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「Z1」から何が進化した? ソニー自慢の「Xperia Z2」カメラの実力を試す

ITmedia NEWS のロゴ ITmedia NEWS 2014/06/09 12:00 ITMedia

 Android機では日本で一番人気といって過言ではなさげな、Xperiaの新作がZ2である。ソニーモバイルコミュニケーションズが世界市場に投入している「Xperia Z2」をベースに、NTTドコモ向けモデルは「Xperia Z2 SO-03F」が、au向けには「Xperia ZL2 SOL25」が発売されている。Xperiaシリーズは2013年-2014冬春モデルの「Xperia Z1」で大幅にカメラ機能をリニューアルした。

 Z2はその強化版なので、まずはZ1のおさらいをちょろっとしておこう。Z1は多くのスマホが1/3型前後の小さなイメージセンサーを搭載する中、1/2.7型という一回り大きなものを採用して驚かれた。これは普及型コンパクトデジカメ(ソニーでいえば、Cyber-shot WX/HXシリーズ)と同じ有効約2070万画素の裏面照射型CMOSセンサーで、開発には「Cyber-shot」のエンジニアも携わったという話。画素数やイメージセンサーサイズで(一般に、イメージセンサーサイズが一番画質に効いてくる)一歩リードした感があった。

 だから潜在的なポテンシャルは非常に高かったのだが、チューニングしきれてなかったのかホワイトバランスやAFの精度にやや難があった。「スマホ最高のカメラ」とは残念ながら言いがたかったのである。さてZ2ではその辺がどう進化したのかな、と。そんな感じで始めてみよう。今回はドコモのXperia Z2 SO-03Fを使用した。

●「プレミアムおまかせオート」で撮りまくれ

 Z2には面白い撮影機能がたくさんあるが、基本は「カメラさんよきに計らってください」の「プレミアムおまかせオート」である。これにしておけば、カメラが自動的に人を見つけたら顔がきれいに写るよう明るさを調整して撮るし、逆光なら自動的にHDRがかかるし、夜景と判断すれば自動的に夜景モードになる。そんな基本となる撮影モードだ。

 Z2でもZ1と同じく有効約2070万画素のセンサーを搭載しながら、画像サイズは800万画素相当になる。まあ実用面での問題はない。2070万画素のデータから800万画素の画像を作るので、リアル800万画素機に比べるとディテールの描写力は高い。Z1と異なるのは、画像の縦横比。Z1は16:9のみだったが、Z2は4:3も選べるようになったのだ。さすがに、最もよく使うモードが16:9固定ってのはどうかと思ってたので、これはよいこと。

 具体的にはこんな感じ。

 見て分かるように、16:9にすると上下の画角が狭くなるけど、画面全体を使うのでより大きく見える。どちらをメインにするかは好みでどうぞ。

 では作例を。いつもの黄色い滑り台とあずまやを4:3のおまかせプレミアムオートで。

 あずまやの写真を等倍表示してみると分かるけど、2070万画素のイメージセンサーから800万画素の絵を作っているだけあって、ディテールがすごくキリッとしてる。これはリアル800万画素機ではなかなか出せないクオリティだ。メインの被写体が中央にないときはタッチAFを使う。

 ただ、Xperiaは以前からタッチAFの仕様が独特なのだ。撮影前にタッチAFしていても、いざシャッターボタンをタッチすると、再度ピントを合わせなおすのである。これだと毎回AFのタイムラグが避けられない。なぜそういう仕様なのかナゾ。ちなみにGALAXYもiPhoneも、タッチすればそこにピントを合わせて固定してくれるので、1度タッチAFをかけたらシャッターボタンを押したらすぐ撮ってくれる。デジカメのタッチAFもそう。普通、タッチAFってそういうもんだと思うのだけど、ちょっとナゾである。ちなみに、側面のシャッターボタンを使えば、半押しでAF固定って技も使える。

 さらにいくつか作例を。

 続いて少し暗いところで料理。

 どちらも夜に撮ったもので、ちょっと感度が上がっているが、その割に写りは悪くない。続いてポートレート。諸般の事情で昼間の撮影ができなかったので、夜の室内で。

 Xperiaのプレミアムおまかせオートは顔を検出すると、自動的に顔が明るくなるよう調整してくれる。これはいい点。多少逆光でも顔がちゃんと撮れるのだ。

 ちなみにマニュアル撮影モードで顔検出を使わないで撮ったものと比べてみるとよく分かる。

 人を見つけると顔が暗くならないようちゃんと撮ってくれるのは素晴らしい点。さらに暗い場所になると、自動的に夜景モードになり、連写+合成でノイズを抑えてくれる。

 連写は長押しで。ただし、設定で「長押し連写」をオフにするか、画質優先連写にするか速度優先連写にするかを選んでおく必要がある。

 画質優先連写だと秒2コマくらい。速度優先連写だと秒10コマくらい。両者の画質差はそれほどないしどちらも800万画素相当の大きなサイズで撮れるので、低速連写か高速連写かで決めていいかと思う。

●こだわりたい人は「マニュアル撮影モード」

 カメラ任せじゃなく、自分であれこれ設定したいときは「マニュアル撮影モード」にすべし。そうすれば2000万画素相当の高解像度モードで撮影できるし、HDRのオン/オフやISO感度の設定なんかも自分でできるし、AFモードも選べる。せっかく2070万画素のイメージセンサーなんだから高画素で撮りたい、と思ってマニュアル撮影モードで20.7MP(4:3のとき)を選んだとしよう。

 では撮り比べ。

 いちいち等倍表示して見比べるのめんどくせーというあなたのために、等倍表示して並べたものをどうぞ。

 等倍にすると確かに20.7MPモードの方が大きく写ってるけど、800万画素にした方がディテールがきりっとしてシャープなわけで、これなら普段から8MPモードで使えばいいんじゃないかと思う次第。20.7MPから作る8MPはやっぱしっかりしてます。

 もう1つ、20.7MPモードだとシーンモードは使えないしHDRも使えない。いろいろと制限があるわけで、Z2は実質的には超きれいな8MPのカメラと思って使った方が余計なことを考えずに済むんじゃないかと。

●Z2は「4K動画」撮影に対応

 Z2がZ1から大きく進化した点の1つが動画だ。プレミアムおまかせオートモードではフルHDの動画を撮れるけど、撮影モードで「4Kビデオ」を選ぶと、4K動画(3840×2160ピクセル)を撮れるのだ。ちなみに、フルHD動画は1画面あたり約200万画素、4K動画はその4倍(縦横がそれぞれ2倍のサイズになるから)の約800万画素相当になる。800万画素の絵が動くのだからきれいなはずだ。

 で、実際に撮ってみると、もうフルHDより格段にいい。まあ、4K動画をフルに鑑賞できる環境を持ってる人はまだ多くないけど、きれいです。

 これはなかなか。まだ本職デジカメでも4K動画に対応したカメラは数少ないというのに、スマホの世界は生き急ぎすぎというかなんというか、呆れますわ(もちろんいい意味で)。

●Xperiaならではの特殊撮影機能で遊ぶ

 最後にZ2ならではの特殊撮影機能をざっくりと。

 上記の各モードを前から順番にサクッと見ていこう。「タイムシフトビデオ」は新機能。タイムシフト連写の動画版っぽい名前だけど、実際には「スローモーション動画」機能(ハイスピード動画ともいう)。1280×720ピクセルのサイズになるが、普通の動画だと秒30コマなところを秒120コマのハイスピードで撮影する。それを通常の速度(つまり秒30コマ)で再生すると、4分の1の速さになる。つまりスローモーション再生となるのだ。

 でも、スローモーションで5秒の動画を録ると、再生時は20秒もかかるわけで、見てると退屈。そこでタイムシフトビデオでは「撮った動画の好きなところだけをスローモーションにした」動画を作れるのだ。これは面白い。操作も面白いし仕上がりも面白い。操作は「タイムシフト連写」と同じインタフェース。

 撮った動画を再生しながら、「指定した箇所だけをスローにできる」のだ。青く色がついたところが該当箇所。スローにするところの長さも設定できる。その結果がこちら。

 残念なのは、このときタッチAFが使えないこと。シャボン玉映像はシャボン玉にピントを合わせたかったのだけど(右端のシャボン玉発射装置にタッチAFできればよかったのに)、後ろに合ってしまった。

 「背景ぼかし」はピントをずらした写真を2枚撮って、実際より背景が大きくボケた写真を生成する機能。この機能自体はそう珍しくないのだが、新しいのは撮ったあとに「ボケ具合やボケ方」を指定できる点だ。

 しかも合成の不自然さも以前よりない。これは面白い。ただまあ、前景と背景をうまくカメラ側が判断してくれるとは限らないので失敗することもあります。

 「ARエフェクト」はZ1で採用された、CGと現実を合成した写真を撮れるお遊び機能。動画撮影に対応したほか、効果音を加えることができるようになった。こちらも1920×1080ピクセルとなる。

 「クリエイティブエフェクト」はデジタルエフェクトフィルタ機能。動画にもかけられるほか、画面デザインもちょっと変わった。

 「Vine」はショートムービーの共有サービス。「info-eye」は撮影した写真を解析して、それについての情報を得るサービス(Z1と同じだ)。「タイムシフト連写」はZ1と同様、シャッターボタンを押した前後を超高速連写して、あとから最適な1枚を選べるという機能。

 「Social Live」はFacebook状で動画の配信ができる機能。「スイングパノラマ」はソニー伝統のパノラマ撮影機能。ただ途中で撮影をやめると残りがグレーのままっていう仕様はいい加減やめてほしい。パノラマ写真って、どこからどこまでをパノラマにするかを撮影者が選べないと駄目じゃないか?

 「Evernote」は、撮った写真を直接Evernoteに保存できる機能。Evernoteはクラウドサービスの一種で、クラウド上のノートにテキストや絵、写真などをどんどん貼り付けることで、さまざまな情報をまとめたり詰めこんだりして管理できるサービス。わたしも愛用しております。

 と、Z1から新しくなったところを中心にZ2のカメラ機能を片っ端からチェックしてみたわけだが、進化してよくなったところと、ややこしいままのところと、そろそろ改善して欲しいところ(タッチAFやスイングパノラマの仕様など)が混在してるという印象。

 でもプレミアムおまかせオートで、4:3か16:9かだけを自分で決めてあとはカメラさんよろしく、とばかりに気楽に撮るのならすごくいい。タッチAFの仕様がちょっと不満だけど、写りはなかなか。Z1で見られた、ちょっと暗いとピントが合いづらいというのも改善された気がする。

 動画機能もいい。4Kビデオは予想以上に素晴らしいクオリティだったし、タイムシフトビデオもやってること自体はそう目新しくないけど、使い勝手も含めてこれは遊べる。という感じ。個人的にはもうちょっと機能をシンプルにしてもいいんじゃないかという気がするけど、Zシリーズも着実に進化しております。

[荻窪圭,ITmedia]

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