 なお、このアプリアイコンにおける動作はタスクバー上にピン留めされたModern UIアプリのアイコンに対しても有効だ。共通するのは、「最大化」を選択するとフルスクリーンでModern UIアプリを開き、「最小化」を選択するとデスクトップ画面へと移行してModern UIアプリが“バックグラウンドへとまわる”ようになる。

 つまり、Modern UI実行中は「最大化」が選択できず、逆にデスクトップ画面が表示されているときは「最小化」が選択できない。理屈で考えると分かるのだが、正直にいうと「Modern UIアプリのフルスクリーン表示」「スタート画面」「デスクトップ画面」が目まぐるしく切り替わるため、慣れた人でないと非常に戸惑うのではないか。デスクトップ利用を中心としたユーザーのための施策だと思われるが、この辺りは将来のアップデートで提供される「デスクトップ画面上でModern UIアプリをウィンドウ表示する仕組み」の導入が不可欠と思われる。

 このほか、タスクバーはデスクトップの画面下側の固定ではなく、上下左右好きな場所へと配置できるようになっている。ただし、マウスカーソルを移動してタスクバーが出現する場所は「タスクバーを配置した位置」であり、画面上だとタイトルバー、画面左右だとアプリ一覧やチャームメニューとバッティングしてしまい、両方のメニューが同時に出現してしまうため、画面下以外の配置は基本的におすすめできない。

 最後に注意点として、このタスクバーの機能の利用は「チャーム(Charm)」メニューから「設定」→「PC設定の変更」→「PCとデバイス」→「画面の操作」の中の「アプリの切り替え」項目にある「Windowsストアアプリをタスクバーに表示する」を「オン」にしておく必要がある。

 これが無効化されていると、Modern UIアプリ実行時やスタート画面からタスクバーが呼び出せず、アプリの最小化も行えない。通常はデフォルト設定のはずだが、筆者の環境ではなぜか「オフ」となっており、機能を呼び出すために設定項目を必死にあさることになってしまった。もしこれで引っかかっているユーザーがいたら、この項目をチェックしてほしい。

●その他の改良ポイント

 ユーザーインタフェースがやや不親切という印象があったWindows 8だが、8.1から8.1 Updateとたどるにしたがって、少しずつこなれてきているようだ。

 8.1で新たに導入された「スタート画面を上方向にスワイプすると、アプリビューが表示される」という動作だが、8.1 Updateではストアアプリをインストールした直後など、スタート画面下側にその旨のメッセージが出現し、下向きの矢印とともにアプリビューへと誘導するナビゲーションが追加されるなど、さらに親切な作りとなった。

 そしてWindows 8以降に問題となっていた「Wi-FiアクセスポイントがGUIで削除できない」という不具合が、ついに8.1 Updateで修正された。最近のWindowsでは基本的に「周囲にあるWi-Fiアクセスポイントを検索して接続」という操作が容易になっており、一度選択したアクセスポイントは以後は自動接続するように設定することも可能だ。

 一方で、不用意にアクセスポイントへと自動接続されないように設定を削除したり、あるいはアクセスポイント側の設定変更でWindows側の接続設定も変更したい場合など、Windows 8/8.1では対処方法がなかった。コマンドツールを使って強制的に設定を削除する方法(Lifehacker)もあったが、一般ユーザーには難しく、Windows 8/8.1における大きな不評点だったと筆者は認識している。8.1 UpdateではWi-Fiアクセスポイントの削除や設定変更が一度に簡単になっており、地味ながら大きな進化といえる。

 以上が一般ユーザー視点で目に見える8.1 Updateの変更点だ。解説でも分かるように、地道に改良が進められている一方で、機能の複雑化や既存機能とのバッティングなど、悩ましい問題を抱えている。その意味で、8.1 Updateはまだ発展途上にあるといえるかもしれない。今後さらに提供される8.1 Updateの新版が、これら問題を少しずつ解決してくれるのだろうか。

[鈴木淳也(Junya Suzuki),ITmedia]

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